【時刻】と【時間】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「時刻」(読み方:じこく)と「時間」(読み方:じかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分けを参考にしてみてください。

「時刻」と「時間」という言葉は、どちらも移り変わってゆく月日や瞬間を表現する時に用いられるいう共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



時刻と時間の違い

時刻と時間の違いを分かりやすく言うと、時刻というのは、時の流れにおける一瞬のことを意味していて、時間というのは、二つの時刻の間に渡っている、長さのある時のことを意味しているという違いです。

二つの言葉に共通しているのは「時」という漢字です。時というのは、流れてゆくものだと言われますが、時という漢字自体には、どれだけ長いかを特定する意味あいはありません。時という字は、ごく一瞬も、「何々している最中」も、数十年の長さのことも表せます。

そこで、時という漢字は、ほかの漢字と結びついてどれだけ長いかを特定するという傾向があります。時刻も時間も、そうして出来た漢字だと考えると違いが分かりやすくなります。

一つ目の時刻という漢字は、時を「刻む」(読み方:きざむ)ことを意味します。私たちは時計を使って生活していますが、時刻というのは、時計が示し続ける一秒一秒のことを意味していると考えると、時刻の意味が分かりやすくなります。

「刻む」というのは、音などが短い間隔で規則正しく鳴るという意味です。打楽器で音を小さく鳴らすことを言う時にも用いられます。例えば「リズムを刻む」というように使われます。また「細かく刻む」のように、物を切り込む時にも用いられます。

「刻み」(読み方:きざみ)という形では、「自動販売機の料金設定は10円刻み」「7分刻みの電車」というように使われて、それぞれ「10円ごと」「7分おき」を意味します。「刻み」というのは、尺度を表す数詞について、…おき、…ごとを意味する接尾語です。

二つ目の時間について説明します。時間の「間」(読み方:あいだ)という漢字は、「二つの駅の間」「友人の間でのブーム」というように範囲を意味することも、「理想と現実の間」というように何かと何かの関係を意味することもあります。

このことから、時の間と書く「時間」が、正確には、時と時の間ということを意味していることを押さえれば、時間という言葉の意味が分かりやすくなります。時間というのは、ある一瞬と別の一瞬の間にある、幅をもった時という意味です。

時刻の意味

時刻とは、流れていく時の一瞬一瞬それぞれのことを意味しています。こうした意味から、小さな点のようなものとしてイメージされ、多くの辞書で「ある一点」「時点」というように説明されます。

言葉の成り立ちから見ると、時刻とはとても短い一瞬を意味するものですが、日常生活の中ではもうすこし曖昧です。例えば「電車の時刻」は厳密には一瞬ではありません。しかし乗り過ごすと「停車時間が短すぎる」と感じるので、一瞬の意味は残っています。

「刻む」というのは、短く等間隔で規則正しく繰り返されるという意味です。リズムよく音を鳴らすことを「刻む」と表現できるのはそのためです。また、時計の秒針が規則的に動いているイメージが持てれば、時と刻むが何故つながるのかが分かりやすくなります。

「刻」という字は、短い一瞬の意味から転じて、「ちょうどよい頃合い」という意味で用いられることもあります。頃合いをタイミングと言い換えると、「一瞬」と「ちょうどよい」とのつながりが分かります。ジャストタイミングという言葉を思い浮かべて下さい。

「ちょうどよい頃合い」の意味で「刻」という漢字を使った言葉として、締め切りなどの定められた時のことを意味する「刻限」(読み方:こくげん)が挙げられます。「刻限となりましたので締め切らせていただきます」などのように使われます。

時間の意味

時間とは、二つの時刻の間に渡っている、比較的長さのある時のことを意味しています。長さがあることから、「残り2時間」「睡眠時間は8時間」などのように、足し引きを考える場合の言葉とも言えます。

長さがあるという意味から転じて、時間は時を測る単位にもなっています。1時間、2時間というように数えられる単位です。私たちは日常生活をまとまりのある単位に区切って生活しているから、時という言葉よりも時間という言葉に慣れていると言えるでしょう。

時折、「発車時間」は誤用が定着した表現で「発車時刻」が正しいと言われることがありますが、そうとは言い切れません。発車時刻はふつう分単位で設定されていて、それを「ゆとりを持たせている」と考えれば、一定の長さを意味する時間も正解になります。

時間の「間」という字を使った他の言葉としては、物と物に挟まれた僅かな空間を意味する「隙間」、同じ意味で話し言葉ではあまり使われない「間隙」(読み方:かんげき)を挙げられます。衣服と下着の間に着るものを「合着」(読み方:あいぎ)と言います。

時刻の例文

1.時刻は現在21時を回ったところです。
2.終了の時刻が差し迫ってきた。
3.時刻は昼下がり、睡魔の襲ってくる頃合いだ。
4.雨のため、試合開始時刻がずれ込んだ。
5.書店で電車の時刻表をだんだん見かけなくなってきた。

この言葉がよく使われる場面としては、ある一時点を意識して、その時だけを表現したい時などが挙げられます。ある一時点を意識するということを、一定の長さを持った時間に刻みをつけて、それだけに着目すると考えるとイメージしやすくなります。

ここで言うある一時点とは、「刻限」に近い意味で用いられて、開始や終了を表現することもあれば、「タイミング」に近い意味で用いられて、ちょうどよい頃合いを意味することもあります。例文3の時刻と頃合いは、ほぼ同一の意味で表現しています。

時刻という言葉を使う時には、それがどの一時点を意味するものなのかということを、しっかりと意識して使うようにすれば、間違うことがぐっと減るでしょう。

時間の例文

1.あと2時間で終わらせます。
2.当日は混雑が予想されるため、時間の余裕をもってお越しください。
3.お金が足りないと、時間も足りなく感じてきます。
4.彼は自分の挑戦が時間の無駄に終わったと嘆いているが。僕はそうとは思わない。
5.時間をたっぷり使って、じっくり取り組んだ。

この言葉がよく使われる場面としては、比較的長さのある時のことを表現したい時、1時間、2時間というように、時を数えたい時などが挙げられます。例文の1は時間の計算が念頭に置かれていて、例文2と5は時間の余裕を持つという表現です。

時間というのは、二つの時刻の間に挟まれた、長さのある時のことを意味する言葉ですが、実際に使われる際には、始まりと終わりの時刻がはっきり意識されなかったり、漠然としていることも少なくありません。例文5は時が長くて余裕のある時しか情報がありません。

このことから、時間という言葉を使う際に大切なことは、大まかにどれだけの間にまたがっているかを、はっきりと意識することです。そして瞬間ではなく一定の長さを持っていると考えられたなら、時間という言葉を使って間違いはありません。

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