似た意味を持つ「安眠」(読み方:あんみん)と「永眠」(読み方:えいみん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「安眠」と「永眠」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
安眠と永眠の違い
安眠と永眠の意味の違い
安眠と永眠の違いを分かりやすく言うと、安眠とは気持ちよく眠ることを表し、永眠とは死ぬことを表すという違いです。
安眠と永眠の使い方の違い
一つ目の安眠を使った分かりやすい例としては、「安眠するための方法えおタイプ別にご紹介します」「激しい運動は安眠の妨げになります」「枕は安眠に欠かせないアイテムです」「夏の蒸し暑さで安眠できない」などがあります。
二つ目の永眠を使った分かりやすい例としては、「父は病院で明け方に永眠しました」「病気療養中のところ永眠されました」「永眠時刻に合わせて黙祷を捧げる」「画伯の永眠の地であるロンドンを尋ねます」などがあります。
安眠と永眠の使い分け方
安眠と永眠という言葉は、どちらも眠っている様子を表しますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
安眠とは、「安らかに眠ること」であり、気持ちよくぐっすりと眠ることを意味します。人は疲労回復のために睡眠を取りますが、そのなかでも心地よい良質な眠りを「安眠」と言います。
永眠とは、「永遠に眠りにつくこと」であり、死を婉曲的に表した言葉です。死亡したことをお知らせする時などに使用され、「享年90歳にて永眠いたしました」などと表現します。
つまり、安眠とは気持ちよく眠ることであり、永眠とは人が亡くなることを表現する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は全く異なるので区別して使うようにしましょう。
安眠と永眠の英語表記の違い
安眠を英語にすると「good sleep」「quiet sleep」「sound sleep」となり、例えば上記の「安眠する」を英語にすると「have a good sleep」となります。
一方、永眠を英語にすると「death」「eternal sleep」「pass away」となり、例えば上記の「明け方に永眠する」を英語にすると「pass away at dawn」となります。
安眠の意味
安眠とは
安眠とは、安らかにぐっすり眠ることを意味しています。
安眠の読み方
安眠の読み方は「あんみん」です。誤って「やすみん」「あんべん」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「安眠グッズ」「安眠方法」「安眠音楽」
「安眠グッズ」「安眠方法」「安眠音楽」などが、安眠を使った一般的な言い回しです。
安眠の使い方
安眠を使った分かりやすい例としては、「安眠におすすめのアロマはありますか」「ジャズピアノは安眠を誘う効果があります」「安眠のためのサプリを飲んでいます」「安眠ドームをニトリで買って愛用しています」などがあります。
その他にも、「すぐに眠れる安眠音楽を探しています」「安眠のツボは耳の後ろにあります」「安眠のために湯船に浸かっています」「安眠枕で肩こりが解消しました」「おしゃれな安眠グッズを誕生日プレゼントにする」などがあります。
安眠の「安」は訓読みで「やすい」と読み、穏やかに落ち着いていることを表します。眠ることを表す「眠」と結び付き、安眠とは、ぐっすり気持よく眠ること、安らかに眠ることを意味します。
「安眠ドーム」の意味
上記例文にある「安眠ドーム」とは、良質な眠りのために睡眠専門医が開発したドーム型の枕です。顔周りを覆うことで周囲の音をシャットアウトする効果があるだけでなく、電気の光や日光の眩しさを遮り、さらに冬の冷気による寒さを防ぐのにも有効です。
安眠の対義語
安眠の対義語・反対語としては、眠れないことを意味する「不眠」などがあります。
安眠の類語
安眠の類語・類義語としては、気持ちよく眠ることや心地よい眠りを意味する「快眠」、ぐっすりとよく眠ることを意味する「熟睡」、眠ることや眠りを意味する「睡眠」、少しのことでは目が覚めないくらい深く眠り込むことを意味する「爆睡」などがあります。
永眠の意味
永眠とは
永眠とは、永遠の眠りにつくこと、死ぬこと、死去を意味しています。
永眠の読み方
永眠の読み方は「えいみん」です。誤って「ようみん」「えいべん」などと読まないようにしましょう。
永眠の使い方
永眠を使った分かりやすい例としては、「安らかにご永眠されますようお祈りいたします」「英語の楽しさを教えてくれた恩師が永眠されました」「夏休みは福沢諭吉の永眠の地を訪ねます」「安眠妨害で訴えてやる」などがあります。
その他にも、「老衰のため永眠いたしました」「ご永眠の報に接し、悲しみにたえません」「永眠された方々のためにお祈りをする」「我が家の愛犬が永眠しました」「祖母の永眠のお知らせはメールで済ませました」などがあります。
永眠の「永」は訓読みで「ながい」「とこしえ」と読み、時間が長く続くことや久しいことを表します。ねむることを表す「眠」と組み合わさり、永眠とは、永遠の眠りにつくこと、すなわち死ぬことを意味する言葉です。
「永眠の地」の意味
永眠を用いた日本語には「永眠の地」があります。永眠の地とは、亡くなった人が埋葬または火葬されている場所を意味し、墓地、霊園、納骨堂などを指します。日光東照宮は、徳川幕府の創設者である徳川家康の永眠の地として建設されたものです。
永眠の対義語
永眠の対義語・反対語としては、人が生まれることや誕生を意味する「生誕」などがあります。
永眠の類語
永眠の類語・類義語としては、死ぬことを婉曲にいう語を意味する「他界」、死ぬことや永眠を意味する「永逝」、現世を去って仏の浄土に生まれることを意味する「往生」、命が絶えることを意味する「絶命」などがあります。
安眠の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、気持よく眠ること、安らかに眠ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、安眠の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「安眠する」「安眠グッズ」「安眠音楽」などがあります。「安眠音楽」とは、睡眠を促すような心地良い音楽のことで、入眠効果があるとされています。
永眠の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、永遠の眠りにつくこと、死ぬことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、永眠の慣用的な言い回しには「永眠の地」「永眠につく」「永眠された」などがあります。
例文5にある永眠と逝去の違いは、永眠は死を婉曲的に表したものである一方、逝去は他人の死を敬っていう語である点にあります。
安眠と永眠という言葉は、似ていますが意味は異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、ぐっすりと眠ることを表現したい時は「安眠」を、死ぬことを表現したい時は「永眠」を使うようにしましょう。