【極論】と【暴論】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「極論」(読み方:きょくろん)と「暴論」(読み方:ぼうろん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「極論」と「暴論」という言葉は、どちらも過激な論じ方を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




極論と暴論の違い

極論と暴論の意味の違い

極論と暴論の違いを分かりやすく言うと、極論とは論理的に正しく、暴論とは論理的に正しくないという違いです。

極論と暴論の使い方の違い

一つ目の極論を使った分かりやすい例としては、「当時の極論として排除論があった」「彼は極論を言ってばかりで疲れる」「極論だが、表現方法は無限にある」「極論すれば、寝ないで時間を作ればよい」などがあります。

二つ目の暴論を使った分かりやすい例としては、「大人しい彼女が暴論を吐くはずがない」「さすがに暴論すぎる話だろう」「その事件の犯人は宇宙人とは暴論だろう」「根拠薄弱な暴論は止めてください」などがあります。

極論と暴論という言葉は、どちらも論じ方を意味し、過激でマイナスなイメージがある言葉です。極論は極端な言い方や論じ方を意味しますが、その内容は論理的に正しいものです。一方の暴論は、道理が通らない乱暴な論じ方であり、論理的に正しくないものです。

上記の例の「犯人は宇宙人」とは、科学的に証明されてない宇宙人を犯人と決めるのは道理が通らない乱暴な話であり、暴論と言えます。極論と暴論という言葉は、どちらも過激な論じ方を表しますが、論理的に正しいか正しくないかが、二つの言葉の違いになります。

極論と暴論の英語表記の違い

極論を英語にすると「extreme logic」となり、例えば上記の「当時の極論として」を英語にすると「as extreme logic at the time」となります。一方、暴論を英語にすると「wild remark」となり、例えば上記の「暴論を吐く」を英語にすると「make a wild remark」となります。

極論の意味

極論とは

極論とは、極端な言い方や論じ方をすることを意味しています。

その他にも、徹底的に論じることの意味も持っています。

表現方法は「極論すぎる」「極論を言うと」「極論を言えば」

「極論すぎる」「極論を言うと」「極論を言えば」「極論を言う人」などが、極論を使った一般的な表現方法です。

極論の使い方

「彼女は何かと極論を言いがちだ」「極論を言えば、やる気があれば何でも出来る」「極論すれば、目に見えない部分は多少色ムラがあって良い」などの文中で使われている極論は、「極端な論じ方をすること」の意味で使われています。

一方、「私の発案は物事を極論するところから始まる」「夜を徹して極論を交わすつもりだ」「極論で語る睡眠医学という本が面白かった」などの文中で使われている極論は、「徹底的に論じること」の意味で使われています。

極論という言葉は、上記の例のように二つの意味を持っていますが、一般的に使われるのは、「極端な論じ方をすること」の意味です。普通の常識などから極めて離れている話をしたり、偏っている意見を主張したりすることを表します。

例えば、「朝起きれないなら、寝なければいい話だ」のように、論理にかなっているはいるが、現実的ではない実際には無理な話や論じ方を極論と言います。上記の例の、「極論を言えば」「極論すれば」などは、偏っている極論であることをわきまえて発言する際に、前置きする表現です。

極論の類語

極論の類語・類義語としては、極端な言い方をすることを意味する「極言」などがあります。

極論の極の字を使った別の言葉としては、力の限りを尽くすさまを意味する「極力」、普通の程度から大きく外れていることを意味する「極端」などがあります。

暴論の意味

暴論とは

暴論とは、乱暴な議論や意見を意味しています。

「暴論を吐く」の意味

暴論を発することを意味する言い回しには、「暴論を吐く」があります。「吐く」という言葉には、好ましくないことを口に出して言うことの意味があります。

表現方法は「暴論を言う」「暴論である」「暴論にみえる」

「暴論を吐く」に他にも「暴論を言う」「暴論である」「暴論にみえる」などが、暴論を使った一般的な言い回しです。

暴論の使い方

暴論を使った分かりやすい例としては、「暴論すぎるコメントは削除する」「争いの大義名分は暴論にしか聞こえない」「時間が解決するから安心してというのは暴論だ」「匿名のネット掲示板は暴論になりがちだ」などがあります。

