【日記】と【日誌】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「日記」(読み方:にっき)と「日誌」(読み方:にっし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「日記」と「日誌」という言葉は、どちらも「日々の記録」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




日記と日誌の違い

日記と日誌の違いを分かりやすく言うと、日記とは個人利用の主観的な記録、日誌とは共有して活用するための客観的な記録という違いです。

一つ目の日記を使った分かりやすい例としては、「子どもを産んでから日記を書くようになりました」「仲がいい友達と交換日記をしています」「大学で日記文学に関する研究をしています」「日記をつけることのメリットは何ですか」などがあります。

二つ目の日誌を使った分かりやすい例としては、「日直なので学級日誌を書いてから帰ります」「戦時下に綴られた学校日誌を研究しています」「保育日誌の書き方にはコツがあります」「一日を振り返って日誌を書く」などがあります。

日記と日誌という言葉は、どちらも一日を振り返って書く記録を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

日記とは、出来事や感想などを一日ごとにまとめた記録です。主な内容は、日々の出来事に対する個人的な感想であり、主観的な視点で書かれています。日記は個人の記録であり、誰かに見せることを目的としていません。

日誌とは、特定の目的にそって、出来事や情報などを一日の単位で客観的に記録するものです。「業務日誌」であれば業務内容や進捗状況を、「学級日誌」であれば学校の授業や行事などを、事実に基づいて記録します。日誌は共有され、後日の資料や振り返りに利用されます。

つまり、日記とは個人利用の主観的な記録であり、日誌とは共有して活用するための客観的な記録です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

日記も日誌も英語にすると「diary」「journal」となり、例えば上記の「日記を書く」を英語にすると「write a diary」となります。

日記の意味

日記とは、毎日の出来事や感想などの記録を意味しています。

その他にも「日記帳」の意味も持っています。

「日記代わりにSNSを投稿しています」「日記の書き方は人それぞれです」「日記を書く効果はたくさんあります」などの文中で使われている日記は、「毎日の出来事や感想などの記録」の意味で使われています。

一方、「旅行先で日記を失くしてしまいました」「鍵付きの日記を娘にプレゼントしました」「誰でも簡単に使える日記アプリを教えてもらいました」などの文中で使われている日記は、「日記帳」の意味で使われています。

日記とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。日記の「日」は一昼夜や二十四時間を表し、「記」は書き記すことや文書を表します。

日記を用いた日本語には「日記文学」があります。日記文学とは、主として平安時代から鎌倉時代にかけて仮名で書かれた日記の中で、文学性のあるものを意味します。自照性が強く、多くは女流の手で書かれ、「紫式部日記」や「更級日記」などが知られています。

日記の対義語・反対語としては、予定を記録するための手帳を意味する「スケジュール帳」などがあります。

日記の類語・類義語としては、日々の記録を意味する「日録」、毎日行なう報告を意味する「日報」、記憶を書きとどめておくための小冊子を意味する「手帳」、日記や日誌を意味する「ダイアリー」などがあります。

日誌の意味

日誌とは、日々の出来事などの記録、また、その帳面を意味しています。

日誌を使った分かりやすい例としては、「保育日誌の書き方を注意されました」「学級日誌の表紙にイラストを描く」「薬学部の学生向けに実習日誌の書き方を説明する」「作業日誌で現場作業の進捗状況を把握しています」などがあります。

その他にも、「日誌法を用いて感情の変動性を調べる」「介護日誌は職員間の情報共有に役立っています」「英語で書かれた航海日誌を読み解く」「業務日誌のテンプレートを無料でダウンロードする」などがあります。

日誌の「誌」は訓読みで「しるす」と読み、書き記したものや文書を表す漢字です。一昼夜を表す「日」と結び付き、日誌とは、毎日の出来事や行動などの記録を意味します。多くは、後日の資料にするために記すものです。

日誌を用いた日本語には「日誌法」があります。日誌法とは、心理学やマーケティングなどの分野で用いられる自然観察法の一つです。対象者の行動や出来事あるいは感情の動きなどを日記のように継続的に記録し、対象者の行動のパターンなどを理解したうえで次の行動計画や介入に活かします。

日誌の対義語・反対語としては、予定を記入して表にしたものを意味する「予定表」などがあります。

日誌の類語・類義語としては、日記や日録を意味する「日乗」、報告する事柄を記した文書を意味する「報告書」、航海日誌や航空日誌を意味する「ログ」、日記や議事録を意味する「ジャーナル」などがあります。

日記の例文

1.気に入った日記帳が見つからず、普通のA4ノートに日記を書いています。
2.ズボラな私が育児日記をつけていることに、母はとても驚いていました。
3.日記アプリなら、スマホで手軽に記録できて写真も簡単に保存できます。
4.パソコンで日記を書いていたこともありますが、長続きしませんでした。
5.友達にかわいい日記帳をおすすめされて、試しに買ってみることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、出来事や感想を一日ごとにまとめて記録することを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「育児日記」とは、育児をする親が、赤ちゃんの成長過程や日々の出来事、その気持ちや気づきなどを記録する日記です。育児日記帳が市販されているほか、育児日記専用のアプリなどがあります。

日誌の例文

1.使いやすそうな学級日誌のテンプレートを見つけたので、ダウンロードしました。
2.学級日誌の感想欄に書くネタがなくて、いつも似たようなことを書いてしまいます。
3.戦時中の学校日誌を読むと、当時は子どもたちの教育が二の次となっていたことが分かります。
4.会社の業務日誌には、その日の成果や業務内容をまとめて記入しています。
5.上司に評価される業務日誌の書き方を、先輩社員に教えてもらいました。

この言葉がよく使われる場面としては、毎日の出来事や行動などの記録を表現したい時などが挙げられます。

例文4や例文5にある「業務日誌」とは、一日の仕事を振り返って記す報告書のことです。業務の進捗管理や上司への報告などを主な目的としています。

日記と日誌という言葉は、どちらも「一日を振り返って書く記録」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、個人利用の主観的な記録を表現したい時は「日記」を、共有して活用するための客観的な記録を表現したい時は「日誌」を使うようにしましょう。

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