似た意味を持つ「のろい」と「とろい」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「のろい」と「とろい」という言葉は、どちらも人や物事の動きが速くないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「のろい」と「とろい」の違い
「のろい」と「とろい」の違いを分かりやすく言うと、「のろい」は動作や進行に対して使う、「とろい」は人の性格や行動に対して使うという違いです。
一つ目の「のろい」を使った分かりやすい例としては、「この車は古いので動きがのろい」「彼はのろいが仕事は丁寧だ」「そのカメは歩みがのろい」「このアプリは起動がのろい」「この電車はのろいから時間がかかる」などがあります。
二つ目の「とろい」を使った分かりやすい例としては、「とろい性格も長所になる」「新人はとろいが真面目だ」「とろい動作に皆がいら立った」「彼女は仕事がとろいです」「彼はちょっととろいから仕事が遅い」などがあります。
「のろい」と「とろい」はどちらも人や物事の動きが速くないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「のろい」は「彼は足がのろいので、かけっこではいつも最後になる」のように、動作や進行そのものが遅いことを客観的に表す言葉になります。時間や速度の遅さを指すニュアンスが強いのが特徴です。
一方、「とろい」は「彼はちょっととろいからいつも行動が人より遅れてしまう」のように、頭の回転や要領の悪さ、動作の鈍さを含んで人に対して主観的や感情的に使われることが多い言葉です。
そのため、単に遅いだけでなく、鈍いや間抜けといった否定的なニュアンスを帯びる点が特徴です。
つまり、動作や進行に対して使うのが「のろい」、人の性格や行動に対して使うのが「とろい」と覚えておきましょう。
「のろい」を英語にすると「slow」「sluggish」となり、例えば上記の「この電車はのろいから時間がかかる」を英語にすると「This train is slow, so it takes a long time」となります。
一方、「とろい」を英語にすると「slow-witted」「clumsy」「dull」となり、例えば上記の「彼はちょっととろいから仕事が遅い」を英語にすると「He is a bit slow-witted, so his work is slow」となります。
「のろい」の意味
「のろい」とは、進み方が遅いことを意味しています。
「のろい」を使った分かりやすい例としては、「渋滞のせいで車の流れがのろい」「役所の手続きは本当にのろい」「彼の反応は少しのろいです」「この列車は各駅停車なのでのろい」「作業の進行がのろいので心配だ」などがあります。
「のろい」は動作や進行が遅く、思うようにスピードが出ない状態を表す言葉です。簡単に言うならば、動きや進み具合が通常より遅れている、もたついている状態を指します。
例えば、渋滞で車がなかなか進まない場面や、古いパソコンが起動に時間をかけている場面などがあります。
「のろい」は物事の進み具合や行動のスピードの遅さに対して使うのが特徴です。また、否定的なニュアンスを含むことが多いと覚えておきましょう。
「のろい」の対義語・反対語としては、動くもののすすみが著しいことを意味する「速い」があります。
「のろい」の類語・類義語としては、物事の動き進むのに時間がかかることを意味する「遅い」があります。
「とろい」の意味
「とろい」とは、動作や頭の働きがにぶいことを意味しています。
「とろい」を使った分かりやすい例としては、「反応がとろいと指摘された」「とろい動きで間に合わなかった」「私はとろいから失敗しやすい」「彼女は要領がとろい」「とろいせいで機会を逃した」「彼は少しとろいです」などがあります。
「とろい」は、反応や行動が鈍く、要領を得ない状態を表す言葉です。簡単に言うならば、人の動作や判断が機敏でなく、もたついている状態を指します。
例えば、指示を受けてもすぐに動けずに遅れてしまう新人社員や、スポーツの場面で仲間よりワンテンポ遅れて動いてしまう人などがあります。
「とろい」はただの遅いのではなく、思考や動作が鈍くて素早く対応できないことに対して使うというのが特徴です。
「とろい」の対義語・反対語としては、時に応じて心の働きや動作がすばやいことを意味する「機敏」があります。
「とろい」の類語・類義語としては、するどくないことを意味する「鈍い」があります。
「のろい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、進み方が遅いことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「のろい」は動作や進行に対して使う言葉です。
「とろい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、動作や頭の働きがにぶいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「とろい」は人の性格や行動に対して使う言葉です。
「のろい」と「とろい」はどちらも人や物事の動きが速くないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、動作や進行に対して使うのが「のろい」、人の性格や行動に対して使うのが「とろい」と覚えておきましょう。