同じ「そざいをいかす」という読み方の「素材を生かす」と「素材を活かす」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「素材を生かす」と「素材を活かす」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「素材を生かす」と「素材を活かす」の違い
「素材を生かす」と「素材を活かす」の意味の違い
「素材を生かす」と「素材を活かす」の違いを分かりやすく言うと、「素材を生かす」は公用文で使える、「素材を活かす」は公用文で使えないという違いです。
「素材を生かす」と「素材を活かす」の使い方の違い
一つ目の「素材を生かす」を使った分かりやすい例としては、「味付けを控えめにして食材の素材を生かす」「豊富な素材を生かすのが一流の料理人です」「素材を生かすのはそう簡単なことではありません」などがあります。
二つ目の「素材を活かす」を使った分かりやすい例としては、「資源や素材を活かすためにリサイクルを推奨しています」「彼は食材の素材を活かす料理がとても上手です」「素材を活かす家づくりをしたいです」などがあります。
「素材を生かす」と「素材を活かす」の使い分け方
「素材を生かす」と「素材を活かす」は同音の言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
結論から言ってしまうと、「素材を生かす」は公用文でも使えるのに対して、「素材を活かす」は公用文で使えないのが違いになります。
ではなぜ、「素材を活かす」が公用文で使えないかというと、「活かす」という漢字が常用漢字表に載っていないからです。
常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。
常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。
「素材を生かす」と「素材を活かす」の英語表記の違い
「素材を生かす」も「素材を活かす」は日本語特有の言葉なので直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「make the most of」「take advantage of 」などがあります。
「素材を生かす」の意味
「素材を生かす」とは
「素材を生かす」とは、元になる材料を有効に使うことを意味しています。
「素材を生かす」の使い方
「素材を生かす」を使った分かりやすい例としては、「人材の素材を生かす育成を心がけております」「野菜の素材を生かすことで美味しい料理が完成する」「多用な食材の素材を生かすために5年の下積みを行ないました」などがあります。
「素材を生かす」は元になる材料のことを意味する「素材」に、有効に使うことを意味する「生かす」が合わさり、元になる材料を有効に使うことの意味で使われてる言葉です。
「素材を生かす」は料理や建築関係などで、自然の素材をそのまま活用するというニュアンスでよく使われていると覚えておきましょう。
「素材を生かす」は公用文で使える
「素材を生かす」の「生かす」は本来生死が関わる場合に使う言葉なのですが、常用漢字表に載っているので「活かす」の代わりに使用されることが多いという特徴があります。
「素材を生かす」の類語
「素材を生かす」の類語・類義語としては、有効に利用することを意味する「有効利用」があります。
「素材を活かす」の意味
「素材を活かす」とは
「素材を活かす」とは、元になる材料を有効に使うことを意味しています。
「素材を活かす」の使い方
「素材を活かす」を使った分かりやすい例としては、「素材を活かす家づくりは私たちにお任せください」「良質な素材を活かすことで美味しい料理ができる」「自然の素材を活かす伝統は素晴らしいと思います」「トーンを抑えて素材を活かす家づくり」などがあります。
「素材を活かす」は元になる材料のことを意味する「素材」に、有効に使うことを意味する「活かす」が合わさり、元になる材料を有効に使うことの意味で使われてる言葉です。
「素材を活かす」は料理や建築関係などで、自然の素材をそのまま活用するというニュアンスでよく使われていると覚えておきましょう。
「素材を活かす」は公用文で使えない
「素材を活かす」を使う上で注意しなければならないのは、公用文で使えないという点です。なぜなら、「活かす」が常用漢字表に載っていないからです。
したがって、公用文で使用したいのであれば、常用漢字である「生かす」かひらがなの「いかす」に置き換えるようにしましょう。
「素材を活かす」の類語
「素材を活かす」の類語・類義語としては、有効に活用することを意味する「有効活用」があります。
「素材を生かす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、元になる材料を有効に使うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「素材を生かす」は公用文でも使うことができる表現です。
「素材を活かす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、元になる材料を有効に使うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「素材を活かす」は公用文では使えない表現です。
「素材を生かす」と「素材を活かす」はどちらも元になる材料を有効に使うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、公用文で使えるのが「素材を生かす」、公用文で使えないのが「素材を活かす」と覚えておきましょう。