似た意味を持つ「常識外れ」(読み方:じょうしきはずれ)と「非常識」(読み方:ひじょうしき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「常識外れ」と「非常識」という言葉は、どちらも一般的な考え方とはかけ離れているという意味を表す共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
常識外れと非常識の違い
常識外れと非常識の意味の違い
常識外れと非常識の違いを分かりやすく言うと、時としてプラスの意味で予想を超えているのか、マイナスの意味で予想を超えているのかの違いです。
常識外れと非常識の使い分け方
常識外れという言葉は、決して悪い意味でばかり使われる言葉ではありません。常識外れとは、一般の人の考える範囲を超えているという意味を持っている表現で、使われ方によっては、プラスの意味で使用される言葉です。
常識とは、一般の社会人が持っているべきとされている知識や意見、判断力などのことを指します。また、欧米などでは、人生の経験から身に付いた思慮分別のことを指すと言われています。
どちらにしても、その場の状況や空気を配慮した上で行動したり発言したりすることを「常識的である」と言うことが出来ます。
常識外れとは、一般的とされている知識や行動の外側にあるという状態を意味しています。常識外れな人とは、一般的に普通とされている範囲の外側に常識を持っている人のことを指し、その思考が普通の人の考える範囲を超えているということも意味します。
つまり、常識外れという言葉は、予想を超えている、普通の人が考える範囲を超えているという状態を意味していて、決してマイナスの意味だけを持つ言葉ではありません。一般的とされる考えを超えたところに、新たな発見や進歩があることが多いからです。
「あの人は常識外れよね」というような表現をする場合、それはその人を非難する言葉ではなく、その人が一般的な想像を超えているような、特別な存在であることを意味している場合もあるということです。
一方、非常識という言葉は、悪い意味で使われる言葉です。非常識という言葉の先頭についている「非」という文字は、打消しの意味を持つ言葉です。つまり、非常識とは常識を否定しているという意味を持つということになります。
非常識とは、一般の社会人が持っているとされる知識や判断力が欠けている、普通とされる感性を持っていないということを示す言葉で、マイナスの意味を持っています。
常識外れというのが、一般の人の常識の外側に自分の常識を持っているのに対して、非常識というのは、そもそも常識を持っていない人のことを示します。
常識外れというのは、時として一般を外れた新しい視点として必要となる場合もありますが、非常識であることは、社会人としてあってはならないことです。
しかし、世間一般の持つ常識というものは、人によって少しずつズレのあるものであり、「これが常識である」とはっきり断言することが出来ないものです。常識外れ、非常識という言葉を使う際には、常識とはなんなのかを考える必要があります。
プラスの意味で使われることが多い「常識外れ」という言葉も、度が過ぎれば「的外れ」になってしまうこともあり、場合によってはマイナスの印象を抱かせるものです。
これらの言葉を使う際には、常識的な行動とはどういったものであるのか、自分の考える常識と他者の考える常識に大きなズレはないか、注意深く考える必要があります。
常識外れと非常識の英語表記の違い
常識外れを英語にすると「out of common sense」となり、例えば「私の父は常識外れ」を英語にすると「My father is out of common sense」となります。
一方、非常識を英語にすると「Insane」「lack of common sense」となり、例えば「私の父は非常識」を英語にすると「My father is insane」となります。
常識外れの意味
常識外れとは
常識外れとは、一般の人の持つ正しい考えの外側に自分の考えを持っていることを意味しています。
表現方法は「常識外れな人」「常識外れのキャンペーン」
「常識外れな人」「常識外れのキャンペーン」などが、常識外れを使った一般的な表現方法です。
常識外れの使い方
常識外れを使った分かりやすい例としては、「常識外れが革命を起こして今の日本がある」「この会社は常識外れの経営手法で10年連続増収増益」「明日このスーパーで常識外れのセールをやるらしい」「常識外れのキャンペーンをやります」などがあります。
常識外れとは、常識を持っていないわけではなく、持っている常識が一般の人とは違うところにあることを意味しています。それは時としてはマイナスではなくプラスの意味合いを持つこともあります。
