【一角】と【一画】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「いっかく」という読み方の「一角」と「一画」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一角」と「一画」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




一角と一画の違い

一角と一画の意味の違い

一角と一画の違いを分かりやすく言うと、一角とは場所の一部分を意味し、一画とは土地の一区切りを意味するという違いです。

一角と一画の使い方の違い

一つ目の一角を使ったを分かりやすい例としては、「ビルの一角にある喫茶店」「リビングの一角を書斎にする」「繁華街の一角にあるアトリエ」「三大ラーメン店の一角を成すお店」などがあります。

二つ目の一画を使った分かりやすい例としては、「住宅街の一画にある約40坪の平地」「月極駐車場の一画を契約した」「一画地の宅地評価」「開発エリアの一画に広場を計画する」などがあります。

一角と一画は同音の言葉なのですが異なる意味を持ちます。そのため上記の例の一角の部分を一画に置き換えることも、一画の部分を一角に置き換えることも出来ません。

「ビルの一角にある喫茶店」と「ビルの一画にある喫茶店」の違い

一角は場所の一部分を意味し、一画は土地の一区切りを意味します。上記の「ビルの一角にある喫茶店」とは、ビルの一部分に喫茶店があることを表します。これが「ビルの一画にある喫茶店」になると、ビルをいくつかのテナントなどに区切ったなかの一つに喫茶店があることを表します。

一角と一画の英語表記の違い

一角を英語にすると「corner」「tip」となり、例えば上記の「ビルの一角」を英語にすると「the corner of building」となります。一方、一画を英語にすると「block」「stroke」となり、例えば上記の「住宅街の一画」を英語にすると「one block of residential area」となります。

一角の意味

一角とは

一角とは、一つの隅や一部分を意味しています。

その他にも、1本のつのや、図形の一つの角の意味も持ちます。

表現方法は「店の一角」「部屋の一角」「街の一角」

「店の一角」「部屋の一角」「街の一角」などが、一角を使った一般的な表現方法です。

一角の使い方

「庭の一角で家庭菜園を愉しむ」「お店の一角で立ち飲みできる酒屋さん」「扉を開けると緑で覆われた一角が現れた」「タイ料理の草分け的存在の一角を成すお店」などの文中で使われている一角は、「一つの隅や一部分」の意味で使われています。

一方、「多角形の一角」「第一角法と第三角法を習った」「一角獣と貴婦人を描いたタペストリー」「中国で伝説の一角獣とは麒麟である」などの文中で使われている一角は、「1本のつの、図形の一つの角」の意味で使われています。

一角という言葉は上記の例のように複数の意味を持っており、日常生活やビジネスシーンで使われる言葉です。物事の「一部分」、動物の「1本のつの」、図形の「一つの角」など意味があり、文脈によって意味を捉える必要があります。

「氷山の一角」の意味

一角という言葉を用いた日本語には「氷山の一角」があり、海に浮かぶ氷山の見えている部分は氷山全体のほんの一部分であることから、「表面に現れたことは実はごく一部だけ」という意味の言葉です。好ましくないことの一部が表に出た時などに使われる表現です。

一角の類語

一角の類語・類義語としては、一部分を意味する「一端」、ほんの一部分を意味する「片端」(読み方:かたはし)、全体の中での役割などの一端を意味する「一翼」などがあります。

一角の角の字を使った別の言葉としては、口の両わきを意味する「口角」、いろいろの困難を排して事をするさまを意味する「折角」などがあります。

一画の意味

一画とは

一画とは、地面などの、いくつかに区切られたなかの一つを意味しています。

その他にも、漢字のひと筆で書くべき線の意味も持っています。

一画の使い方

「駐車場の一画が大型バス専用になっている」「分譲住宅地の一画を契約した」「閑静で緑豊かな住宅街の一画だった」「所有者ごとに一画地の認定をする」などの文中で使われている一画は、「土地などの一区切り」の意味で使われています。

一方、「乙(おつ)は一画の漢字である」「一点一画ていねいに書こう」「一画目が横棒なのは右ではなく左」などの文中で使われている一画は、「ひと筆で書くべき線」の意味で使われています。

