同じ「ならう」という読み方の「習う」と「倣う」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「習う」と「倣う」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「習う」と「倣う」の違い
「習う」と「倣う」の違いを分かりやすく言うと、「習う」は人から教わること、「倣う」は人の真似をすることという違いです。
一つ目の「習う」を使った分かりやすい例としては、「誰からサッカーを習ったのですか」「両親からお茶とお花を習うように言われました」「大学で考古学を習う」「教習所で車の運転を習う」「子供の頃にスキーを習った」などがあります。
二つ目の「倣う」を使った分かりやすい例としては、「父に倣って弁護士になりました」「料金の値下げを行なったので他社はすぐに前例に倣いました」「この点においては他社も弊社のやり方に倣っています」「あなたが寄付をすれば近所の人もそれに倣うだろう」などがあります。
「習う」と「倣う」はどちらも「ならう」という同音の言葉ですが、使い方に違いがあるので混同しないように注意が必要です。
「習う」は知識や技術などの教えを受けることを意味しており、人から教わるというニュアンスで使います。
一方、「倣う」はすでにあるやり方や例を真似てその通りにすることを意味しており、人の真似をするというニュアンスで使うというのが違いです。
「習う」を英語にすると「learn」となり、例えば上記の「子供の頃にスキーを習った」を英語にすると「I learned to ski when I was a child」となります。
一方、「倣う」を英語にすると「follow」となり、例えば上記の「あなたが寄付をすれば近所の人もそれに倣うだろう」を英語にすると「If you make a donation, your neighbors will follow suit」となります。
「習う」の意味
「習う」とは、知識や技術などの教えを受けることを意味しています。その他にも、教わったことを繰り返し練習して身につけることの意味も持っています。
「父親からゴルフを習う」「中学校で英語を習う」などの文中で使われている「習う」は、「知識や技術などの教えを受けること」の意味で使われています。
一方、「夜更けに一人でリフティングを習う」「教わったダンスのステップを習う」などの文中で使われている「習う」は、「教わったことを繰り返し練習して身につけること」の意味で使われています。
「習う」は知識や技術などの教えを受けることと、教わったことを繰り返し練習して身につけることの意味を持つ動詞です。
その他にも、 経験を積んで慣れることや慣れ親しむことの意味も持っていますが、古典で使われていた意味であり、現代においてはあまり使われていません。
「習う」は「英語習う」「数学を習う」などのように学問だけではなく、「サッカーを習う」「お茶を習う」などのように技芸などに対して使うことができます。
したがって、とても幅広い範囲で使うことができる言葉と覚えておきましょう。
「習う」の対義語・反対語としては、知識や学問などを相手に身につけさせるよう導くことを意味する「教える」があります。
「習う」の類語・類義語としては、教えを受けたり見習ったりして知識や技芸を身につけることを意味する「学ぶ」、教えを受けることを意味する「教わる」、学問や技芸などを学んで身につけることを意味する「修める」などがあります。
「倣う」の意味
「倣う」とは、すでにあるやり方や例を真似てその通りにすることを意味しています。
「倣う」の別の漢字表として「傚う」がありますが、常用漢字ではないので「倣う」の方を使うのが一般的です。
「先人に倣う」「前例に倣う」「伝統に倣う」などが、「倣う」を使った一般的な言い回しになります。
「倣う」を使った分かりやすい例としては、「彼女は学生の倣うべき手本です」「ここは前例に倣う方がいいだろう」「太陽暦は欧米に倣って採用しました」「この町はオランダに倣って作られました」などがあります。
「倣う」はすでにあるやり方や例を真似てその通りにすることを意味する動詞です。
「倣う」を簡単に言うならば、お手本にするや真似するというニュアンスになると覚えておきましょう。
「倣う」は「○○に倣う」の形だけではなく、「○○に倣って」の形で使われていることも多いです。
「倣う」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使うことができます。
「倣う」の類語・類義語としては、手本にすることを意味する「則る」、あるものをよりどころとしてそれに従うことを意味する「準拠」、模倣することを意味する「真似る」、前人のやり方などをそのまま受け継ぐことを意味する「踏襲」などがあります。
「習う」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、知識や技術などの教えを受けることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、教わったことを繰り返し練習して身につけることを表現したい時に使います。
例文1から例文4は知識や技術などの教えを受けること、例文5は教わったことを繰り返し練習して身につけることの意味で使っています。
「倣う」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、すでにあるやり方や例を真似てその通りにすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「倣う」は他のやり方や人を真似する場合に使う言葉です。
「習う」と「倣う」は同音の言葉ですが、使い方は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、人から教わることを表現したい時は「習う」を、人の真似をすることを表現したい時は「倣う」を使うと覚えておきましょう。