似た意味を持つ「実感」(読み方:じっかん)と「体感」(読み方:たいかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「実感」と「体感」という言葉は、どちらも「感じること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
実感と体感の違い
実感と体感の違いを分かりやすく言うと、実感とは心で感じること、体感とは体で感じることという違いです。
一つ目の実感を使った分かりやすい例としては、「実感を込めて苦労話を語ってくれました」「体力がなくなって老いを実感する」「3月になって卒業の実感が湧いてきました」「すぐにダイエット効果を実感するでしょう」などがあります。
二つ目の体感を使った分かりやすい例としては、「明日の体感温度指数をチェックする」「起震車で震度6の揺れを体感しました」「人の体感時間は年齢に反比例するそうです」「体感型アトラクション施設がオープンしました」などがあります。
実感と体感という言葉は、どちらも経験したり物事に触れたりして感じることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
実感とは、頭で知識として理解するだけでなく、実際に物事から得る感じを意味します。精神的な作用であり、「ダイエット効果を実感する」とは、実際に体重が減ったり痩せて見えたりして、ダイエットに成功したと自分自身で感じ取れる様子を表現しています。
体感とは、体に受ける感じや体で感じることを意味します。肉体的な感覚であり、五感を通じて刺激や現象を直接的に経験して身体で感じ取ることを表す言葉です。「体感型アトラクション」とは、乗り物やシミュレーターなど、身体的な感覚を刺激するアトラクションのことです。
つまり、実感とは実際の物事から心で感じることを表し、体感とは外からの刺激を体で感じること表現します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
実感を英語にすると「actual feeling」「real feeling」「solid sense」となり、例えば上記の「実感を込めて」を英語にすると「with feeling」となります。
一方、体感を英語にすると「bodily sensation」「experience」「sense」となり、例えば上記の「体感温度」を英語にすると「sensible temperature」となります。
実感の意味
実感とは、実際に事物や情景に接したときに得られる感じを意味しています。
その他にも、「実際に実物に接したように、生き生きと感じること」の意味も持っています。
「階段の昇り降りで運動不足を実感した」「除夜の鐘を聞くと年越しの実感が湧く」「花を見て春が近づいてきたという実感が湧く」などの文中で使われている実感は、「実際に接したときに得られる感じ」の意味で使われています。
一方、「実感のこもった体験談を聞かせてもらいました」「皆様からのご期待を実感しております」などの文中で使われている実感は、「実際に接したように、生き生きと感じること」の意味で使われています。
実感の読み方は「じっかん」です。誤って「みかん」「じつかん」などと読まないようにしましょう。
実感とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。実感の「実」は実体や本当の事柄を表し、「感」は外部の物に触れて心が動くことを表す漢字です。
上記例文にある「実感が湧く」とは、情報として知っているだけでなく、心でリアルに感じ取れる状態になることを意味する言い回しです。「湧く」とは、水などが地中から噴き出ることを意味し、転じて、ある考えや感情が生じることを表します。
実感の対義語・反対語としては、実際には経験していない事柄などを推し量ることを意味する「想像」などがあります。
実感の類語・類義語としては、身にしみて感じることを意味する「痛感」、外界の物事に触れて心に感じることを意味する「感触」、物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働きを意味する「センス」などがあります。
体感の意味
体感とは、体で感じること、体が受ける感じを意味しています。
その他にも、「皮膚や内臓の諸器官に加えられた刺激による感覚、暑さ・寒さ・痛み・飢え・渇き・性欲・吐きけなどの感覚」の意味も持っています。
「体感温度の計算方法を調べる」「気温と体感温度が大きく違っている」「日本の体感治安は悪化しています」「英語を体感できるような授業を行う」などの文中で使われている体感は、「体で感じること、体が受ける感じ」の意味で使われています。
一方、「医師から体感幻覚の治療について説明を受ける」「不安が吐き気のような体感を伴って迫ってきた」などの文中で使われている体感は、「皮膚や内臓の諸器官に加えられた刺激による感覚」の意味で使われています。
体感の読み方は「たいかん」です。同じ読み方をする熟語に「体幹」や「退官」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。
体感とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「体で感じること、体が受ける感じ」の意味で用いられています。体感の「体」は骨格などで組み立てられたものとしての身体を表す漢字です。
体感を用いた日本語には「体感温度」があります。体感温度とは、人間の感じる暑さや寒さを数量的に表したものを意味します。気温・湿度・風速を組み合わせて体感温度を定量的に表し、不快指数はその一例です。各種の算定方式があり、季節別に作られることもあります。
体感の対義語・反対語としては、統一的に説明できるように筋道を立てて組み立てられた知識の体系を意味する「理論」、実地の計測や測量を意味する「実測」などがあります。
体感の類語・類義語としては、肉体に起こる感覚を意味する「肉感」、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五つの感覚を意味する「五感」、重力の変化に対応する感覚を意味する「平衡感覚」、身体内部に刺激源をもつ感覚を意味する「有機感覚」などがあります。
実感の例文
この言葉がよく使われる場面としては、現実の物事から得る感じ、実際に接しているような感じ、心の底からでた真実の感情を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある実感と痛感の違いは、実感は経験に基づいて現実味を感じることを意味し、痛感は失敗や問題の経験から痛みを伴うぐらい強く感じることを意味する点にあります。
体感の例文
この言葉がよく使われる場面としては、体に感ずること、体に受ける感じ、体内の諸器官および全身の状態についての感覚を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「体感時間」とは、人が主観的に感じる時間の長さのことであり、時計で測る物理的な時間とは異なります。
実感と体感という言葉は、どちらも「感じること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、心で感じることを表現したい時は「実感」を、体で感じることを表現したい時は「体感」を使うようにしましょう。