一画という言葉は上記の例のように二つの意味を持っています。

一画は区画のひとつ

一つ目は、不動産業界で使われることが多い「土地などの一区切り」の意味です。土地などをいくつかの部分に区切ることを「区画」と言い、そのうちの一つを「一画」と言います。

四字熟語「一点一画」の意味

二つ目は、漢字の学習で使われることが多い「ひと筆で書くべき線」の意味です。この意味で用いられる四字熟語には「一点一画」があり、漢字の一つの点や一つの筆画を意味し、細かいところに気を配り、丁寧に文字を書くことを表します。

一画の類語

一画の類語・類義語としては、、一方のすみを意味する「一隅」(読み方:いちぐう)、中心から離れた所を意味する「片隅」一つの囲いの中の地域を意味する「一郭」などがあります。

一画の画の字を使った別の言葉としては、すべてを一様にそろえることを意味する「画一」、区別がはっきりとしているさまを意味する「画然」などがあります。

一角の例文

1.ラグジュアリーホテル四天王の一角である、憧れのホテルに泊まる。
2.公表されている新型コロナウイルス感染による死者数は、氷山の一角ではないかと言われている。
3.相次いで覚醒剤密輸入事件が摘発されたが、あんなものは氷山の一角に過ぎないだろう。
4. ユニコーンの姿をした一角獣座は、日本では冬の南の空に見える。
5.海の一角獣と呼ばれる「イッカク」は、頭部から突き出た牙が特徴の小型クジラである。
6.この公園の一角に最近コーヒースタンドができて、なかなかおいしいのとコーヒー片手に休憩しようという人で流行っているようだ。
7.企業の粉飾決算は、企業の抱える問題の氷山の一角に過ぎないだろうから、徹底的に捜査して欲しい。
8.友人の部屋の一角には、自分で育てたとみられる多肉植物がきれいに飾られている。
9.このビルの一角には、喫煙スペースが設置されていたが、いまではそれも撤去されてしまった。
10.この家電量販店の一角には、日本で唯一最新の海外の家電製品が集められている売り場がある。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の一部分や、1本のつのや図形の角を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3で使われている一角は、物事の一部分を意味します。例文1にある「四天王の一角」とは、「四天王を構成する一つ」を意味しています。例文4や例文5で使われている一角は、1本のつのを意味しており、「一角獣」とは一般にユニコーンなど伝説の動物を表します。

一画の例文

1.ビジネス街の一画にある小さな公園だが、いくつかの史跡やオブジェがある。
2.宅地の評価は、利用の単位となっている一画地の宅地ごとに評価するものだ。
3.国立公園の一画にあるオートキャンプ場では、豊かな自然を手軽に楽しめる。
4.「日」という漢字に、一画加えて新しい漢字をつくる宿題が出た。
5.一画の部首なんて無いだろうと思ったが、調べてみたら七つあった。
6.この商業施設の一画には、他の店舗とは見た目が異なる秘密の店舗がある。
7.この街の一画には、サブカルチャー好きが集まるアートギャラリーがあるそうだ。
8.友人が言うには、この川沿いの一画には、釣り好きの人たちが集まる秘密のポイントがあるのだそうだ。
9.毛筆では一画で書ける漢字の方が簡単に見えるが、実はそれが一番難しいのである。
10.一見古ぼけたビルの一画には、クリエイターたちが集うシェアオフィスがあるというので、少し覗いてみることにした。

この言葉がよく使われる場面としては、土地の一区画や、ひと筆で書くべき線を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3で使われている一画は、土地などをいくつかに区切ったなかの一つを意味します。例文3にある「一画地」とは、一個の単位とされる土地の範囲を表す不動産用語です。例文4や5で使われている一画は、漢字のひと筆で書くべき線を意味します。

一角と一画という言葉は、場所や土地の一部分という共通する意味を持つ同音の言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合には、ある場所の一部分を表現したい時は「一角」を、土地などをいくつかに区切ったなかの一つを表現したい時は「一画」を使うようにしましょう。

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