似た意味を持つ「ウイスキー」と「ブランデー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ウイスキー」と「ブランデー」という言葉は、「蒸留酒」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ウイスキーとブランデーの違い
ウイスキーとブランデーの意味の違い
ウイスキーとブランデーの違いを分かりやすく言うと、ウイスキーは穀物を原料とする酒を表現する時に使い、ブランデーは果実を原料とするを表現する時に使うという違いです。
ウイスキーとブランデーの使い方の違い
一つ目のウイスキーを使った分かりやすい例としては、「高級ウイスキーのオススメを尋ねて義父へのプレゼントにしたいと思っている」「ウイスキーのCMは非常に印象的で頭に残っている」「大人になった今でもウイスキーは苦手だ」などがあります。
二つ目のブランデーを使った分かりやすい例としては、「このお菓子には少量のブランデーが含まれている」「ブランデーの度数はどのくらいなのだろうか」「安いブランデーの中にも飲みやすいものはきっとあるだろう」などがあります。
ウイスキーとブランデーの使い分け方
ウイスキーとブランデーはどちらも、蒸留酒を指し、アルコール度数も両者ともに同じ程度ですが、用いられる素材が若干異なります。
ウイスキーは、大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物を原料とした蒸留酒を指す言葉です。味わいを楽しむ酒であるという特徴があります。
一方のブランデーは、白ブドウ、リンゴ、サクランボなどの果実を原料とした蒸留酒を指す言葉です。香りを楽しむ酒であるという特徴があります。
つまり、ウイスキーは穀物を原料とした蒸留酒を指し、ブランデーは果実を原料とした蒸留酒を指すという違いがあります。どちらも蒸留してアルコール分を多くした酒であることから、「火酒」(読み方:かしゅ)と呼ばれることもあります。
ウイスキーとブランデーの英語表記の違い
ウイスキーを英語にすると「whisky」「whiskey」となり、例えば上記の「高級ウイスキー」を英語にすると「high-class whiskey」となります。
一方、ブランデーを英語にすると「brandy」となり、例えば上記の「少量のブランデー」を英語にすると「a small amount of brandy」となります。
ウイスキーの意味
ウイスキーとは
ウイスキーとは、麦芽を発酵させて蒸留して作る酒を意味しています。
ウイスキーの使い方
ウイスキーを使った分かりやすい例としては、「毎年ウイスキーを父に誕生日プレゼントとして贈るのが恒例となっている」「ウイスキーのラインナップとしてこの店に勝るところはない」「今ではネット通販でもウイスキーを購入できる」などがあります。
その他にも、「スコッチウイスキーのおすすめをいくつか挙げてもらった」「ジャパニーズウイスキーにも世界で人気の銘柄は存在する」「ウイスキーの上品な甘さが癖になると語られた」「ウイスキーに挑戦するにはまだ早かったようだ」などがあります。
ウイスキーの語源
ウイスキーは英語で「whisky」「whiskey」と表記されます。ラテン語で「命の水」を意味する「aqua vitae」が語源とされており、アイルランド語に翻訳された「uisce beatha」の「uisce」の訛りによって、「whisky」へと変化した説があります。
本来は薬品として蒸留され用いられており、健康促進やストレス解消に役立つとされています。アメリカにて禁酒法が適用された際も薬用のウイスキーに関しては販売が認められていたことから、法の抜け穴として扱われていたこともあります。
日本では1853年に黒船が来航した際にウイスキーが江戸幕府の役人らに振る舞われたのをきっかけに、1871年頃には輸入されるようになりました。1923年には日本で初めてのウイスキー蒸留所の建設が始まり、1929年「サントリーウヰスキー」が販売され始めました。
今では世界的に愛される酒となり、作られる場所によって原材料や製作方法が異なるため、スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズと区別され、五大ウイスキーと認識されていることもあります。
ウイスキーの類語
ウイスキーの類語・類義語としては、トウモロコシを原料とする蒸留酒を指す「バーボン」、大麦麦芽を原料として造られたウイスキーを指す「モルト」、ワイン製造時に生まれるブドウの絞りカスから造られる蒸留酒を指す「グラッパ」などがあります。
ブランデーの意味
ブランデーとは
ブランデーとは、果実酒やワインを蒸留して貯蔵、熟成した洋酒を意味しています。
ブランデーの使い方
ブランデーを使った分かりやすい例としては、「製菓用のブランデーを購入しても使い切れないことが多い」「あまり酒に詳しくないためブランデーの飲み方が分からない」「ブランデーをソーダで割ったものはフレンチハイボールと呼ばれている」などがあります。
その他にも、「一滴のブランデーでどのくらい酔ってしまうのか分からない」「カフェ・ロワイヤルにはブランデーが含まれているためカクテルと見なされることもある」「ブランデーには詳しくないが、色々なものに挑戦してみたい」などがあります。
ブランデーの語源
ブランデーは英語で「brandy」と表記されます。ノルウェー語で「焼いたワイン」を意味する「brandeviin」が語源とされており、オランダ語でも同じ意味で「brandewijn」と表現され、英語で「brandy-wine」と表現されるようになりました。
今日では「brandy」のみが残った表現が世界中に広まり、一般的とされています。日本では「罷蘭地」「白蘭地」という当て字で表現されることもありましたが、基本的にはブランデーというカタカナ語表記が用いられています。
ブランデーを飲む方法
香りを楽しむ酒であることもあり、ロックや水割りなどではなく、ストレートが主流であるとされており、かつては手のひらでグラスの中のブランデーを温めて香りを立たせて飲む方法が取られていました。
また、肉料理などの調理におけるフランベや、煮込み料理、菓子を作る際の香りづけに使われることも多く、温かいコーヒーにブランデーを垂らした角砂糖を燃やしたものを添えた「カフェ・ロワイヤル」という楽しみ方もあります。
ブランデーの類語
ブランデーの類語・類義語としては、白ブドウ酒に古酒やシロップを加えて発酵させた酒を指す「シャンパン」、リュウゼツランの茎を原料とした酒を指す「テキーラ」、糖蜜を発酵させて造る蒸留酒を指す「ラム」などがあります。
ウイスキーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、麦芽を発酵させて蒸留して作る酒を意味する時などが挙げられます。
例文5の「ウイスキーボンボン」とは、洋酒を含んだチョコレート菓子を指す言葉です。ウイスキーボンボンを食べた後は体内にアルコールが残った状態となるため、運転は控えた方がいいとされています。
ブランデーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、果実酒やワインを蒸留して貯蔵、熟成した洋酒を意味する時などが挙げられます。
例文1の「コニャック」は、ロシアではブランデーの総称として使われていますが、フランスの街の名前であり、コニャック周辺の地域で産出されたブランデーを指すのが一般的です。
ウイスキーとブランデーは、どちらも「蒸留酒」を表します。どちらを使うか迷った場合は、穀物を原料とする酒を表す場合は「ウイスキー」を、果実を原料とする酒を表す場合は「ブランデー」を使うと覚えておけば間違いありません。