【専修】と【専攻】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「専修」(読み方:せんしゅう)と「専攻」(読み方:せんこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「専修」と「専攻」という言葉は、どちらも「専門的に学ぶこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




専修と専攻の違い

専修と専攻の意味の違い

専修と専攻の違いを分かりやすく言うと、専修よりも専攻の方が、一般的に使用されている表現という違いです。

専修と専攻の使い方の違い

一つ目の専修を使った分かりやすい例としては、「専修科目の授業内容を確認する」「娘は大学で獣医学を専修するようです」「戦前にロシア文学専修が設置されました」「当院では専修医および専攻医を募集しております」などがあります。

二つ目の専攻を使った分かりやすい例としては、「私の専攻はマクロ経済学です」「韓国語を専攻する日本人学生が増えています」「学位に付記する専攻分野の名称を確認してください」「高校の演劇専攻とは珍しいですね」などがあります。

専修と専攻の使い分け方

専修と専攻という言葉は、どちらも特定のことを専門的に学んだり、研究したりすることを意味する同義語です。そのため、上記の例文にある「獣医学を専修する」「韓国語を専攻する」の専修と専攻は、互いに置き換えても意味は変わりません。

「専修医」と「専攻医」のように微妙に意味が違ってくる単語もありますが、基本的に同じ意味を持つ言葉だと考えることができます。

二つの言葉の違いを挙げるのであれば、一般的には、専修よりも専攻という言葉の方が多く使われている点です。二つの言葉の意味や使い方に大きな違いはありませんが、世間一般に知られている顕在化を使う方が違和感を感じられることはないでしょう。

専修と専攻の英語表記の違い

専修を英語にすると「specialization」「differentiation」となり、例えば上記の「専修科目」を英語にすると「a specialized subject」となります。一方、専攻を英語にすると「major subject」「special study」となり、例えば上記の「私の専攻」を英語にすると「my major」となります。

専修の意味

専修とは

専修とは、特定の学問や技術のみを専門に学ぶこと、専攻を意味しています。

専修の読み方

専修の読み方は二通りあり、「せんしゅう」の他に「せんじゅ」とも読みます。「せんじゅ」と読む場合、仏教語で特定の行をひたすら修めることを意味します。

専修の使い方

専修を使った分かりやすい例としては、「音大でバイオリンを専修しています」「自分の専修分野について熱弁をふるう」「大学では何を専修されましたか」「英語教育を専修するにあたってシラバスをチェックする」などがあります。

その他にも、「内科の専修医として患者を診療しています」「生成AIを専修する学生は増加傾向にあります」「情報学を専修するならキャンパスは松戸になります」「大学を受験する前に何を専修したいのか考えましょう」などがあります。

専修の「専」は、訓読みで「もっぱら」と読み、一途にそのことだけをすることを表します。学問や技芸などを身につけることを表す「修」と結び付き、専修とは、ある特定の学問を専門的に学ぶことを意味します。

「専修医」の意味

専修を用いた日本語には「専修医」があります。専修医とは、専門研修プログラムに参加せず、診療専門分野を研修する目的の医師を意味します。日本専門医機構の定める専門研修プログラムに参加を予定している「専攻医」と区別されています。

専修の対義語

専修の対義語・反対語としては、二つ以上のものを同時に並行して学ぶことを意味する「兼修」などがあります。

専修の類語

専修の類語・類義語としては、必ず学び修めなければならないことを意味する「必修」、規定の学科や課程などを習い修めることを意味する「履修」、講義や講習を受けることを意味する「受講」などがあります。

専攻の意味

専攻とは

専攻とは、ある一つのことを専門に研究することを意味しています。

専攻の読み方

専攻の読み方は「せんこう」です。同じ読み方をする熟語に「先行」や「選考」などがありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。

専攻の使い方

専攻を使った分かりやすい例としては、「大学で英語教育を専攻しています」「私はスペイン文化を専攻するつもりです」「人気の専攻科目はどちらですか」「あなたの専攻分野を教えてください」などがあります。

その他にも、「専攻医の年収はどのくらいですか」「彼が専攻科に進むとは思わなかった」「専攻科目について熱心に語る」「悩んだ末に副専攻は中国語にしました」「エントリーシートにある専攻テーマは何を書くべきですか」などがあります。

専攻の「攻」は訓読みで「せめる」「おさめる」と読み、これより先はないというところまで行き着くことや深くきわめることを表します。一つに集中することを表す「専」と組み合わさり、専攻とは、ある分野を専門に研究することを意味します。

「専攻科目」

専攻を用いた日本語には「専攻科目」があります。専攻科目とは、大学において所属する学部学科やコースの専門分野について学ぶ科目を意味します。例えば、経済学部の専攻科目には、経済理論、経済統計学、マクロ経済学、ミクロ経済学などがあります。

専攻の対義語

専攻の対義語・反対語としては、二つ以上の学問や宗教などを兼ね学ぶことを意味する「兼学」などがあります。

専攻の類語

専攻の類語・類義語としては、限られた分野の学問や職業にもっぱら従事することを意味する「専門」、ある職業や事業を専門にすることを意味する「専業」、ある一つの任務だけを担当することを意味する「専任」などがあります。

専修の例文と使い方

1.心理学を専修する学生は、明日のガイダンスに必ず出席してください。
2.英語が得意な彼女は、大学で異文化コミュニケーション論を専修するようです。
3.専修している韓国文学の研究のため、一年ほど渡韓しようかと考えています。
4.私は東洋医学に興味があり、漢方薬を専修できる大学を探しています。
5.大学で児童心理を専修した私は、小学校のスクールカウンセラーをしています。

この言葉がよく使われる場面としては、もっぱらそのことばかりを習い修めることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にある「専修」は、「専攻」という言葉に言い換えても問題ありません。

専攻の例文と使い方

1.当大学の理工学部には4つの学科と16の専攻があり、幅広い分野から学びたい領域を選ぶことができます。
2.私は大学で英語学を専攻し、英語の構造を文化的背景から分析した卒論を書きました。
3.私が所属する学科には専攻がないため、エントリーシートの書き方を工夫しています。
4.なりたい公務員の種類によって、専攻する学問を選ぶようにしてください。
5.学校教育法の改正により、高校専攻科の修了者が大学に編入できるようになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、もっぱらある事柄だけを修めること、ある学問や学科を専門に攻究することを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「専攻科」とは、学校の本科課程の上位に付属させて設置し、さらに高度の学術や技芸を専攻させる課程を意味します。

専修と専攻という言葉は、どちらも「専門に学ぶこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に使用されている「専攻」を用いると伝わりやすいでしょう。

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