その他にも、「部長が休みたいなら辞めろと暴論を吐いた」「暴論が多いタレントがワイドショーで引っ張りだこになっている」「一見、暴論にみえるが実は正論だったりする」などがあります。

暴論とは、道理にはずれた乱暴な議論や意見を意味します。道徳的な規範から外れていて、非常識だったり無茶苦茶な議論や意見を表します。上記の「休みたいなら辞めろ」とは、理不尽で無茶苦茶な暴論と言えます。

暴論の類語

暴論の類語・類義語としては、礼を失した乱暴な言葉を意味する「暴言」、道理を曲げて論じることを意味する「曲論」などがあります。

暴論の暴の字を使った別の言葉としては、乱暴な振る舞いを意味する「暴挙」、無法や乱暴な行いをすることを意味する「横暴」などがあります。

極論の例文

1.極論主義者の社長は、過激な発言が多いがカリスマ性を感じる。
2.極論だけど、日本では英語が使えなくても英語の成績を上げることはできる。
3.彼が言ったことは極論すぎるけど、納得するところもあった。
4.極論で考えると、その長所と短所がはっきりするので結論が出しやすくなる。
5.我が社は、会議でとことん極論で語りつくすことをモットーとしている。
6.彼のように極論を言う人には、もう少し客観的な視点で物事を見るように促す必要がある。
7.極論を言えば、やる気があれば何でも出来るのかもしれないが、私はそのような大雑把な議論をしたいわけではない。
8.会議では社員らが極論を交わした結果、プロジェクトはそのまま継続することに決まった。
9.議論する時は極論に走らず、中庸な意見を出すことで、議論が円滑に進むこともある。
10.極論とも言える彼の考え方は、社会の各方面で議論を巻き起こした。

この言葉がよく使われる場面としては、極端な論じ方をすることや、徹底的に論じることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4で使われている極論は、極端な言い方や論じ方を意味しています。例文1の「極論主義者」とは、一つの物事に対して極端な考えしか持たない人のことを表しています。例文5で使われている極論は、徹底的に論じることを意味しています。

暴論の例文

1.外交上の交渉事は、正論が通らずに暴論がまかり通るのが常だ。
2.そんな暴論を吐くならば、もう面倒はみてやらないよ。
3.授業数の不足は、家庭学習を増やすことで賄えるという暴論は許せない。
4.ハウツー本は暴論があったりして、現実的ではないから読まないことにしている。
5.布マスクで感染症は防げるという発言は、全くの暴論だと反感を買った。
6.ネットで暴論を吐く人々は、自分たちの言葉が社会に与える影響を真剣に考えるべきだ。
7.彼の意見はずいぶんな暴論であったが、筋は通っていて賛成するものも現れた。
8.彼は注目されようと暴論を吐きまくって、かえって周りから避けられる存在になってしまった。
9.彼はまだ若手社員であるが、実力は十分だし、過去の経験だけで判断するのは暴論だと言える。
10.メンバーの中には短絡的な暴論で問題を解決しようとする人がいるが、それでは本質的な解決には繋がらない。

この言葉がよく使われる場面としては、乱暴な議論や意見を表現したい時などが挙げられます。

例文1にあるように、暴論という言葉は、道理にかなった正しい意見や議論を意味する「正論」と対比して使われることがあります。例文5にある「全くの暴論」とは、まさに暴論であることを意味する、暴論を強調する表現です。

「極論」と「暴論」という言葉は、過激な論じ方を表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合は、極端な論じ方や徹底的に議論することを表現したい時は「極論」を、道理が通らない乱暴な議論や意見を表現したい時は「暴論」を使うようにしましょう。

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