似た意味を持つ「今しがた」(読み方:いましがた)と「先ほど」(読み方:さきほど)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「今しがた」と「先ほど」という言葉は、どちらも少し前のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
今しがたと先ほどの違い
今しがたと先ほどの意味の違い
今しがたと先ほどの違いを分かりやすく言うと、どちらの言葉も少し前のこと意味していますが、今しがたの方が先ほどよりも現在に近い過去という違いです。
今しがたと先ほどの使い方の違い
一つ目の今しがたを使った分かりやすい例としては、「ご注文の品を今しがた発送いたしました」「今しがた社長がお戻りになられました」「今しがたメーカー様の方からご連絡がありました」「彼は今しがた会社を出ました」などがあります。
二つ目の先ほどを使った分かりやすい例としては、「先ほどはお電話にてありがとうございました」「社長なら先ほどお帰りになられましたよ」「先ほど電話をいたしました〇〇と申します」「先ほどからお客様がお待ちです」などがあります。
今しがたも先ほども少し前という共通する意味を持っているのですが、今しがたの方が先ほどよりも現在に近い過去と覚えておけば間違いないでしょう。また、先ほどの方が広い範囲で使える言葉になります。
「彼は今しがた会社を出ました」の意味
上記の例を参考にすると、「彼は今しがた会社を出ました」は、彼がついっさき会社を出たことを表しており、とても近い過去を指しています。
「彼は先ほど会社を出ました」の意味
もう一方の先ほどを使い、「彼は先ほど会社を出ました」とすると、彼が少し前に会社を出たことを表しており、今しがたよりも遠い過去を指しています。
今しがたと先ほどの期間の違い
どちらの言葉も明確な期間が決まっていないのですが、今しがたか先ほどという言葉の違いで、直前か少し前かは予想することが可能です。
また、明確な期間は決まっていないものの、数時間前なら先ほどを使うのが自然です。例えば、3時間前に会議を行なった取引き先にお礼のメールを送る場合、「今しがたありがとうございました」と送るのは不自然です。「先ほどはありがとうございました」とするのが自然でしょう。
今しがたと先ほどの英語表記の違い
今しがたを英語にすると「just now」となり、例えば上記の「彼は今しがた会社を出ました」を英語にすると「He just now left the company」となります。
一方、先ほどを英語にすると「earlier」「a while ago」となり、例えば上記の「先ほどはお電話にてありがとうございました」を英語にすると「Thank you for the phone call earlier」となります。
今しがたの意味
今しがたとは
今しがたとは、ついさっきのことを意味しています。
表現方法は「つい今しがた」「今しがたお待ちください」
「つい今しがた」「今しがたお待ちください」などが、今しがたを使った一般的な表現方法です。
今しがたの使い方
今しがたを使った分かりやすい例としては、「今しがた参考資料を拝見いたしました」「社長は今しがたお帰りになられました」「今しがたお伝えした通り明日はお休みになります」「今しがた不具合があったとお客様から連絡がありました」などがあります。
今しがたはついさっきのことを意味しているので、今よりもすぐ前を表す場合に使う言葉です。また、ビジネスシーンによく使われています。今しがた自体は敬語ではいのですが、敬語と一緒に使われることが多いのも特徴です。
今しがたは大和言葉
今しがたは大和言葉になります。大和言葉とは、漢語でも外来語でもない、日本で生まれ日本で育った言葉のことです。大和言葉は美しい日本語と言われ、上品なイメージを持つ言葉になります。
他の有名な大和言葉としては、記憶に残っていて心の中に浮かぶことを意味する「面影」、目上の人からの援助や協力を意味する「お力添え」、感謝の気持ちを表すことを意味する「恐れ入ります」、センスがあることや上手なことを意味する「筋がいい」などがあります。
今しがたの類語
今しがたの類語・類義語としては、時間的に少し前であることを意味する「さっき」、さっきのことを意味する「先刻」、今よりも前のことを意味する「先に」などがあります。
今しがたの今の字を使った別の言葉としては、もっと早ければということ意味する「今更」、だいたい今と同じ時期や時刻のことを意味する「今頃」、たった今までを意味する「今の今まで」、今日の朝のことを意味する「今朝」などがあります。
先ほどの意味
先ほどとは
先ほどとは、少し前のことを意味しています。
表現方法は「先ほどはお電話にて失礼いたしました」「先ほどはありがとうございました」
「先ほどはお電話にて失礼いたしました」「先ほどはありがとうございました」「先ほど受け取りました」「先程お電話させていただきましたが」などが、先ほどを使った一般的な言い回しです。
先ほどの使い方
先ほどを使った分かりやすい例としては、「先ほどのメールに一部誤りがございましたので再送いたします」「先ほどはお電話にてありがとうございました」「先ほどお渡しした金額が私達の精一杯です」「先ほどお伝えした通り明日はお休みになります」などがあります。
先ほどは少し前のことを意味しています。そのため、数時間を表す場合に使うことが多いです。また、日常生活とビジネスシーンの両方で使える言葉になります。
「つい先ほど」の意味
先ほどに「つい」を付けた「つい先ほど」という言葉があります。つい先ほどは、先ほどよりもさらに近い過去のことを意味し、今しがたに近い意味合いで使う言葉です。
先ほどの類語
先ほどの類語・類義語としては、さっきまでのことを意味する「最前」、現在より少し前のある時のことを意味する「最近」、現時点から最も近いとこを意味する「直近」などがあります。
先ほどの先の字を使った別の言葉としては、値上がりを見込んで、他人より先に買うことを意味する「先買い」、ちょっと前の時を意味する「先方」、時期がきてないのに先に使うことを意味する「先食い」、今日から少し前の頃を意味する「先頃」などがあります。
今しがたの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ついさっきを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4のように、ビジネスシーンでよく使われています。よく使われる理由としては、相手に良い印象を与えることができる大和言葉だからです。
先ほどの例文
この言葉がよく使われる場面としては、少し前のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、少し前というとても幅広い範囲で使える言葉です。そのため、日常生活とビジネスシーンの両方で使われています。
今しがたと先ほどどちらを使うか迷った場合は、どちらも少し前という同じ意味を持つ言葉ですが、今しがたの方が先ほどよりも現在に近い過去を指すと覚えておきましょう。