【住宅】と【住居】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「住宅」(読み方:じゅうたく)と「住居」(読み方:じゅうきょ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「住宅」と「住居」という言葉は、どちらも「人が住む家」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




住宅と住居の違い

住宅と住居の違いを分かりやすく言うと、住宅とは人が住む家の物理的な表現、住居とは人が住む家の概念的な表現という違いです。

一つ目の住宅を使った分かりやすい例としては、「無料の住宅地図をダウンロードする」「賃貸住宅のトラブル事例を紹介します」「住宅ローン控除でいくら戻ってくるか計算する」「住宅ローンは固定金利と変動金利どちらがおすすめですか」などがあります。

二つ目の住居を使った分かりやすい例としては、「縄文人は竪穴式住居で暮らしていました」「住居表示の調べ方を教えてください」「一人暮らしの住居費の平均はいくらぐらいですか」「無職の男が住居侵入罪で逮捕されました」などがあります。

住宅と住居という言葉は、どちらも人が住む家や生活の拠点となる場所を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

住宅とは、人が住むための家を意味し、人間のすみかとしての建物を指す言葉です。住宅の種類は、その形態によって「戸建住宅」と「集合住宅」に分類することができます。戸建住宅は一つの建物に一世帯が居住する住宅であり、集合住宅は一つの建物に複数の世帯が独立して住むことができる住宅です。

住居とは、人が住んでいる家や場所を意味し、単に人間が住む建物を表すだけでなく生活の営みを含めた意味合いのある言葉です。例えば、洞窟で人が暮らしている場合に、そこを「住居」と表現することはできますが、「住宅」と表すことは適切ではありません。

つまり、住宅とは人が住む家を物理的に捉えた言葉であり、住居とは人が住む家を概念的に捉えた表現です。二つの言葉を比べると、住宅より住居の方が、生活を営む居住スペースというニュアンスがあります。

住宅も住居も英語にすると「house」「dwelling」「residence」となり、例えば上記の「住宅地図」を英語にすると「housing map」となります。

住宅の意味

住宅とは、人が住むための家、住居、すまい、すみかを意味しています。

その他にも、「すみかとすること、住みつくこと」の意味も持っています。

「祖父は住宅型有料老人ホームに入居しています」「住宅ローン金利をチェックする」「住宅ローンのシミュレーションを出してもらう」「住宅省エネ2025キャンペーンに申請しました」などの文中で使われている住宅は、「人が住むための家」の意味で使われています。

一方、「この町に住宅して10年になります」「都会の喧騒を離れて静かな田舎に住宅したい」「知らない土地に住宅するつもりはありません」などの文中で使われている住宅は、「すみかとすること、住みつくこと」の意味で使われています。

住宅の読み方は「じゅうたく」です。誤って「しゅうたく」「すみやけ」などと読まないようにしましょう。

住宅とは上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「人が住むための家」の意味で用いられています。現代語では、「すみかとすること、住みつくこと」の意味で使用されることはほとんどありません。

住宅を用いた日本語には「住宅ローン」があります。住宅ローンとは、居住目的でマンションや一戸建て住宅を購入するために、銀行などの金融機関から受ける融資のことです。一定期間の金利を事前に決める「固定金利型」と、おもに半年ごとに金利を見直す「変動金利型」があります。

住宅の類語・類義語としては、人が住むための建物を意味する「家屋」、建物や家屋を意味する「屋舎」、建物や居宅を意味する「家宅」、建物としての家を意味する「うち」、住宅や建物を意味する「ハウス」などがあります。

住居の意味

住居とは、住んでいること、また、その場所や家、すまい、すみかを意味しています。

住居を使った分かりやすい例としては、「住居表示変更証明書を取得する」「住居確保給付金で転居費用を賄いました」「国家公務員の住宅手当はどれぐらいですか」「本件は住居侵入罪ではなく邸宅侵入罪として扱います」などがあります。

その他にも、「住居確保給付金の条件について調べています」「会社の住居手当に関する規則を確認する」「住居表示と地番は必ずしも同じではありません」「住居確保給付金はどこで申請すればよいでしょうか」などがあります。

住居の読み方は「じゅうきょ」です。誤って「じゅうい」「すみきょ」などと読まないようにしましょう。

住居の「住」は訓読みで「すむ」「すまう」と読み、家や場所をきめて常にそこで生活することを表し、「居」は訓読みで「いる」「おる」と読み、腰を落ち着けて住むことを表す漢字です。住居とは、居住を目的とする建物を意味し、人のすみかとしての建物を表現する言葉です。

住居を用いた日本語には「住居費」があります。住居費とは、住まいに関するすべての支出のことであり、この内訳には家賃、地代、住宅ローン、固定資産税、設備修繕、光熱費、水道料金などが含まれます。

住居の類語・類義語としては、住んでいる場所を意味する「住所」、居住する場所を意味する「居所」、自分の生活の本拠となっている家を意味する「自宅」、人の寝る場所や自分の家を意味する「ねぐら」、わが家や持ち家を意味する「マイホーム」などがあります。

住宅の例文

1.憧れのマイホームは、分譲住宅ではなく注文住宅にしようと思います。
2.住宅購入の資金を貯めるために、家計を見直して毎月の積立額を増やすことにしました。
3.建売住宅はデメリットが多いように感じますが、すぐに入居できるという点は大きなメリットです。
4.本当は新築の戸建住宅にしたいのですが、価格が高いので中古住宅を探すことにしました。
5.省エネ性能の高い住宅であれば、住宅補助金制度を利用できるかもしれません。

この言葉がよく使われる場面としては、家族生活の行われる建築物と、これに付随した諸施設を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「分譲住宅」とは、ハウスメーカーなどが仕入れた土地を分割し、建物を建てて販売する形態の住宅を意味します。「建売住宅」とほぼ同義で使用される言葉です。「注文住宅」とは、所有する土地に自分の好みに合わせて設計し建築する住宅のことです。

住居の例文

1.サンフランシスコで住居を探した時に、英語が上手く話せなくて苦労しました。
2.通勤よりも生活しやすい居住環境を重視して、家族と住む住居を決めました。
3.行き来している住居が二つある場合、住民票はどちらの住所で届ければよいでしょうか。
4.宅配スタッフの導入研修で、住居表示に関する法律について説明しました。
5.アンケート調査の項目に、回答者の住居の種類を入れることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、住むこと、また、その家や場所を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「住居表示」とは、住所を表す際に従来から使われていた「地番」に代わり、一定の基準により建物に順序よく番号をつけて住所とするものです。住居表示による住所は、町名、街区符号、住居番号で構成されています。

住宅と住居という言葉は、どちらも「人が住む家」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物理的に人が住む家を表現したい時は「住宅」を、概念的に人が住む家を表現したい時は「住居」を使うようにしましょう。

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