似た意味を持つ「口を出す」(読み方:くちをだす)と「口を挟む」(読み方:くちをはさむ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「口を出す」と「口を挟む」という言葉は、どちらも他人の会話や行動に言葉を差し入れることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「口を出す」と「口を挟む」の違い
「口を出す」と「口を挟む」の違いを分かりやすく言うと、「口を出す」は他人の行動や決定に意見を加える時に使う、「口を挟む」は他人の会話の途中に割り込む時に使うという違いです。
一つ目の「口を出す」を使った分かりやすい例としては、「人の仕事にいちいち口を出すのはよくない」「彼は何でも口を出したがるタイプだ」「今回は任せたのだから、途中で口を出すのはやめよう」などがあります。
二つ目の「口を挟む」を使った分かりやすい例としては、「上司と部下が話しているところに口を挟むのは失礼だ」「二人の会話に思わず口を挟んでしまった」「話の途中で口を挟まれて少しイラッとした」などがあります。
「口を出す」と「口を挟む」はどちらも他人の会話や行動に言葉を差し入れることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「口を出す」は他人の行動や決定に意見や干渉をするという意味で使われます。
例えば「後輩の仕事に口を出す」「友人の恋愛に口を出す」など、他人の領域に踏み込んで意見するような場合に使われる言葉です。そのため、やや上から目線やお節介な印象を与えることがあります。
一方、「口を挟む」は人の話の途中に割って入って話すという意味で使われます。
例えば「話の途中で口を挟む」「人の議論に口を挟む」など、会話の流れを中断して割り込む行為を表すのが特徴です。どちらかというと行為そのものに焦点があり、発言の是非よりも「割り込んだ」という行動を強調する言葉です。
つまり、他人の行動や決定に意見を加える時に使うのが「口を出す」、他人の会話の途中に割り込む時に使うのが「口を挟む」と覚えておきましょう。
「口を出す」を英語にすると「to interfere」「to meddle」「to butt in」などとなり、例えば「人の仕事にいちいち口を出すのはよくない」を英語にすると「It’s not good to interfere in someone else’s work」となります。
一方、「口を挟む」を英語にすると「to interrupt」「to cut in」「to butt into a conversation」などとなり、例えば「話の途中で口を挟むのは失礼だ」を英語にすると
「It’s rude to interrupt someone while they’re talking」となります。
「口を出す」の意味
「口を出す」とは、割り込んでいって自分の意見などを言うことを意味しています。
「余計なことを言う」「あの人は何でも口を出したがる」などが、「口を出す」を使った一般的な言い回しになります。
「口を出す」を使った分かりやすい例としては、「彼の仕事の進め方に上司が口を出してきた」「自分の担当ではないのに、つい口を出してしまった」「親が子どもの恋愛に口を出すのは良くないと思います」などがあります。
「口を出す」は、人の話や行動、仕事などに対して意見を言ったり干渉したりすることを意味する慣用句です。慣用句とは、二語以上の単語が結びついて、全体として特定の意味を持つ言い回しを指します。
「口を出す」は、必ずしも悪い意味だけで使われるわけではありませんが、たいていの場合は「必要のない場面で干渉する」「余計なことを言う」といったマイナスなイメージで使われます。
また、「口を出す」は日常会話で非常によく使われる表現であり、ビジネスシーンでも「上司が細かいことにまで口を出す」「他部署がこの件に口を出すのは避けたい」などのように、幅広く用いられます。
「口を出す」の他にも、「口」を使った慣用句は多数存在しており、「口を滑らせる」「口を揃える」「口が軽い」などがあります。
「口を出す」の類語・類義語としては、他人のことに余計な世話を焼くことを意味する「首を突っ込む」、他人の領分に干渉することを意味する「お節介を焼く」などがあります。
「口を挟む」の意味
「口を挟む」とは、他人の話している途中に割り込んで話すことを意味しています。
「話の途中で入る」「彼はいつも人の会話に口を挟む」などが、「口を挟む」を使った一般的な言い回しになります。
「口を挟む」を使った分かりやすい例としては、「友人同士の言い争いに、思わず口を挟んでしまった」「上司と部下の話に第三者が口を挟むのはよくない」「彼女の話が面白かったので、途中で口を挟むことができなかった」などがあります。
「口を挟む」は、人の話の途中に割って入って意見を言うことや、会話や議論に横から干渉することを意味する慣用句です。
「口を挟む」は、「人の話をさえぎって発言する」「他人の会話に割り込む」といった少し否定的な印象を持つ言葉です。相手の話を遮る行為を指すため、使う場面や相手によっては失礼に聞こえることもあります。
ただし、「何も口を挟めないほどの真剣な議論だった」「あまりにも感動的な話で、誰も口を挟むことができなかった」のように、話の流れを邪魔できないほど圧倒された状況を表す場合には、必ずしもマイナスのイメージで使われるわけではありません。
また、「口を挟む」は日常会話やビジネスシーンの両方で使うことができ、「他部署の問題に口を挟むのは避けたい」「お客様同士の会話に口を挟むのは控えてください」などのように使われます。
「口を挟む」の類語・類義語としては、他人のことに干渉することを意味する他人の話を遮って話に入ることを意味する「割り込む」などがあります。
「口を出す」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、割り込んでいって自分の意見などを言うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「口を出す」は他人の行動や決定に意見を加える時に使う言葉です。
「口を挟む」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、他人の話している途中に割り込んで話すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「口を挟む」は他人の会話の途中に割り込む時に使う言葉です。
「口を出す」と「口を挟む」はどちらも他人の会話や行動に言葉を差し入れることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、他人の行動や決定に意見を加える時に使うのが「口を出す」、他人の会話の途中に割り込む時に使うのが「口を挟む」と覚えておきましょう。