【いぶし銀】と【渋い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「いぶし銀」(読み方:いぶしぎん)と「渋い」(読み方:しぶい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「いぶし銀」と「渋い」という言葉は、どちらも派手さはないけれど魅力があることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「いぶし銀」と「渋い」の違い

「いぶし銀」と「渋い」の意味の違い

「いぶし銀」と「渋い」の違いを分かりやすく言うと、「いぶし銀」は人物や技術力を評価するときに使う、「渋い」は色、味、声などの印象を表現したいときに使うという違いです。

「いぶし銀」と「渋い」の使い方の違い

一つ目の「いぶし銀」を使った分かりやすい例としては、「あの選手は派手さはないけれどいぶし銀のような存在感がある」「いぶし銀の演技に観客は静かに魅了された」「あの俳優のいぶし銀の演技が作品を引き締めていました」などがあります。

二つ目の「渋い」を使った分かりやすい例としては、「この映画の渋い雰囲気がたまらない」「彼は渋い色のネクタイが似合っています」「この紅茶はちょっと渋い味がするね」「あの俳優の声が渋くて好きです」などがあります。

「いぶし銀」と「渋い」の使い分け方

「いぶし銀」と「渋い」はどちらも派手さはないけれど魅力があることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「いぶし銀」は「あの俳優はいぶし銀と言われている」「彼はいぶし銀の野球選手です」などのように、主に人物やその振る舞いや技術に対しての褒め言葉として使います。

一方、「渋い」は「彼は渋い茶色のジャケットを着ている」「このお茶は渋いです」「彼は渋い趣味をしている」などのように色、味、表情、趣味などの幅広いものの印象を表現したい時に使う言葉です。

「いぶし銀」と「渋い」の英語表記の違い

「いぶし銀」は日本語特有の表現なので、直訳した英語にするのは難しいですが、近い表現として「a seasoned professional」「subtle but impressive talent」などがあります。

一方、「渋い」を英語にすると「sophisticated」「muted」「cool」「deep」となり、例えば上記の「あの俳優の声が渋くて好きです」を英語にすると「I love that actor’s deep, gravelly voice」となります。

「いぶし銀」の意味

「いぶし銀」とは

「いぶし銀」とは、見た目の華やかさはないが実力や魅力があるもののことを意味しています。

「いぶし銀」の漢字表記

「いぶし銀」を漢字にすると、「燻し銀」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「いぶし銀」を使うようにしましょう。

表現方法は「いぶし銀な人」「いぶし銀です」

「いぶし銀な人」「いぶし銀です」などが、「いぶし銀」を使った一般的な言い回しになります。

「いぶし銀」の使い方

「いぶし銀」を使った分かりやすい例としては、「彼は派手なプレーはしないがいぶし銀の働きをしてくれる」「この映画はいぶし銀的な俳優陣が支えています」「ベテラン俳優のいぶし銀な演技に感動しました」「このチームには彼のようないぶし銀な選手は必要です」などがあります。

「いぶし銀」は見た目の華やかさはないが実力や魅力があるもののことを意味する名詞です。

「いぶし銀」の語源

「いぶし銀」は元々、金属をいぶして表面に渋い光沢を持たせた銀のことの意味で使われていました。いぶしの技法により、銀をツヤのない灰色や黒に変える時に使う言葉だったのです。

これが転じて、現代では見た目の華やかさはないが実力や魅力があるもののことの意味で使うのが一般的になっています。

「いぶし銀」の特徴

「いぶし銀」は目立たなくても確かな価値があることを讃えるニュアンスで使うので、基本的に褒め言葉として、プラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「いぶし銀」の類語

「いぶし銀」の類語・類義語としては、長年の経験を重ねその道に熟達した人のことを意味する「ベテラン」があります。

「渋い」の意味

「渋い」とは

「渋い」とは、地味であるが味わい深いことを意味しています。

その他にも、渋柿を食べたときなどの舌がしびれるような味であること、不満そうなようすであること、金品を出すのを嫌がるようであること、 動きが滑らかでないことの意味も持っています。

「渋い」の使い方

「彼の渋い声が好きです」「渋いお茶があまり好きではありません」などの文中で使われている「渋い」は、「地味であるが味わい深いことや渋柿を食べたときなどの舌がしびれるような味であること」の意味で使われています。

一方、「その結果彼は渋い顔をしていました」「渋い客がきたので適当に接客する」などの文中で使われている「渋い」は、「不満そうなようすであることや金品を出すのを嫌がるようであること」の意味で使われています。

「渋い」は複数の意味を持つ形容詞です。

「渋い」の特徴

「渋い」は色・音・味・服・人柄・趣味・選択肢など、非常に多くの対象に使えます。

また、ポジティブな意味にも使えますが、文脈によっては「地味すぎる」「暗い」といったややネガティブな印象を与える場合もあると覚えておきましょう。

「渋い」の類語

「渋い」の類語・類義語としては、不快であることを意味する「苦い」があります。

「いぶし銀」の例文

1.あの投手はいぶし銀のような存在で、ピンチの時こそ力を発揮してくれます。
2.彼は表に出ないが、チームの縁の下の力持ちとしていぶし銀の活躍を見せています。
3.彼女はいぶし銀のような落ち着いたオーラで、周囲の信頼を集めている。
4.派手さはないが、彼の演技にはいぶし銀の魅力があるので、たくさんのファンがいます。
5.長年培った経験がにじみ出ている、いぶし銀の仕事ぶりに感動しました。

この言葉がよく使われる場面としては、見た目の華やかさはないが実力や魅力があるもののことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「いぶし銀」は実力や魅力が派手ではないけれど確かにある人や物事を褒めたいときなどに使います。

「渋い」の例文

1.この映画は派手さはないが、渋い演出が多いのでとても好きです。
2.このお茶は少し渋いけれど、その渋みが癖になる人も多いだろう。
3.成績が思ったより悪かったのか、彼は渋い顔をして帰っていきました。
4.彼は財布の紐が渋くて、遊びに誘っても中々来てくれません。
5.古い自転車のチェーンが渋いので、自転車屋さんい持っていくことにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、地味であるが味わい深いことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、渋柿を食べたときなどの舌がしびれるような味であること、不満そうなようすであること、金品を出すのを嫌がるようであること、 動きが滑らかでないことを表現したい時にも使います。

例文1は地味であるが味わい深いこと、例文2は渋柿を食べたときなどの舌がしびれるような味であること、例文3は不満そうなようすであること、例文4は金品を出すのを嫌がるようであること、 例文5は動きが滑らかでないことの意味で使っています。

「いぶし銀」と「渋い」はどちらも派手さはないけれど魅力があることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人物や技術力を評価するときに使うのが「いぶし銀」、色、味、声などの印象を表現したいときに使うのが「渋い」と覚えておきましょう。

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