似た意味を持つ「差し迫る」（読み方：さしせまる）と「押し迫る」（読み方：おしせまる）の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「差し迫る」と「押し迫る」という言葉は、どちらも間近に迫っていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「差し迫る」と「押し迫る」の違い
「差し迫る」と「押し迫る」の意味の違い
「差し迫る」と「押し迫る」の違いを分かりやすく言うと、「差し迫る」は目に見えないものに対して使うことが多い、「押し迫る」は目に見えるものに対して使うことが多いという違いです。
「差し迫る」と「押し迫る」の使い方の違い
一つ目の「差し迫る」を使った分かりやすい例としては、「作業は進んでいないが提出期限が差し迫る」「共通テストの日が差し迫る」「プロジェクトの締め切り日が差し迫る」「状況は差し迫っていると思いますよ」「事態は差し迫る」などがあります。
二つ目の「押し迫る」を使った分かりやすい例としては、「年の瀬が押し迫ってくる」「クリスマスが押し迫るので街中が忙しくなっています」「雪崩がどんどん押し迫ってくる」「デモ隊がこちらへ押し迫る」などがあります。
「差し迫る」と「押し迫る」の使い分け方
「差し迫る」と「押し迫る」はどちらも間近に迫っていることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「差し迫る」は「締め切の日が差し迫る」「始業時間が差し迫る」などのように、期限や期日などの目に見えないものに対して使うことが多い言葉になります。
一方、「押し迫る」は「敵軍が押し迫る」「津波が押し迫る」などのように、すぐ対策が必要な目に見えるものに対して使うことが多いというのが違いです。
ただし、あくまで多いだけなので、「締め切が押し迫る」「敵軍が差し迫る」などのような言い回しで使っても問題ありません。
「差し迫る」と「押し迫る」の英語表記の違い
「差し迫る」を英語にすると「urgent」となり、例えば上記の「事態は差し迫る」を英語にすると「The matter is urgent」となります。
一方、「押し迫る」を英語にすると「press on」「draw near」となり、例えば上記の「デモ隊がこちらへ押し迫る」を英語にすると「The demonstrators were pressing upon us」となります。
「差し迫る」の意味
「差し迫る」とは
「差し迫る」とは、事態や期日などが間近に迫ることを意味しています。
表現方法は「時間が差し迫る」「期限が差し迫る」
「時間が差し迫る」「期限が差し迫る」などが、「差し迫る」を使った一般的な言い回しになります。
「差し迫る」の使い方
「差し迫る」を使った分かりやすい例としては、「入社試験の日が差し迫る」「差し迫る景気後退に怯えて生きる日が続いています」「出発時間が差し迫っているので急いで準備しました」「約束の期限がどんどん差し迫る」などがあります。
「差し迫る」は事態や期日などが間近に迫ることを意味する動詞です。
「差し迫る」は期限が間近に迫っていたり、状況が非常に切迫している場合に使う言葉になります。そのため、緊急を要して余裕がない状態を表わしていると覚えておきましょう。
「差し迫る」の特徴
「差し迫る」は「提出期限が差し迫る」「終了時間が差し迫る」などのように、期限、納期、時間などの目に見えないものに対して使うことが多い言葉です。
また、日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面において使うことができます。
「差し迫る」の類語
「差し迫る」の類語・類義語としては、それを行う時期が近くなることを意味する「近づく」、近づくことを意味する「接近する」などがあります。
「押し迫る」の意味
「押し迫る」とは
「押し迫る」とは、間近に迫ることを意味しています。
表現方法は「暮れも押し迫る」「年の瀬も押し迫る」
「暮れも押し迫る」「年の瀬も押し迫る」などが、「押し迫る」を使った一般的な言い回しになります。
「押し迫る」の使い方
「押し迫る」を使った分かりやすい例としては、「いよいよい12月となり年の瀬も押し迫る」「敵国の軍隊が国境へ押し迫る」「台風が押し迫るので戸締りをきちんとしました」「津波が押し迫る前に高台へ避難しようと思います」などがあります。
「押し迫る」は間近に迫ることを意味する動詞です。
「押し迫る」は期限が間近に迫っていたり、状況が非常に切迫している場合に使う言葉になります。そのため、緊急を要して余裕がない状態を表わしていると覚えておきましょう。
「押し迫る」の特徴
「押し迫る」は「雪崩が押し迫る」「敵国が押し迫る」などのように、すぐ対策が必要な目に見えるものに対して使うことが多いというのが特徴です。
また、「暮れも押し迫る」のように、漠然とした日程で特定の日でない場合にも「押し迫る」を使うことができます。
「押し迫る」の類語
「押し迫る」の類語・類義語としては、事態や時日などに余裕がなく目前に迫ってくることを意味する「押し詰まる」、期日などが間近に迫ることを意味する「切迫する」などがあります。
「差し迫る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、事態や期日などが間近に迫ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「差し迫る」は目に見えないものに対して使うことが多い言葉です。
「押し迫る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、間近に迫ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「押し迫る」は目に見えるものに対して使うことが多い言葉です。
「差し迫る」と「押し迫る」はどちらも間近に迫っていることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目に見えないものに対して使うことが多いのが「差し迫る」、目に見えるものに対して使うことが多いのが「押し迫る」と覚えておきましょう。
