【世の中】と【世間】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「世の中」(読み方:よのなか)と「世間」(読み方:せけん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「世の中」と「世間」という言葉は、どちらも人が他と関係しあいながら生活する場のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「世の中」と「世間」の違い

「世の中」と「世間」の意味の違い

「世の中」と「世間」の違いを分かりやすく言うと、「世の中」の方が「世間」よりも広い範囲のことを指しているという違いです。

「世の中」と「世間」の使い方の違い

一つ目の「世の中」を使った分かりやすい例としては、「つくづくこの世の中が嫌になります」「変な世の中になってしまいました」「最近世の中は変わってしまったと思う」「やっと世の中に出ることができます」「彼は世の中をよく知っている」などがあります。

二つ目の「世間」を使った分かりやすい例としては、「彼女は世間をよく知っています」「彼の恋愛事件は世間を騒がせました」「世間ではこれが習わしです」「それは世間に知れ渡っていました」「彼は世間知らずだと思います」などがあります。

「世の中」と「世間」の使い分け方

「世の中」と「世間」はどちらも人が他と関係しあいながら生活する場のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「世の中」は人々が互いにかかわり合って生きて暮らしていく場のことを意味しており、社会全体や時代全体を指しています。

一方、「世間」は自分がそこで日常生活を送っている社会のことを意味しており、生活の場の範囲を漠然と示す言葉です。

つまり、「世の中」の方が「世間」よりも広い範囲のことを指しているというのが違いになります。

「世の中」と「世間」の英語表記の違い

「世の中」も「世間」も英語にすると「the world」「people」「the public」となり、例えば上記の「彼は世の中をよく知っている」を英語にすると「He knows much of the world」となります。

「世の中」の意味

「世の中」とは

「世の中」とは、人が他と関係しあいながら生活する場のことを意味しています。

表現方法は「世の中の状況」「世の中を変える」

「世の中の状況」「世の中を変える」などが、「世の中」を使った一般的な言い回しになります。

「世の中」の使い方

「世の中」を使った分かりやすい例としては、「暮らしにくい世の中になったと思います」「とある事件により世の中が騒がしくなりました」「世の中は持ちつ持たれつだと思います」「世の中には理不尽なことがたくさんあります」「便利な世の中になったと思います」などがあります。

「世の中」は人が他と関係しあいながら生活する場のことを意味する名詞です。

「世の中」は社会の仕組みや人々の生活全体、または時代の流れや状況を指しており、とても幅広い範囲で使うことができます。

「世の中」の特徴

「世の中」は「キャッシュレスが当たり前になるなんて世の中変わったよね」「頑張っても報われない世の中なんておかしいです」などのように、自分個人のことではなく、もう少し引いた目線で社会を見つめるときに使うというのが特徴です。

また、「世の中」はプラスのイメージとマイナスのイメージのどちらでも使うことができます。

「世の中」の類語

「世の中」の類語・類義語としては、人が互いにかかわりあって生きていく場のことを意味する「世」、人々が生活している現実の世の中のことを意味する「社会」などがあります。

「世間」の意味

「世間」とは

「世間」とは、自分がそこで日常生活を送っている社会のことを意味しています。

表現方法は「世間を騒がせる」「世間では」

「世間を騒がせる」「世間では」などが、「世間」を使った一般的な言い回しになります。

「世間」の使い方

「世間」を使った分かりやすい例としては、「世間を騒がす事件が起こりました」「世間がうるさいこともあります」「世間を広げてみようと考えている」「世間の目が気になるので黙っていよう」「世間体を気にして結婚を急ぐ」などがあります。

「世間」は自分がそこで日常生活を送っている社会のことを意味する名詞です。

「世間」は少し主観的で身近な表現なので、生活の場の範囲を漠然と示すことが多いです。また、人の目、評判、周囲との関係、他人の価値観に焦点が当たっていると覚えておきましょう。

「世間」の特徴

「世間」は主観的な関係性を重視しているのもあり、村社会的な文化を持っている日本ではとても重要視されています。そのため、「世間体」や「世間の目」などの言葉もよく使われています。

「世間」を使った有名な言葉として「世間知らず」があります。「世間知らず」とは経験が浅く世の中の事情にうといことを意味しています。

「世間」の類語

「世間」の類語・類義語としては、自分が認識している人間社会の全体のことを意味する「世界」、常日頃のことを意味する「日常」などがあります。

「世の中」の例文

1.株で儲けるためには、世の中の動きに敏感でいなければいけません。
2.世の中は日々変化しているので、柔軟な考え方が大切だと思いますよ。
3.このままデフレが続けば、世の中が悪い方向に進んでしまうのではないかと心配です。
4.必ずしも正しい人が評価されるわけじゃないなんて、理不尽な世の中だと思います。
5.こんなに物価が上がるなんて、世の中の流れにはいつも驚かされます。

この言葉がよく使われる場面としては、人が他と関係しあいながら生活する場のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「世の中」は社会全体や時代全体を指す場合に使う言葉です。

「世間」の例文

1.学生時代いじめに遭って長い間ひきこもっていたので、世間のことがよく分かりません。
2.目立つ行動をしたら世間から何言われるか分からないので、あまり目立たないようにしよう。
3.彼の不正はあまりにも酷かったので、すぐに世間の知るところとなりました。
4.世間知らずな発言をしたせいで、周りの人から軽蔑されてしまいました。
5.困っている人を助けないことも増えたので、世間は冷たくなったと感じています。

この言葉がよく使われる場面としては、自分がそこで日常生活を送っている社会のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「世間」は生活の場の範囲を漠然と指す場合に使う言葉です。

「世の中」と「世間」はどちらも人が他と関係しあいながら生活する場のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「世の中」の方が「世間」よりも広い範囲のことを指していると覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター