【収入】と【所得】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「収入」(読み方:しゅうにゅう)と「所得」(読み方:しょとく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「収入」と「所得」という言葉は、どちらも「労働や事業活動によって得た金銭」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




収入と所得の違い

収入と所得の意味の違い

収入と所得の違いを分かりやすく言うと、収入とは労働や事業活動によって得た金銭の全額、所得とは収入から必要経費を差し引いた金額という違いです。

収入と所得の使い方の違い

一つ目のを使った分かりやすい例としては、「どれぐらい収入があると課税対象になるのだろう」「YouTuberの収入が知りたいです」「収入金額と所得金額を計算する」「副業収入があることを会社にバレてしまった」などがあります。

二つ目の所得を使った分かりやすい例としては、「所得税法の改正案が国会に提出されました」「便利な所得税率の早見表を教えてもらいました」「所得控除があれば税負担を軽減できます」「低所得世帯に10万円の給付金が支給されました」などがあります。

収入と所得の使い分け方

収入と所得という言葉は、どちらも労働や事業活動の結果として得られた金銭を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

収入とは、他から入ってきて自分の所有になる金銭を意味し、おもに労働や事業活動によって得られた金額を指す言葉です。税法上の「収入金額」とは、事業における売上金であったり、サラリーマンの月給においては社会保険料などが天引きされる前の額を指します。

所得とは、自分のものとなった金銭や利益を意味し、おもに個人または法人が一定期間の勤労や事業などから得る収入を表します。税法上の「所得金額」とは、収入から必要経費や所定の額を差し引いた残高を指し、所得税や法人税が課せられるものです。

つまり、収入とは労働や事業活動によって得た金銭の全てを表し、所得とは収入から必要経費を差し引いたものを指す言葉です。そのため、収入と所得を比較すると、所得よりも収入の方が金額は大きくなります。

収入と所得の英語表記の違い

収入も所得も英語にすると「income」「earnings」「gain」となり、例えば上記の「収入がある」を英語にすると「earn an income」となります。

収入の意味

収入とは

収入とは

収入とは、金銭や物品を他から収め入れて自分の所有とすること、また、その金品を意味しています。

収入の使い方

収入を使った分かりやすい例としては、「広告収入の仕組みを解説いたします」「売上は収益ですが収入ではありません」「郵便局で3,000円の収入印紙を購入しました」「住宅ローンの収入合算を活用する」などがあります。

その他にも、「収入証紙の販売は終了しました」「手数料収入の会計処理を教えてください」「職場で受け取る源泉徴収票が収入証明書に該当します」「人気アニメ映画の興行収入が100億円を突破しました」などがあります。

収入の「収」は訓読みで「おさめる」と読み、取り入れることや取り込むことを表します。ある区域や範囲の中にはいることを表す「入」と組み合わさり、収入とは、金品を収め入れて自分のものにすることを意味します。

表現方法は「収入証明書」

収入を用いた日本語には「収入証明書」があります。収入証明書とは、自身の収入を証明することができる公的な書類の総称です。具体的には、源泉徴収票や給与明細書あるいは確定申告書などを指します。

収入の対義語

収入の対義語・反対語としては、ある目的のために自分の所有する金銭や物品を支払うことを意味する「支出」などがあります。

収入の類語

収入の類語・類義語としては、金銭を受け取ることを意味する「入金」、1年間の収入を意味する「年収」、1か月に得た収入の総額を意味する「月収」、国や地方公共団体の一会計年度における一切の収入を意味する「歳入」などがあります。

所得の意味

所得とは

所得とは、その身に得ること、また、得たものを意味しています。

その他にも、「一定期間に、個人・法人が勤労・事業・資産などによって得た収入からそれを得るのに要した経費を控除した残りの純収入」の意味も持っています。

所得の使い方

「ギター演奏の基本を所得するのに数ヶ月かかった」「修行を通して仏教の真理を所得した」「滞在しながらその国の文化を所得する」などの文中で使われている所得は、「その身に得ること、その身に得たもの」の意味で使われています。

一方、「コンビニで所得証明書を取得できます」「所得税率は7段階に区分されています」「譲渡所得税の計算ツールを教えてもらいました」などの文中で使われている所得は、「一定期間に勤労などによって得た収入から経費を控除した残りの純収入」の意味で使われています。

所得とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「一定期間に勤労などによって得た収入から経費を控除した残りの純収入」の意味で用いられています。所得の「所」は動作や作用の内容を示し、「得」は利益を得ることを表す漢字です。

表現方法は「所得税」

所得を用いた日本語には「所得税」があります。所得税とは、個人の所得に対して課される国税であり、消費税や法人税と並ぶ主要税目です。会社員の場合は、年間の給与や賞与などの収入額から必要経費に相当する「給与所得控除」などを差し引いて、課税対象となる所得を算出するのが一般的です。

所得の類語

所得の類語・類義語としては、事業などによって利益を得ることを意味する「収益」、給与から税金その他を差し引いた正味の受取金を意味する「手取り」、収入を得るために働くことや稼ぎ高を意味する「実入り」、所得や収入を意味する「インカム」などがあります。

収入の例文

1.今の時代、英語力を高めることで収入アップの可能性が広がります。
2.金額の種類は限られてしまいますが、コンビニでも収入印紙を買うことができます。
3.年金収入は雑所得になり、年末調整ではなく確定申告が必要です。
4.収入の確定と税金の申告のために、個人事業主は確定申告を毎年しなくてはなりません。
5.給与所得控除額は収入金額に応じて変動するので、気を付けてください。

この言葉がよく使われる場面としては、金銭や品物その他の財産上の利益を自己の所有として収め入れることを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「収入印紙」とは、国庫の収入となる租税あるいは手数料その他の収納金の徴収のために財務省が発行する証票です。

所得の例文

1.確定申告書に記入するために、収入金額と所得金額をそれぞれ算出しました。
2.個人事業主の皆さんに、所得税の計算方法と課税の仕組みについてご説明いたします。
3.給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出してください。
4.インターネット上にあった年収別の所得税早見表をダウンロードしました。
5.所得金額の算出方法する際は、まず所得の種類を確認しましょう。

この言葉がよく使われる場面としては、会得すること、自分のものとなった品物や金銭あるいは利益や収入を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「給与所得控除」とは、所得税法上の用語です。給与収入に所得税や住民税を課税する際に、勤務に伴う必要経費の概算額として収入から一定額を控除することを言います。

収入と所得という言葉は、どちらも「労働や事業活動によって得た金銭」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、労働や事業活動によって得た金銭の全額を表現したい時は「収入」を、収入から必要経費を差し引いた金額を表現したい時は「所得」を使うようにしましょう。

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