【成年】と【成人】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「成年」(読み方:せいねん)と「成人」(読み方:せいじん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「成年」と「成人」という言葉は、どちらも「満18歳以上の者」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




成年と成人の違い

成年と成人の意味の違い

成年と成人の違いを分かりやすく言うと、成年とは18歳以上の者のみを表し、成人とは18歳以上の者だけでなく成長して大人になることも表すという違いです。

成年と成人の使い方の違い

一つ目の成年を使った分かりやすい例としては、「成年に達するまで選挙権はありません」「民法の成年年齢は20歳から18歳に引き下げられました」「成年後見人の弁護士が横領容疑で逮捕されました」「成年者である宅地建物取引士を置かなければならない」などがあります。

二つ目の成人を使った分かりやすい例としては、「今では成人病は生活習慣病と呼ばれています」「成人期注意欠陥多動障害の原因と治療方法が知りたい」「成人女性の一日の消費カロリーはどれぐらいですか」「成人してからの反抗期は厄介なものです」などがあります。

成年と成人の使い分け方

成年と成人という言葉は、どちらも人が一人前と認められる年齢を意味し、日本の現行制度では18歳以上の者を表します。この意味で使用されている「成年に達するまで」「成人女性」の成年と成人は、互いに置き換えて使うことができます。

さらに、成人という言葉は、「子供が成長して大人になること」の意味も持っており、この意味で使用されている「成人してからの反抗期」の成人は、成年という言葉に置き換えることはできません。

つまり、成年は18歳以上の大人のみを表しますが、成人はは18歳以上の大人だけでなく大人になることも表現します。二つの言葉を比べると、成年よりも成人の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

成年と成人の英語表記の違い

成年を英語にすると「legal age」「adult age」「age of majority」となり、例えば上記の「成年に達する」を英語にすると「reach one’s majority」となります。

一方、成人を英語にすると「adult」「grown‐up」「maturity」となり、例えば上記の「成人病」を英語にすると「adult diseases」となります。

成年の意味

成年とは

成年とは、人が完全な行為能力を有し、父母の親権に服さなくなるとみなされる年齢、成人年齢を意味しています。

成年の読み方

成年の読み方は「せいねん」です。同じ読み方をする熟語に「青年」「生年」などがありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。

成年の使い方

成年を使った分かりやすい例としては、「令和4年に成年年齢が引き下げられました」「皇族の成年式はいつ行われますか」「これまで成年年齢は20歳とされていました」「今でも19歳は未成年ですか」などがあります。

その他にも、「成年後見人の手続き方法を教えてください」「家族でも成年後見人になれますか」「成年後見制度をわかりやすく説明して欲しい」「成年後見人制度は見直しが必要だろう」「成年後見人の報酬額はいくらですか」などがあります。

成年とは、人の心身が十分に発達し一人前と認められる年齢を意味し、日本の現行制度では満18歳以上の大人を指します。明治29年の民法制定から成年は満20歳でしたが、令和4年の改正民法施行により満18歳に引き下げられました。成年に達すると、さまざまな法律効果を得るようになります。

表現方法は「成年後見人」

成年を用いた日本語には、「成年後見人」があります。成年後見人とは、成年後見制度において、精神障害により事理を弁識する能力が欠ける常況にある者について保護を行う人を意味します。本人が認知症になった場合などの対策にも活用されています。

成年の対義語

成年の対義語・反対語としては、まだ成年に達していない人を意味する「未成年」などがあります。

成年の類語

成年の類語・類義語としては、社会で職業につき活動している人を意味する「社会人」、心身ともに成熟して働きざかりの年ごろを意味する「壮年」、成人であることや成人の資格があることを意味する「一人前」などがあります。

成人の意味

成人とは

成人とは、心身が発達して一人前になった人、成年に達した人間、現代日本では一般的に満18歳以上の者を意味しています。

その他にも、「子供が成長して大人になること」の意味も持っています。

成人の読み方

成人の読み方は「せいじん」です。同じ読み方をする熟語に「聖人」「星人」などがありますが、意味が異なるので書き間違いに注意してください。

成人の使い方

「成人式は何歳が対象ですか」「2005年生まれの息子の成人式はいつだろう」「成人式の髪型をどうするか迷っています」「成人男性の摂取カロリーの目安を確認する」「成人スティル病とストレスは関係ありますか」などの文中で使われている成人は、「成年に達した人間」の意味で使われています。

一方、「子どもが成人するまでにかかるお金を調べる」「離婚は子どもが成人するまで待つつもりです」「成人してからアトピーを発症しました」などの文中で使われている成人は、「子供が成長して大人になること」の意味で使われています。

成人とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。成人の「成」は訓読みで「なす」「なる」と読み、成し遂げることや一人前になることを表す漢字です。

表現方法は「成人式」

成人を用いた日本語には「成人式」があります。成人式とは、 成年に達した人を祝う儀式を意味し、地方自治体や企業などで行うものです。2022年4月1日に成年が20歳から18歳に引き下げられましたが、多くの自治体は引き続き20歳を対象に実施しています。

成人の対義語

成人の対義語・反対語としては、 幼少の人や子供を意味する「小人」、児童福祉法で小学校就学から満18歳に達するまでの者を意味する「少年」などがあります。

成人の類語

成人の類語・類義語としては、 成長して一人前になった人を意味する「大人」、男子が成人になったことを祝う通過儀礼の儀式を意味する「元服」、大人や成人向きであるさまを意味する「アダルト」などがあります。

成年の例文と使い方

1.少し前まで18歳や19歳は未成年だったので、18歳から成人となったことにまだ違和感があります。
2.高校三年生のクラスには、成年者と未成年者が入り混じって存在しています。
3.成年年齢の引き下げに関しては、今も根強い反対意見があるようです。
4.成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたのであれば、未成年とは何歳未満になりますか。
5.成年後見制度を利用することで、財産のトラブルに巻き込まれてしまうことがあるので気を付けてください。

この言葉がよく使われる場面としては、父母の親権に服さなくなるとみなされる年齢、日本の現行制度では満18歳を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「成年後見制度」とは、認知症の高齢者や知的障害者など、判断能力が不十分な成人の財産管理や契約などについて、選任された成年後見人が代理して行う制度のことです。

成人の例文と使い方

1.成人年齢が18歳になってもお酒が飲めるもの20歳からですし、成人式は20歳を対象にしている自治体がほとんどです。
2.なぜ18歳から成人になったのか、調べてみると納得できる理由がありました。
3.成人年齢が引き下げられた理由のひとつに、若者の社会参加を促進する狙いがあります。
4.成人年齢の引き下げには、メリットだけでなくデメリットもあります。
5.娘はもう成人して自活していますが、我が子は何歳になっても可愛いものです。

この言葉がよく使われる場面としては、成年に達すること、幼い者が成長することを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4にある成年は、「成年に達すること」を意味しており「成人」という言葉に言い換えることができます。例文5の成年は、「幼い者が成長すること」の意味で用いられており、「成人」に言い換えることはできません。

成年と成人という言葉は、どちらも「満18歳以上の者」を表します。さらに「成人」には「成長して大人になること」の意味もあることを覚えておきましょう。

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