【通院】と【受診】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「通院」(読み方:つういん)と「受診」(読み方:じゅしん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「通院」と「受診」という言葉は、どちらも「診察を受けること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




通院と受診の違い

通院と受診の意味の違い

通院と受診の違いを分かりやすく言うと、通院とは病院に通うことを表し、受診とは診察を受けることを表すという違いです。

通院と受診の使い方の違い

一つ目の通院を使った分かりやすい例としては、「通院患者のための送迎バスを導入しました」「通院費は医療費控除の対象になりますか」「通院のため有給休暇を使って仕事を休む」「入院せずに通院で抗がん剤治療を行う」などがあります。

二つ目の受診を使った分かりやすい例としては、「病院で受診証明書を発行してもらう」「子供が発熱した時の受診の目安を教えてください」「厚生労働省の方針に基づき受診する」「精検受診の有無を確認する」などがあります。

通院と受診の使い分け方

通院と受診という言葉は、どちらも病院などで患者が治療を受けることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

通院とは、病院などへ治療を受けに通うことを意味します。週に一回など定期的に病院に通うことを表現することが多い言葉ですが、一度だけ病院に行くことにも使用できます。自賠責保険の慰謝料は、通院一日から支払い可能と規定されています。

受診とは、医師の診察を受けることを意味します。患者が病院で医師の診察を受けることだけでなく、患者が自宅に医師を呼んで診察を受けることにも使用できる言葉です。特に、入院せずに病院に通って診察を受けることを「外来受診」と呼びます。

つまり、通院とは治療を受けるために病院に通うことを意味し、受診は医師の診察を受けることを意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

通院と受診の英語表記の違い

通院を英語にすると「ambulatory」「doctor’s visit」「outpatient treatment」となり、例えば上記の「通院患者」を英語にすると「an outpatient」となります。

一方、受診を英語にすると「seeking diagnosis」「having a medical examination」「seeing a doctor」となり、例えば上記の「受診証明書」を英語にすると「a medical examination certificate」となります。

通院の意味

通院とは

通院とは、病院などへ治療を受けに通うことを意味しています。

表現方法は「通院日」「通院のため」

「通院日」「通院のため」などが、通院を使った一般的な言い回しです。

通院の使い方

通院を使った分かりやすい例としては、「通院保障を重視した保険に加入しました」「通院慰謝料の計算方法をわかりやすく教えてください」「通院精神療法に対する診療報酬から多くの収益を得る」などがあります。

その他にも、「通院証明書の発行には数日かかります」「英語対応が可能な医療機関への通院を希望します」「通院等乗降介助の適用範囲が拡大されました」「通院介助を利用して病院に通っています」などがあります。

通院の「通」は訓読みで「かよう」と読み、ある場所に行き来することを表す漢字です。病院を表す「院」と組み合わさり、通院とは、患者が病院に通って治療を受けることを意味します。病院に定期的に何度も通うことだけでなく、突発的に一回だけ通うことにも使用できる言葉です。

「通院保障」の意味

通院を用いた日本語には「通院保障」があります。通院特約とは、医療保険に付帯できる特約の一つであり、通院治療をした際に給付金が受け取れます。通院保障の多くは、病気やケガなどで入院した後、退院後に通院治療を受けた場合に保障の対象となります。

通院の対義語

通院の対義語・反対語としては、病気やけがの治療などのために一定の期間病院にはいることを意味する「入院」などがあります。

通院の類語

通院の類語・類義語としては、病院に通って診察や治療を受けることを意味する「外来」、病院など院と呼ばれる所に人の来ることを意味する「来院」、一度診察を受けた病気の治療や持病で定期的に通院することを意味する「再診」などがあります。

受診の意味

受診の読み方

受診とは、医師の診察を受けることを意味しています。

受診の使い方

受診を使った分かりやすい例としては、「英語の先生は受診のためお休みです」「受診状況を考えてケアプランを立てる」「当院で初めて受診する方はお申し出ください」「病院で受診状況等証明書を書いてもらいました」などがあります。

その他にも、「受診するか迷ったら電話で相談しましょう」「特定健診受診券がいつまで経っても届きません」「イラストレーターが婦人科で受診する」「健康診断の結果によって二次検査の受診勧奨を行います」などがあります。

受診の「受」は訓読みで「うける」と読み、自分に向けられた行為に対処して応じることを表す漢字です。病状をよく調べて判断することを表す「診」と結び付き、受診とは、医者の診察を受けることを意味します。

「受診勧奨」の意味

受診を用いた日本語には「受診勧奨」があります。受診勧奨とは、健康診断の結果に基づいて、企業が従業員に対して二次検査など医療機関の受診を勧めることを意味します。具体的には、健康診断で「要再検査」「要精密検査」と判定された場合に、受診勧奨が実施されます。

受診の対義語

受診の対義語・反対語としては、医師が患者のからだを調べたり質問したりすることを意味する「診察」などがあります。

受診の類語

受診の類語・類義語としては、求めに応じて医師が患者の家に行って診察することを意味する「往診」、医師が患者の家に来て診察することを意味する「来診」、一つの病気を治療するために複数の医療機関を次々に受診することを意味する「はしご受診」などがあります。

通院の例文と使い方

1.通院のため定期的に仕事を休むことを前もって伝えていますが、リマインドのため前日にも上司にメールしています。
2.虫歯の治療方法と通院回数の目安を、虫歯の進行度合い別にお話いたします。
3.半年間もリハビリ通院とは、交通事故で大変な怪我をされたのですね。
4.交通事故の慰謝料は、通院期間と通院日数のどちらで計算するもののでしょうか。
5.英語の先生が通院することになり、毎週月曜日は代わりの先生が授業を受けもつことになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、病院などへ治療を受けるために通うことを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある通院期間と通院日数の違いは、通院期間は治療を始めた日から治療が終わった日までのすべての期間を指すことに対し、通院実日数は実際に治療のために病院へ通院した日数を指す点です。

受診の例文と使い方

1.急な病気やけがで救急医療を受診するかどうか迷った時は、救急電話相談を利用しましょう。
2.自宅療養中に体調が悪化した場合は、診断した医療機関または受診情報センターにご相談ください。
3.健診結果で要治療と判定されながら医療機関を受診していない方には、受診勧奨を行っております。
4.同じ病気で複数の医療機関を訪れて受診することは、医療費を増やしてしまうので控えてください。
5.コンタクトレンズをご注文する場合は、受診医療機関名をご記入ください。

この言葉がよく使われる場面としては、診察を受けることを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「受診医療機関名」とは、自分が実際に診察を受けた病院の名称やクリニックの名称などを意味します。

通院と受診という言葉は、どちらも「診察や治療を受けること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、病院に通うことを表現したい時は「通院」を、診察を受けることを表現したい時は「受診」を使うようにしましょう。

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