【痩せ我慢】と【我慢】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「痩せ我慢」(読み方:やせがまん)と「我慢」(読み方:がまん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「痩せ我慢」と「我慢」という言葉は、どちらも辛さに耐えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「痩せ我慢」と「我慢」の違い

「痩せ我慢」と「我慢」の違いを分かりやすく言うと、「痩せ我慢」は見栄や体裁のために平気なふりをすること、「我慢」は純粋にこらえて耐えることという違いです。

一つ目の「痩せ我慢」を使った分かりやすい例としては、「痛そうでも痩せ我慢して笑っていた」「給料が減っても痩せ我慢して家族に心配をかけまいとした」「本当は疲れているが痩せ我慢で平気だよ
と言ってしまった」などがあります。

二つ目の「我慢」を使った分かりやすい例としては、「痛みを我慢して仕事を続けた」「子どものために夜中の授乳を我慢して眠れなかった」「怒りを我慢して冷静に対処した」などがあります。

「痩せ我慢」と「我慢」はどちらも辛さに耐えることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「痩せ我慢」は辛さや弱さを見せまいと、無理に平気なふりをする場合に使う言葉です。外面や見栄、体裁のためにあえて耐えているニュアンスが強く、時に本心をごまかす・自分を誤魔化すニュアンスになります。

たとえば「本当は泣きたいが痩せ我慢している」のように、意図的に弱みを隠す場面で使います。評価は文脈次第で、格好良い・健気と取られる場合もあれば、無理をしている・見栄っ張りと批判される場合もあります。

一方、「我慢」は苦痛・欲求・感情などを抑えて耐えることを広く指す場合に使う言葉です。身体的な痛みや疲労、感情、欲望などあらゆる対象に用いられ、本人の内面的な耐性や忍耐力を評価する場面で使われます。

たとえば「風邪で辛くても我慢して学校に行った」「ダイエット中だから甘いものを我慢する」のように、実際に耐えている行為そのものを表します。日本語では美徳として肯定されることが多い語です。

つまり、見栄や体裁のために平気なふりをするのが「痩せ我慢」、純粋にこらえて耐えるのが「我慢」と覚えておきましょう。

「痩せ我慢」を英語にすると「putting on a brave face」「pretending to be fine」などとなり、例えば「痛そうでも痩せ我慢して笑っていた」を英語にすると「He put on a brave face and smiled, even though he was in pain」となります。

一方、「我慢」を英語にすると「endure」「bear」「put up with」などとなり、例えば「痛みを我慢して仕事を続けた」を英語にすると「He endured the pain and kept working」となります。

「痩せ我慢」の意味

「痩せ我慢」とは、無理に我慢して平気を装うことを意味しています。

「痩せ我慢をする」「痩せ我慢して笑う」「痩せ我慢もほどほどに」などが、「痩せ我慢」を使った一般的な言い回しになります。

「痩せ我慢」を使った分かりやすい例としては、「寒くても平気なふりをしているのはただの痩せ我慢だ」「彼は痛みをこらえて笑っていたが、明らかに痩せ我慢だった」「無理して強がるのは痩せ我慢にしか見えない」などがあります。

「痩せ我慢」は、純粋に苦痛をこらえる「我慢」とは異なり、「他人に弱みを見せたくない」「格好悪く思われたくない」といった見栄や意地が伴う我慢を指します。

そのため、ややマイナスなイメージを持っており、「無理をして強がっている」という印象を与えることが多い言葉です。

また、「痩せ我慢」は感情や体調など、自分の内面を隠して強がるときに使われることが特徴です。「我慢」が単に「耐える」ことを意味するのに対し、「痩せ我慢」は「他人に平気なふりをする」という見せ方の側面が強い言葉であると覚えておきましょう。

「痩せ我慢」の類語・類義語としては、つらさや不安を隠して平然を装うことを意味する「強がり」、自分の感情を抑えて無理に明るく振る舞うことを意味する「空元気」などがあります。

「我慢」の意味

「我慢」とは、辛い事を耐え忍ぶことを意味しています。

「我慢強い性格」「我慢の限界」「我慢が必要な時」などが、「我慢」を使った一般的な言い回しになります。

「我慢」を使った分かりやすい例としては、「嫌なことがあっても我慢して仕事を続けた」「子どものころから我慢強い性格だと言われます」「痛みを我慢してでも試合に出場した」「もうこれ以上は我慢できない」などがあります。

「我慢」とは、自分の感情や欲望、苦痛などを抑えて耐えることを意味する名詞です。日常生活の中で、感情的にならず冷静に行動するために必要な心の働きを指します。

「我慢」は一見するとつらい行為のように思われますが、社会生活を送るうえで不可欠な能力でもあります。たとえば、「相手のミスを我慢して見守る」「感情を我慢して冷静に話す」などのように、思いやりや礼儀の一部として使われることもあります。

また、「我慢」はプラスのイメージでもマイナスのイメージでも使われる言葉です。努力や忍耐を称える意味で「我慢強い」「よく我慢したね」と言う場合もあれば、無理をしている様子を表して「我慢しすぎだよ」「我慢も限界だ」といったように、否定的な文脈で使われることもあります。

さらに、「我慢」は自分の内面に焦点を当てた言葉であり、他人に見せるための強がりや見栄を含む「痩せ我慢」とは異なります。あくまで「自分の中でこらえる」「心の中で耐える」という行為を指すのが特徴です。

「我慢」の類語・類義語としては、耐え忍ぶことを意味する「忍耐」、気持ちを抑えることを意味する「辛抱」などがあります。

「痩せ我慢」の例文

1.風邪で体調が悪いのに、職場ではいつも通りに振る舞う彼を見て、かなりの痩せ我慢をしているのだと思いました。
2.本当は失敗して落ち込んでいるのに、明るく笑っているのを見ると、彼女の痩せ我慢の強さに胸が痛みます。
3.周りに心配をかけまいとして、つい痩せ我慢してしまう気持ちはわかりますが、無理をしないことも大切です。
4.寒さで震えているのに全然平気ですと言っていたが、明らかに痩せ我慢をしているように見えました。
5.痩せ我慢をして強がることも時には必要ですが、素直に助けを求める勇気も同じくらい大事だと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、無理に我慢して平気を装うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「痩せ我慢」は見栄や体裁のために平気なふりをする時に使う言葉です。

「我慢」の例文

1.毎日残業が続いて疲れていましたが、チームのためだと思って我慢して働き続けています。
2.ダイエット中なので、目の前のケーキを食べたい気持ちを必死に我慢しています。
3.子どもの前では怒鳴らないように、感情を抑えて我慢することを意識しています。
4.手術の痛みはつらかったですが、回復を信じて我慢するしかありませんでした。
5.我慢を続けることは立派ですが、無理をしすぎると心や体を壊してしまいますよ。

この言葉がよく使われる場面としては、辛い事を耐え忍ぶことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「我慢」は純粋にこらえて耐える時に使う言葉です。

「痩せ我慢」と「我慢」はどちらも辛さに耐えることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、見栄や体裁のために平気なふりをするのが「痩せ我慢」、純粋にこらえて耐えるのが「我慢」と覚えておきましょう。

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