例えば、新しい視点を持っていたり、普通では考えつかないようなことをしたりする人のことを「常識外れ」と表現することがあります。
これは、予想外である、想定外である、意外性があり、独創的であるという言葉と言い換えることが出来るような場合です。このように元々ある枠組みから外れた新しい視点で物事を考えられた時に、常識外れという言葉を使うと考えることが出来ます。
もちろん、常識外れが過ぎれば、それはあまりにも一般的な思考から離れていると判断されて、非常識であると思われてしまう可能性もあります。
プラスの意味でばかり使われる言葉ではないので、前後の文脈や場の空気などでその言葉の良し悪しは判断するようにしましょう。
常識外れの類語
常識外れの類語・類義語としては、常識外の言動をすることを意味する「常識破り」、常識的な型にハマらないことを意味する「型破り」、際立って優れた様子を意味する「異彩」、他の人と違うことを意味する「異色」、前代未聞の言動をすることを意味する「破天荒」などがあります。
常識外れの「外」という字を使った言葉には、心待ちにしていたような結果にならないことを意味する「期待外れ」、価値や規模などが他からかけ離れていることを意味する「桁外れ」などがあります。
非常識の意味
非常識とは
非常識とは、一般的に備わっているべきであるとされている知識や行動が備わっていないことを意味しています。
表現方法は「非常識極まりない」「非常識な人」
「非常識極まりない」「非常識な人」などが、非常識を使った一般的な表現方法です。
非常識の使い方
非常識を使った分かりやすい例としては、「この店員は非常識極まりない」「外国人には非常識に思われてしまう日本の文化がある」「昔非常識と言われたものが今は常識となっている」「子供を1人で遊ばせるなんて非常識な親だ」などがあります。
常識外れという言葉が、ある種の常識を備えているのに対し、非常識というのは、常識そのものを兼ね備えていない状態のことを意味しています。マイナスの意味で使われることがほとんどで、相手を非難する意味が含まれています。
非常識という言葉は、社会性がないという言葉で言い換えることもでき、社会人が世間一般的に持っているとされている当たり前の知識がない状態のことを示しています。
非常識とは、小さな子供などに対して使われるような言葉ではなく、社会人としての知識を兼ね備えているべき年齢を超えた大人に対して使われる言葉です。
成長をする上で、当然備わっているだろうと予測される範囲の知識さえ持ち合わせていないという意味で非常識という言葉を使います。
ただし、常識というのは、人によって少しずつズレのあるものです。自分にとって常識だと思っていることも、他者の視点から見れば常識とは言えないという場合もあります。
非常識という言葉は、相手を避難する意味を含んだ言葉です。この言葉を使う際には、自分の常識と相手の常識にズレがないかなどを考えて、十分に注意をして使用するようにしましょう。
非常識の類語
非常識の類語・類義語としては、とんでもないことをすることを意味する「目茶苦茶」、道理に合わないことを意味する「理不尽」、面白い人の様を意味する「滑稽」、言動に根拠がないことを意味する「荒唐無稽」、世の中の常識に疎いことを意味する「世間知らず」などがあります。
常識外れの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ビジネスシーンなどで、新たな視点を持った考え方を提示した時などが挙げられます。芸術作品などに携わる人にも使われる言葉で、例文2のように使用されることが多いです。
常識外れとは、予想外や想定外などの言葉と近い意味を持っていて、驚きの気持ちを含んでいます。
しかし、常識外れも度が過ぎればマイナスの意味を持つ言葉になるので注意が必要です。「常識外れである」と言われた際には、その前後の文脈や場の空気などを考えて、それがマイナスの意味であるか、プラスの意味であるのかを考えるようにしましょう。
非常識の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の行動を非難するような時が挙げられます。例文1のようにその場に合っていない格好や行動をしている人に対して使われることが多くあります。
非常識とは、常識そのものが備わっていない人に対して使われる言葉で、マイナスの意味を持っています。非常識であると言われた場合には、自分自身の行動や言動について、一度考え直す必要があるでしょう。
しかし、常識というのは曖昧な言葉であり、具体性はありません。人によって常識の範囲は違いますし、常識とする事柄も違ってきます。
他者の常識と自分の持っている常識が全く同じものであるとは言い切れないので、その場その場に合った行動や言動をすることによって、非常識な人だと思われないように意識をすることが大切です。