【ほんのり】と【うっすら】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ほんのり」と「うっすら」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ほんのり」と「うっすら」という言葉は、どちらもわずかに感じられることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ほんのり」と「うっすら」の違い

「ほんのり」と「うっすら」の意味の違い

「ほんのり」と「うっすら」の違いを分かりやすく言うと、「ほんのり」は感覚的にやさしく伝わるものに対して使う、「うっすら」は視覚的や記憶的にぼんやりとしたものに対して使うという違いです。

「ほんのり」と「うっすら」の使い方の違い

一つ目の「ほんのり」を使った分かりやすい例としては、「あの映画にはほんのりと希望が込められていました」「彼女の言葉にはほんのりと寂しさがにじんでいた」「焼きたてのパンがほんのりと香ばしくて食欲をそそる」「彼女の頬がほんのり赤く染まっていた」などがあります。

二つ目の「うっすら」を使った分かりやすい例としては、「夜空にうっすらと雲がかかっていた」「ガラス越しにうっすらと人影が見えました」「机の上にうっすらとほこりが積もっています」「記憶がうっすらとよみがえってきた」などがあります。

「ほんのり」と「うっすら」の使い分け方

「ほんのり」と「うっすら」はどちらもわずかに感じられることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ほんのり」は「ほんのり甘い香りが広がる」や「彼女の頬がほんのり赤く染まっていた」のように、やわらかく穏やかで感覚的に心地よく伝わるものに対して使う言葉になります。

一方、「うっすら」は「窓の外にうっすらと霧がかかっている」や「うっすらと記憶がよみがえってきた」のように、目に見えるものや記憶、印象などがはっきりしない状態に対して使う言葉です。

つまり、感覚的にやさしく伝わるものに対して使うのが「ほんのり」、視覚的や記憶的にぼんやりとしたものに対して使うのが「うっすら」と覚えておきましょう。

「ほんのり」と「うっすら」の英語表記の違い

「ほんのり」を英語にすると「faintly」「lightly」「gently」となり、例えば上記の「彼女の頬がほんのり赤く染まっていた」を英語にすると「Her cheeks were faintly tinged with red」となります。

一方、「うっすら」を英語にすると「dimly」「slightly」「barely」となり、例えば上記の「記憶がうっすらとよみがえってきた」を英語にすると「The memory came back to me only dimly」となります。

「ほんのり」の意味

「ほんのり」とは

「ほんのり」とは、色や姿などがかすかなことを意味しています。

表現方法は「ほんのり温かい」「ほんのり甘い」

「ほんのり温かい」「ほんのり甘い」などが、「ほんのり」を使った一般的な言い回しになります。

「ほんのり」の使い方

「ほんのり」を使った分かりやすい例としては、「花の香りがほんのりと鼻先をかすめました」「彼の笑顔にはほんのりと照れくささがあった」「ほんのりと塩味が効いていてクセになります」「ケーキがほんのりとした甘さで上品な味です」などがあります。

「ほんのり」はやわらかく穏やかに、かすかに何かを感じ取る様子を表す言葉です。簡単に言うならば、強く主張するわけではないが、ほのかに存在しているもの、わずかに感じられる程度の気配や印象を指します。

「ほんのり」の特徴

「ほんのり」は特に感覚的な表現や感情表現に向いており、優しさや上品さ、控えめな美しさを伝えるときに使われる傾向があります。

例えば、料理の味について「ほんのり甘い」と表現すれば、甘さが主張しすぎず、ちょうど良い加減であることを指していると覚えておきましょう。

また、文学や詩の中では、余韻や感傷を含んだ表現として使われることも多く、日常会話だけでなく、情緒的な文章でも使うことができるのが特徴です。

「ほんのり」の類語

「ほんのり」の類語・類義語としては、わずかにそれと認められることを意味する「かすか」などがあります。

「うっすら」の意味

「うっすら」とは

「うっすら」とは、濃さや厚さなどの程度がわずかであることを意味しています。

表現方法は「うっすら見える」「うっすらと」

「うっすら見える」「うっすらと」などが、「うっすら」を使った一般的な言い回しになります。

「うっすら」の使い方

「うっすら」を使った分かりやすい例としては、「鏡がうっすらと曇っていて何も見えなかった」「遠くからうっすらとピアノの音が聞こえました」「彼の表情にはうっすらと戸惑いが見えた」「道端の草にうっすらと霜が降りています」などがあります。

「うっすら」は物事がはっきりとは見えないや感じられない、わずかにその存在や気配を認識できる状態を表す言葉です。簡単に言うならば、形や色、音、記憶、感情などが微妙に浮かび上がってくるような、あいまいでぼんやりとした印象を指します。

「うっすら」の特徴

「うっすら」は、はっきりとはしないけれども、存在を感じ取れる状態に対して用いられます。そのため、言葉としては曖昧さや淡さ、控えめな印象を与えたいときに適しています。情景描写だけでなく、人の表情や心の動きなどにも使われることが多いのが特徴です。

また、視覚的な使われ方としては「うっすら雪が積もった」「うっすらと紅く染まる空」など、淡い色調や薄い状態を表現する際によく用いられます。

心理的な文脈では「うっすらと感じる違和感」や「うっすら記憶している」のように、確信はないが何となく感じるニュアンスを伝える言葉として重宝されています。

「うっすら」の類語

「うっすら」の類語・類義語としては、やっと感じ取れる程度であることを意味する「かすかに」などがあります。

「ほんのり」の例文

1.窓から差し込む光が、部屋をほんのりと優しく照らしていました。
2.彼女の言葉には、ほんのりとした優しさが感じられました。
3.この紅茶には、ほんのり甘みがあってとても飲みやすいです。
4.空がほんのりと赤く染まり、夕暮れの気配を感じました。
5.頬をなでる風がほんのりと暖かくて、春の訪れを実感しました。

この言葉がよく使われる場面としては、色や姿などがかすかなことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ほんのり」は感覚的にやさしく伝わるものに対して使う言葉です。

「うっすら」の例文

1.朝起きると、庭にはうっすらと霜が降りていて、冬の気配を感じました。
2.遠くの山並みがうっすらと見えて、とても幻想的な風景でした。
3.忘れていた記憶が、写真を見てうっすらとよみがえってきました。
4.古い写真にはうっすらと笑顔の彼女が写っていました。
5.空が曇っていて、うっすらと太陽の輪郭だけが見えました。

この言葉がよく使われる場面としては、濃さや厚さなどの程度がわずかであることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「うっすら」は視覚的や記憶的にぼんやりとしたものに対して使う言葉です。

「ほんのり」と「うっすら」はどちらもわずかに感じられることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、感覚的にやさしく伝わるものに対して使うのが「ほんのり」、視覚的や記憶的にぼんやりとしたものに対して使うのが「うっすら」と覚えておきましょう。

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