似た意味を持つ「平気」(読み方:へいき)と「大丈夫」(読み方:だいじょうぶ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「平気」と「大丈夫」という言葉は、どちらも基本的に人に対して使うという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
平気と大丈夫の違い
平気と大丈夫の意味の違い
平気と大丈夫の違いを分かりやすく言うと、平気とは内面的に問いかけたり答えること、大丈夫とは物理的に問いかけたり答えることという違いです。
平気と大丈夫の使い方の違い
一つ目の平気を使った分かりやすい例としては、「彼は平気で嘘をつくので嫌いです」「平気なふりをするのはもう限界です」「どんなに険しい道でも平気ですよ」「平気で人の傷つく言葉を言う」「平気です、ありがとう」などがあります。
二つ目の大丈夫を使った分かりやすい例としては、「持ち物の準備は大丈夫ですか」「絶対に大丈夫だと信じています」「この飲み物を飲んでも大丈夫ですか」「大丈夫子供の頃の約束はまだ覚えている」などがあります。
平気と大丈夫を人に問いかけたり、答えたりする用法で使う場合は、混同しやすいので注意してください。例えば、仕事が連勤で疲れている人に対して、「平気ですか」と「大丈夫ですか」と使う場合は意味が少し違ってきます。
「平気ですか」と「大丈夫ですか」の違い
前者の「平気ですか」は心など内面的な面を心配している様子を意味しており、後者の「大丈夫ですか」は身体など物理的な面を心配している様子になっています。平気は内面的、大丈夫は物理的と覚えておきましょう。
また、平気は気に掛けないこと、大丈夫は危なげなく安心できることという違う意味も持っています。
平気と大丈夫の英語表記の違い
平気を英語にすると「calm」「unconcern」「I’m fine」となり、例えば上記の「平気です、ありがとう」を英語にすると「I’m fine Thank you」になります。
大丈夫を英語にすると「all right」「okay」などがあり、例えば上記の「絶対に大丈夫だと信じています」を英語にすると「I believe it’s definitely okay」となります。
平気の意味
平気とは
平気とは、心に動揺がないことを意味しています。その他にも、気に掛けないことの意味持っています。
表現方法は「平気なふりする」「平気に見える」「平気でうそをつく」
「平気なふりする」「平気に見える」「平気でうそをつく」などが、平気を使った一般的な言い回しです。
平気の使い方
「とても痛いが平気なふりをしている」「何が起きても私は平気です」「雨が降っても平気だよ」などの文中で使われている平気は、「心に動揺がないこと」の意味で使われています。
一方、「彼は平気で嘘をつくので信用できない」「あなたになら何でも平気で言える」「彼女は食べ物を平気で残す」などの文中で使われている平気は、「気にかけないこと」の意味で使われています。
平気は形容動詞で心が落ち着いてることや心配しなくていい事を表現したい時に使います。また、「平気ですか」「平気です」などの人に問いかけたり、答えたりする用法で使う場合は内面的に問題がないという意味で使います。
「平気の平左」の意味
平気を使った言葉としては、「平気の平左」(読み方:へいきのへいざ)があります。平気の平左とは、平気であることを、語呂を合わせて人名のように言った言葉で、平気の孫左衛門の略とも言われています。
平気の類語
平気の類語・類義語としては、何事も無かったように落ち着いていることを意味する「平然」、落ち着いていて物事に驚かないことを意味する「泰然」(読み方:たいぜん)、何でもないように平然としていることを意味する「事も無げ」などがあります。
平気の平の字を使った別の言葉としては、世間が静かで穏やかなことを意味する「平静」、変わったこともなく穏やかな事意味する「平穏」、安らかで変わったことのないことを意味する「平安」、普段と変わらない心を意味する「平常心」などがあります。
大丈夫の意味
大丈夫とは
大丈夫とは、危なげがなく安心できることを意味しています。その他にも、間違いがなくて確かなことや必要または不要、可または不可などを相手に問いかける意味でも使われています。
表現方法は「大丈夫です」「大丈夫そうです」「大丈夫だよ」
「大丈夫です」「大丈夫そうです」「大丈夫だよ」などが、大丈夫を使った一般的な言い回しです。
大丈夫の使い方
「この食べ物を食べても大丈夫ですか」「熱も下がってきたのでもう大丈夫だ」「震災にも大丈夫なように作られています」などの文中で使われている大丈夫は、「危なげがなく安心できること」の意味で使われています。
一方、「この後の時間は大丈夫ですか」「大丈夫約束を忘れることはないよ」「大丈夫だ問題はありません」「いいえ、大丈夫です」などの文中で使われている大丈夫は、「間違いがなくて確かなことや要または不要、可または不可などを相手に問いかける」意味で使われています。
大丈夫という言葉を必要または不要、可または不可、諾または否の意で相手に問いかける、あるいは答える用法が近年では増えています。
大丈夫の由来
大丈夫は中国から来た言葉なのですが、元々は立派な男性という意味でした。それがどんどん変化していき、非常に強い、非常にしっかりしている意味となり、さらに変化して間違いない、確かであるという意味で使われるようになりました。これが大丈夫の由来と言われています。
そのため、大丈夫は人や物を対象として、身体や本体が物理的に問題がない意味で使うことが多いです。
大丈夫の類語
大丈夫の類語・類義語としては、危険がなく安心なことを意味する「安全」、気にかかることがなく心が落ち着いていることを意味する「安心」、無事で安らかなことを意味する「安泰」、危険がないことを意味する「無難」などがあります。
大丈夫の丈夫の字を使った別の言葉としては、気持ちがしっかししていることを意味する「気丈夫」、(読み方:きじょうぶ)頼りになる人や物があって安心できることを意味する「心丈夫」(読み方:こころじょうぶ)などがあります。
平気の例文
この言葉がよく使われる場面としては、心に動揺がないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、気に掛けないことを表現したい時に使います。
例文1から例文4は気に掛けないことの意味で使われています。また例文5は心に動揺がないことの意味で使われています。平気は複数の意味を持っているため、正しい使い方を覚えてください。
大丈夫の例文
この言葉がよく使われる場面としては、危なげがなく安心できることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、間違いがなくて確かなことや必要または不要、可または不可などを相手に問いかけたり答えたりすることを表現したい時にも使います。
例文1や例文4のように危なげなく安心できることの意味でも使われているのですが、近年では大丈夫を可または不可、必要または不要、諾または否の意で相手に問いかける、あるいは答える用法が増えています。
平気と大丈夫どちらを使うか迷った場合は、問題に対して内面的に問いかけたり、答えたりしたい時には「平気」を、物理的に問いかけたり、答えたりしたい場合は「大丈夫」を使うと覚えておけば間違いありません。