似た意味を持つ「最初」(読み方:さいしょ)と「当初」(読み方:とうしょ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「最初」と「当初」という言葉は、どちらも「物事のはじめ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
最初と当初の違い
最初と当初の意味の違い
最初と当初の違いを分かりやすく言うと、最初とは第一番目や最も早い時期を表し、当初とは物事のはじめの時期を表すという違いです。
最初と当初の使い方の違い
一つ目の最初を使った分かりやすい例としては、「こうなることは最初からわかっていた」「最初はグーでジャンケンしよう」「イラストは最初のグレー塗りが肝心です」「ビジネスメールの最初と最後には挨拶文を入れます」などがあります。
二つ目の当初を使った分かりやすい例としては、「レストランの開業当初は赤字続きでした」「津波警報の当初予想は3メートルだった」「当初固定金利のメリットについて説明します」「借入れ当初からずっと金利が変わりません」などがあります。
最初と当初の使い分け方
最初と当初という言葉は、どちらも物事が起こるはじめや出だしの部分を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
最初とは、物事のはじめを意味し、それより前が無いことを表します。「メールの最初と最後」のような使い方で、物事の手順のうちの第一番目を表現したり、「最初からわかっていた」のような使い方で、一連の時間的推移のうちの最もはじめの頃を表します。
当初とは、そのことのはじめを意味し、ある物事が起こった最初の時期を指す言葉です。「当初固定金利」とは、住宅ローンにおける固定金利のタイプの一つであり、借入時から一定期間だけ金利が同じであるものを言います。
つまり、最初とは順番が最もはやいことや最もはじめの頃であり、当初とは物事のはじめの時期を表現する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
最初と当初の英語表記の違い
最初も当初も英語にするとbeginning」「outset」となり、例えば上記の「最初から」を英語にすると「from the beginning」となります。
最初の意味
最初とは
最初とは、一番はじめを意味しています。
最初の使い方
最初を使った分かりやすい例としては、「最初は英語が大嫌いでした」「最初の天皇は誰だか知っていますか」「これが最初で最後の恋になるかもしれない」「ブラウザを開いた時の最初のページを変更したい」などがあります。
その他にも、「一度決めたら最初から最後までやり通すこと」「最初の駅メロは何の曲かご存知ですか」「最初から今まで何も分かってなかった」「まず最初に英語で自己紹介をします」「最初の人間はどうやって生まれたのだろう」などがあります。
最初とは、物事の一番はじめを意味し、あるまとまりを持った物事における起こった段階の部分、あるいは一連の物事のうちの最も早いものを表します。最初の「最」は訓読みで「もっとも」と読み、この上ないこと、「初」は訓読みで「はじめて」と読み、はじめの時期や段階を表す漢字です。
表現方法は「最初で最後」
最初を用いた言い回しには「最初で最後」があります。「最初で最後」とは、その一度しかないことを意味し、一回きりであることを強調する言葉です。物事が非常に上手くいった時や、めった経験できないことなどに使用されます。
最初の対義語
最初の対義語・反対語としては、物事の一番後ろを意味する「最後」、一番終わりを意味する「最終」などがあります。
最初の類語
最初の類語・類義語としては、順序の一番はじめを意味する「第一」、第一回や一番目を意味する「一次」、物事にとりかかる第一歩を意味する「手始め」、一番初めであることを意味する「真っ先」、順番をつけたもののうちの第一番目を意味する「いの一番」などがあります。
当初の意味
当初とは
当初とは、そのことのはじめ、最初、また、その時期を意味しています。
当初の使い方
当初を使った分かりやすい例としては、「イベントは当初の予定通り行います」「当初の通り明日から旅行に行きます」「留学した当初は全く英語が聞き取れませんでした」「当初所得から税金と社会保険料を控除する」などがあります。
その他にも、「当初書面として先に注文書を発行する」「当初申告要件を一覧表にする」「当初予算は政府案どおり成立しました」「令和7年度の当初予算の額を前年度と比較する」「当初予算はいつごろ閣議決定される見通しですか」などがあります。
当初の「当」は訓読みで「あたる」「あてる」と読み、当面している事柄や場面を表します。物事のはじめを表す「初」と組み合わさり、当初とは、物事のはじめの時期や、物事が起こった最初の時点を意味します。
表現方法は「当初予算」
上記の例文にある「当初予算」とは、会計年度が始める前に、一年間の歳入と歳出をまとめた予算を意味し、「本予算」とも呼ばれています。年度の途中で事業費を変更する必要が生じたとき、当初予算に変更を加える予算を「補正予算」と言います。
当初の対義語
当初の対義語・反対語としては、最後に到達した結果を意味する「結末」、物事の終局の場面を意味する「大詰め」などがあります。
当初の類語
当初の類語・類義語としては、ある物事の初めの時期を意味する「初期」、ある時代や時期の初めの頃を意味する「初頭」、物事の始まる時期を意味する「始期」、物事のはじめや最初を意味する「頭」、物事の一番初めを意味する「原初」などがあります。
最初の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の一番はじめ、初手、最始を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、最初という言葉は、日常会話からビジネスシーンまで、さまざまな場面で用いられています。
当初の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事のはじめの時期、はじめのうち、あることをしたその時を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、当初という言葉は、日常生活からビジネスシーンのさまざまな場面で使われています。
最初と当初という言葉は、どちらも「物事のはじめ」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、第一番目や最も早い時期を表現したい時は「最初」を、物事のはじまりの時期を表現したい時は「当初」を使うようにしましょう。