似た意味を持つ「動乱」(読み方:どうらん)と「騒乱」(読み方:そうらん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「動乱」と「騒乱」という言葉は、どちらも「社会が乱れる状態」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
動乱と騒乱の違い
動乱と騒乱の違いを分かりやすく言うと、動乱とは国家を揺るがすような大きな混乱、騒乱とは一時的あるいは局地的な騒ぎという違いです。
一つ目の動乱を使った分かりやすい例としては、「幕末の動乱期に多くの城が荒廃しました」「動乱は直ちに鎮圧されました」「動乱の世界にどう生きぬくかを考える」「この数年で世界はまさに動乱の時代になってしまった」などがあります。
二つ目の騒乱を使った分かりやすい例としては、「騒乱罪の判例と成立要件を確認しています」「新宿騒乱事件から半世紀以上経ちました」「19世紀前半のパリでは騒乱やストライキ運動が多発しました」などがあります。
動乱と騒乱という言葉は、どちらも社会が乱れている状態を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
動乱とは、世の中が動揺して乱れることを意味します。「幕末の動乱期」「政治的動乱」のような使い方で、国家や時代を揺るがすような大きな混乱を表す言葉です。戦争などの政治や社会構造の変化を起こすような場合に用いられます。
騒乱とは、非常の出来事によって社会の秩序が混乱することを意味します。「騒乱が多発する」「騒乱事件」のような使い方で、人々が騒いで秩序が乱れるさまを表す言葉です。暴動などの一時的あるいは局地的な騒ぎに用いられます。
つまり、動乱とは国家や時代を揺るがすような大きな混乱を表し、騒乱とは一時的あるいは局地的な騒ぎを表します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
動乱を英語にすると「turbulence」「disturbance」となり、例えば上記の「動乱期」を英語にすると「turbulent period」となります。一方、騒乱を英語にすると「riot」「disturbance」となり、例えば上記の「騒乱罪」を英語にすると「crime of rioting」となります。
動乱の意味
動乱とは、世の中が動揺し乱れること、その乱れ、暴動などの騒ぎを意味しています。
動乱を使った分かりやすい例としては、「1960年のコンゴ動乱を描いた映画を観ました」「南北朝時代は朝廷の争いが続く動乱の時代でした」「過酷な動乱期を生きることは容易いことではありません」などがあります。
その他にも、「動乱を食い止めることができなかった」「幕末の動乱期を女性の視点で捉える」「世界は動乱の時代になり潮目が変わりつつあります」「動乱の時代を舞台にした小説を読んでいます」などがあります。
動乱の「動」は状態が移り変わることや、世の中の秩序を乱すことを表し、「乱」は物事がもつれて秩序がなくなることを表します。動乱とは、世の中が騒がしく乱れることを意味し、社会や政治が不安定であることを表します。
動乱を用いた日本語には「スエズ動乱」があります。スエズ動乱とは、1956年にスエズ運河の管理などをめぐって発生した武力紛争です。結果的に、エジプトはスエズ運河の主権を回復しました。「スエズ戦争」「第2次中東戦争」とも呼ばれています。
動乱の対義語・反対語としては、静かでひっそりしていることを意味する「静寂」などがあります。
動乱の類語・類義語としては、戦争のために世の中が乱れることを意味する「戦乱」、戦争による世の中の乱れを意味する「兵乱」、戦争によって受ける被害や戦争による災難を意味する「戦禍」などがあります。
騒乱の意味
騒乱とは、事変が起こって、社会の秩序が混乱することを意味しています。
騒乱を使った分かりやすい例としては、「イギリス各地で騒乱が続いています」「チベット騒乱の発端をご存知でしょうか」「応仁の乱以降、戦国の騒乱は長らく続きました」「イランの騒乱は終わりが見えません」などがあります。
その他にも、「騒乱罪の首謀者として処罰されました」「騒乱の勢いを助長する行為をした」「騒乱罪が成立した事例を集めています」「脅迫を伴う騒乱罪に該当する行為を行った」「一人だけの暴動で騒乱罪は適用されません」などがあります。
騒乱の読み方は「そうらん」です。同じ読み方をする熟語に「争乱」や「総覧」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。
騒乱の「騒」は訓読みで「さわぐ」と読み、やかましい声や音を立てることを表し、「乱」は訓読みで「みだれる」と読み、物事がもつれて秩序がなくなることを表します。騒乱とは、世の中に騒ぎが起こって秩序が乱れることを意味します。
騒乱を用いた日本語には「騒乱罪」があります。騒乱罪とは、多数の者が集まって暴行または脅迫を行い、ある地域の秩序や平和を乱す罪のことです。刑法第106条が禁じ、首謀者は1年以上10年以下の懲役または禁錮に処せられます。
騒乱の対義語・反対語としては、落ち着いていて静かなことを意味する「沈静」などがあります。
騒乱の類語・類義語としては、争いが起こって世の中が乱れることを意味する「争乱」、物事が入り乱れて秩序をなくすことを意味する「混乱」、大勢の人々が騒ぎ立てることを意味する「騒動」などがあります。
動乱の例文
この言葉がよく使われる場面としては、世の中が変動し乱れること、また、戦争よるさわぎ、騒乱を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「社会的動乱」とは、暴動や戦争あるいは政治的不安定などにより、国家や社会の秩序が著しく乱れる激しい混乱状態のことです。
騒乱の例文
この言葉がよく使われる場面としては、事変が起こって世の中の秩序が乱れることを表現したい時などが挙げられます。
例文3にある騒乱罪と脅迫罪の違いは、騒乱罪は集団によって治安破壊を行う罪である一方、脅迫罪は個人に対する直接的な脅しの罪であることです。
動乱と騒乱という言葉は、どちらも「社会が乱れること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、大きな混乱を表現したい時は「動乱」を、一時的な騒ぎを表現したい時は「騒乱」を使うようにしましょう。