似た意味を持つ「嫌がらせ」（読み方：いやがらせ）と「いじめ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「嫌がらせ」と「いじめ」という言葉は、どちらも他人に対して迷惑をかけることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「嫌がらせ」と「いじめ」の違い
「嫌がらせ」と「いじめ」の意味の違い
「嫌がらせ」と「いじめ」の違いを分かりやすく言うと、「嫌がらせ」は個別の迷惑行為や不快な行動に対して使う、「いじめ」は継続的で反復的に相手を苦しめる行為や関係全体に対して使うという違いです。
「嫌がらせ」と「いじめ」の使い方の違い
一つ目の「嫌がらせ」を使った分かりやすい例としては、「彼は嫌がらせで会議中にわざと話を遮った」「嫌がらせの電話が何度も鳴り響き落ち着けなかった」「嫌がらせによって人間関係がぎくしゃくしてしまう」「近所の人から嫌がらせを受けてストレスを感じている」などがあります。
二つ目の「いじめ」を使った分かりやすい例としては、「グループから外すいじめが陰で行われていた」「いじめに加担する人が増えて状況は悪化した」「教師はいじめの存在にようやく気づいた」「学校で同級生にいじめられて登校がつらい」などがあります。
「嫌がらせ」と「いじめ」の使い分け方
「嫌がらせ」と「いじめ」はどちらも他人に対して迷惑をかけることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「嫌がらせ」は「近所の人から嫌がらせを受けてストレスを感じている」のように、個別の行為や出来事として相手に迷惑や不快感を与える場合に使う言葉になります。特定のタイミングや状況に焦点があり、必ずしも継続的な被害を指すわけではありません。
一方、「いじめ」は「学校で同級生にいじめられて登校がつらい」のように、継続的、反復的に相手を苦しめる行為やその関係全体を指す言葉です。特に子どもや学生の間で行われる、心理的や身体的な攻撃を含む場合に使われることが多く、長期的な影響に焦点が当たります。
つまり、個別の迷惑行為や不快な行動に対して使うのが「嫌がらせ」、継続的で反復的に相手を苦しめる行為や関係全体に対して使うのが「いじめ」と覚えておきましょう。
ただし、受け取る相手によって変わるので、「いじめ」も「嫌がらせ」もそこまで大きな差はありません。
「嫌がらせ」と「いじめ」の英語表記の違い
「嫌がらせ」を英語にすると「harassment」「annoyance」「malicious act」となり、例えば上記の「近所の人から嫌がらせを受けてストレスを感じている」を英語にすると「I’m feeling stressed because of harassment from my neighbors」となります。
一方、「いじめ」を英語にすると「bullying」「mistreatment」「peer harassment」となり、例えば上記の「学校で同級生にいじめられて登校がつらい」を英語にすると「It’s hard to go to school because I’m being bullied by my classmates」となります。
「嫌がらせ」の意味
「嫌がらせ」とは
「嫌がらせ」とは、相手がいやがるようなことをわざわざ言ったりしたりすることを意味しています。
「嫌がらせ」の使い方
「嫌がらせ」を使った分かりやすい例としては、「嫌がらせのメールが毎日のように届いて困っている」「小さな嫌がらせが積み重なり、職場に行くのが憂うつだ」「嫌がらせで机の中に不要なものを入れられた」「嫌がらせを無視し続けるのも限界に近づいている」などがあります。
「嫌がらせ」は、相手に不快な思いをさせたり、困らせたりするために意図的に行う言動を表す言葉です。簡単に言うならば、悪意を持って人を苦しめたり迷惑をかけたりする行為のことを指します。
「嫌がらせ」は日常生活とビジネスシーンのどちらでも起こりうる言葉です。
日常生活では、近所づきあいや人間関係の中で「夜遅くにわざと大きな音を出す」「無言電話を繰り返す」などが典型的な嫌がらせになります。また、学校で特定の人に対して物を隠す、陰口を言うといった行為も嫌がらせの一種です。
「嫌がらせ」の特徴
「わざわざ人が嫌がることをする」という点が特徴であり、その目的は相手に不快感や精神的な苦痛を与えることにあります。
ビジネスシーンでは、職場での嫌がらせ行為が問題になることがあります。例えば、「必要な情報をわざと伝えない」「会議で発言を妨害する」などは典型的な例です。また、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントも、広い意味では嫌がらせに含まれます。
「嫌がらせ」とは偶然ではなく、意図的に相手を困らせたり傷つけたりする行為であることが大きな特徴です。小さな行為であっても積み重なることで、受ける側に深刻な影響を及ぼします。
「嫌がらせ」の類語
「嫌がらせ」の類語・類義語としては、相手を困らせることを意味する「意地悪」、不当な圧力や攻撃を示す「ハラスメント」などがあります。
「いじめ」の意味
「いじめ」とは
「いじめ」とは、自分より弱い者に対して一方的に身体的、心理的攻撃を継続的に加えることを意味しています。
「いじめ」の使い方
「いじめ」を使った分かりやすい例としては、「いじめが原因で学校に行けなくなった」「クラスでのいじめを見て胸が苦しくなった」「いじめが続いた結果彼は転校を余儀なくされました」「いじめは子どもの心に深い傷を残します」などがあります。
「いじめ」は、特定の相手に対して継続的に肉体的、精神的な苦痛を与える行為を指す言葉です。簡単に言うならば、一人または集団が弱い立場の人を標的にして、繰り返し意図的に攻撃することを意味します。
「いじめ」の特徴
「いじめ」は主に学校生活の中で使われることが多いですが、社会や職場の中でも発生します。
日常生活では、例えば学校で「仲間外れにする」「からかう」「持ち物を隠す」「暴力を加える」といった行為が典型的ないじめです。これらは単発ではなく、繰り返し行われることで相手に大きな心の傷を残します。
ビジネスシーンにおいても、いじめは「職場いじめ」として問題視されています。例えば、「特定の社員を意図的に無視する」「過剰な仕事を押しつける」「評価を不当に下げる」などが挙げられます。これは単なる嫌がらせを超え、組織的な人間関係の中で深刻な影響を与えるものです。
つまり、「いじめ」とは一度きりの行為ではなく、弱者を対象に繰り返される点に特徴があります。そのため、被害を受ける側は長期的な苦痛を抱え、心身に大きなダメージを負いやすいのです。
「いじめ」の類語
「いじめ」の類語・類義語としては、悪意を持って苦しめることを意味する「虐待」や、精神的な圧力を与える「迫害」などがあります。
「嫌がらせ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手がいやがるようなことをわざわざ言ったりしたりすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「嫌がらせ」は個別の迷惑行為や不快な行動に対して使う言葉です。
「いじめ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分より弱い者に対して一方的に身体的、心理的攻撃を継続的に加えることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「いじめ」は継続的で反復的に相手を苦しめる行為や関係全体に対して使う言葉です。
「嫌がらせ」と「いじめ」はどちらも他人に対して迷惑をかけることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、個別の迷惑行為や不快な行動に対して使うのが「嫌がらせ」、継続的で反復的に相手を苦しめる行為や関係全体に対して使うのが「いじめ」と覚えておきましょう。
