【いっとき】と【ひととき】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「いっとき」と「ひととき」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「いっとき」と「ひととき」という言葉は、どちらも短い時間のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「いっとき」と「ひととき」の違い

「いっとき」と「ひととき」の意味の違い

「いっとき」と「ひととき」の違いを分かりやすく言うと、「いっとき」は何かが起こる短い間のことを指すこと、「ひととき」は何かをするための長くはないがまとまった時間を指すことという違いです。

「いっとき」と「ひととき」の使い方の違い

一つ目の「いっとき」を使った分かりやすい例としては、「息子はいたずらっ子なのでいっときも目を離せません」「彼の容態はいっときも油断できない状況です」「彼女はいっときも手を休めませんでした」などがあります。

二つ目の「ひととき」を使った分かりやすい例としては、「あなたのおかげで楽しいひとときを過ごすことができました」「最高のひとときをありがとう」「ひとときも彼のことを忘れたことはありません」「それでは楽しいひとときをお過ごしください」などがあります。

「いっとき」と「ひととき」の使い分け方

「いっとき」と「ひととき」はどちらも短い時間のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「いっとき」はわずかな時間のことを意味しており、「雨がいっとき降りました」のように、何かが起こる短い間のことを指す場合に使います。

一方、「ひととき」はしばらくの間のことを意味しており、「彼とお昼のひとときを過ごしました」のように、何かをするための長くはないがまとまった時間のことを指す場合に使います。

上記からも分かるように、意味が微妙に異なっているので「雨がひととき降りました」「彼とお昼のいっときを過ごしました」などように、お互いに置き換えることはできません。

「いっとき」と「ひととき」の英語表記の違い

「いっとき」を英語にすると「a moment」「at one time」「as much as」となり、例えば上記の「She didn’t rest for as much as a second」を英語にすると「彼女はいっときも手を休めませんでした」となります。

一方、「ひととき」を英語にすると「for a time」「for a while」となり、例えば上記の「それでは楽しいひとときをお過ごしください」を英語にすると「I hope you will have a good time」となります。

「いっとき」の意味

「いっとき」とは

「いっとき」とは、わずかな時間のことを意味しています。その他にも、一度にのことや過去のある時のことの意味も持っています。

「いっとき」の漢字表記

「いっとき」を漢字にすると、「一時」と表記することができます。

「いっとき」の使い方

「いっとき小雨になったので急いで帰りました」「花盛りもいっときだろう」などの文中で使われている「いっとき」は、「わずかな時間のこと」の意味で使われています。

一方、「客がいっときに押しかけてきました」「いっときはどうなることかと思いました」などの文中で使われている「いっとき」は、「一度にのことや過去のある時のこと」の意味で使われています。

「いっとき」はわずかな時間のこと、一度にのこと、過去のある時のことを意味する名詞で、主に何かが起こる短い間のことを指す場合に使います。また、昔は時間の単位としても使われており、現在に当てはめると2時間を指しています。

「いっとき」はどれくらいか

では現代の「いっとき」はどれくらいの長さだろうと思う人もいるはずですが、結論から言ってしまうと明確な定義はありません。そのため、一般的には短い時間を指す場合に使いますが、個人の裁量にで決まると覚えておけば問題ないでしょう。

「いっとき」の類語

「いっとき」の類語・類義語としては、その間に物事が集中することを意味する「ひとしきり」、少しの間のことを意味する「暫時」などがあります。

「ひととき」の意味

「ひととき」とは

「ひととき」とは、しばらくの間のことを意味しています。その他にも、過去のある時のことの意味も持っています。

「ひととき」の漢字表記

「ひととき」を漢字にすると、「一時」と表記することができます。

「ひととき」の使い方

「マッサージを受けている間は憩いのひとときです」「彼女と楽しいひとときを過ごすことができました」などの文中で使われている「ひととき」は、「しばらくの間のこと」の意味で使われています。

一方、「ひとときは栄華を誇りました」「この曲はひととき流行っていました」などの文中で使われている「ひととき」は、「過去のある時のこと」の意味で使われています。

「ひととき」はしばらくの間のこと、過去のある時のことの意味を持つ名詞で、何かをするための長くはないがまとまった時間を指す場合に使うことが多いです。また、昔は時間の単位としても使われており、現在に当てはめると2時間を指しています。

「ひととき」はどれくらいか

では現代の「ひととき」はどれくらいの長さだろうと思う人もいるはずですが、結論から言ってしまうと明確な定義はありません。そのため、一般的には短い時間を指す場合に使いますが、個人の裁量にで決まると覚えておけば問題ないでしょう。

「ひととき」の類語

「ひととき」の類語・類義語としては、しばらくの間のことを意味する「少時」、ある短い時間のことを意味する「いちじ」などがあります。

「いっとき」の例文

1.いっとき雨が止んだので、その間に駅まで走って向かいました。
2.彼の病状はかなり進行しており、いっときの余裕もない状況です。
3.単身赴任で半年間家族と離れ離れになっているが、いっときも忘れたことはありません。
4.空港でファンがいっときに押しかけたため、大混乱に陥りました。
5.いっときはどうなることかと思ったが、無事に解決して良かったです。

この言葉がよく使われる場面としては、わずかな時間のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、一度にのことや過去のある時のことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「いっとき」はわずかな時間のこと、例文4の「いっとき」は一度にのこと、例文5の「いっとき」は過去のある時のことの意味で使っています。

「ひととき」の例文

1.ランチタイムの忙しいひとときを終えれば、あとはゆっくりできるだろう。
2.これからショーが始まりますので、楽しいひとときをお過ごしくださいませ。
3.久々に学生時代の友人と再会し、楽しいひとときを過ごすことができました。
4.この曲はひととき流行っていたので、今でもすぐに歌うことができます。
5.彼はひとときスター選手だったが、今では全く成績を残せていません。

この言葉がよく使われる場面としては、しばらくの間のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、過去のある時のことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「ひととき」はしばらくの間のこと、例文4と例文5の「ひととき」は過去のある時のことの意味で使っています。

「いっとき」と「ひととき」はどちらも短い時間のことを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、何かが起こる短い間のことを指すこと表現したい時は「いっとき」を、何かをするための長くはないがまとまった時間を指すことを表現したい時は「ひととき」を使うと覚えておきましょう。

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