似た意味を持つ「自分語り」(読み方:じぶんかたり)と「身の上話」(読み方:みのうえばなし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「自分語り」と「身の上話」という言葉は、どちらも自分のことを語ることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「自分語り」と「身の上話」の違い
「自分語り」と「身の上話」の違いを分かりやすく言うと、「自分語り」は自己中心的に自分の話ばかりすること、「身の上話」は自分の境遇や人生について相手に語ることという違いです。
一つ目の「自分語り」を使った分かりやすい例としては、「会議中に急に自分語りを始める人がいて困った」「自分語りは悪いことではないが程度は大切です」「自分語りが多い人は誤解されやすいかもしれない」「彼の自分語りにうんざりした」などがあります。
二つ目の「身の上話」を使った分かりやすい例としては、「身の上話をきっかけに親友になった」「身の上話をすることでお互いの距離が縮まった」「身の上話は信頼関係があってこそできるものだ」「初対面の相手に身の上話をして打ち解けた」などがあります。
「自分語り」と「身の上話」はどちらも自分のことを語ることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「自分語り」は「彼は飲み会のたびに延々と自分語りをして周囲を退屈させる」のように、相手の関心を考えず自己中心的に自分の経験や考えを語る時に使う言葉になります。多くの場合、ややネガティブなニュアンスを含みます。
一方、「身の上話」は「初めて会った人に自分の身の上話をしたら親近感を持ってくれた」のように、自分の生活や境遇、過去の出来事などを語る行為を表し、相手に理解や共感を求めるニュアンスが強い言葉です。
つまり、自己中心的に自分の話ばかりするのが「自分語り」、自分の境遇や人生について相手に語るのが「身の上話」と覚えておきましょう。
「自分語り」を英語にすると「self-centered talk」「talking about oneself」となり、例えば上記の「彼の自分語りにうんざりした」を英語にすると「I got tired of his self-centered talk」となります。
一方、「身の上話」を英語にすると「personal story」「story about one’s life」となり、例えば上記の「初対面の相手に身の上話をして打ち解けた」を英語にすると「I shared my personal story with someone I just met, and it helped us bond」となります。
「自分語り」の意味
「自分語り」とは、聞かれてもいないのに自分の過去の話や自慢話など止め度なく話し続けることを意味しています。
「自分語り」を使った分かりやすい例としては、「彼の話はほとんど自分語りなので聞き役は大変だ」「SNSで自分語りばかりする人はフォローを外した」「自分語りをしているつもりはないのにそう言われて驚いた」「自分語りが続くと会話が一方通行になってしまう」などがあります。
「自分語り」は、自分の体験や考え、感情などを相手に語る行為を指す言葉です。簡単に言えば、会話の中で自分の話を中心に進めることを意味します。
例えば、誰かが趣味の話をしているときに「私もね、昔〜だったんだよ」と自分の話題に切り替えたり、相談を受けているのに延々と自分の経験談を話してしまうなどがあります。
「自分語り」は現代ではややネガティブなニュアンスで使われることが多いです。特にSNSや掲示板では、「話題に関係なく自分の話を始める」「自己アピールが強い」といった意味合いで使われ、空気を読まない行為としてやや揶揄的に使われることもあります。
「自分語り」の類語・類義語としては、身の感情や価値観を他者に正直に伝える行為を意味する「自己開示」があります。
「身の上話」の意味
「身の上話」とは、生い立ちや境遇など一身上のことについての打ち明け話のことを意味しています。
「身の上話」を使った分かりやすい例としては、「彼は打ち明けるように身の上話をしてくれた」「身の上話を聞いて彼の人柄がよくわかった」「身の上話を交えると会話が深まりやすい」「バーで隣の人と身の上話をしてしまった」などがあります。
「身の上話」は、自分のこれまでの人生や境遇、家庭の事情などを相手に話すことを指す言葉です。簡単に言えば、過去の出来事や自分の状況を説明する会話のことです。
例えば、親しい友人と将来の不安について話しているときに「実は子どもの頃からずっと引っ越しが多くて」と自分の背景を打ち明けたり、初対面の人に家族や仕事の状況を紹介する場面などがあります。
「身の上話」は多くの場合、相手に自分の事情を理解してもらいたいときや、親密さを深めたいときに行われます。会話として自然な行為であり、ネガティブなイメージはほとんどありません。むしろ信頼関係を築く上で大切なステップとされることもあります。
「身の上話」は信頼できる相手に対して行われ、親密さを深めるための会話として使われるというのが特徴です。
「身の上話」の類語・類義語としては、まだ人に知られていない気持ちなどを隠さずに語ることを意味する「打ち明け話」があります。
「自分語り」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、聞かれてもいないのに自分の過去の話や自慢話など止め度なく話し続けることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「自分語り」は自己中心的に自分の話ばかりする時に使う言葉です。
「身の上話」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、生い立ちや境遇など一身上のことについての打ち明け話のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「身の上話」は自分の境遇や人生について相手に語る時に使う言葉です。
「自分語り」と「身の上話」はどちらも自分のことを語ることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自己中心的に自分の話ばかりするのが「自分語り」、自分の境遇や人生について相手に語るのが「身の上話」と覚えておきましょう。