【齟齬】と【誤解】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「齟齬」(読み方:そご)と「誤解」(読み方:ごかい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「齟齬」と「誤解」という言葉は、どちらも食い違ってしまうことを意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




齟齬と誤解の違い

齟齬と誤解の意味の違い

齟齬と誤解の違いを分かりやすく言うと、物事がうまく噛み合わないことか、間違った理解をしてしまうことかの違いです。

齟齬と誤解の使い分け方

齟齬というのは、物事がうまく噛み合わないことや、食い違うことを意味しています。齟齬が起こる原因としては、元々の考え方が違っていることによって起こることがほとんどです。

勘違いなどではなく、最初から考え方が異なってしまっているために起こる食い違いのことを齟齬と言います。齟齬は、言動だけでなく行動から起こることもあり、言葉が原因であるとは限らないものです。

齟齬とは、元の考え方が違う状態を示しているので、元を正しても和解出来るとは限りません。齟齬を解消することは難しく、齟齬を正すには、相手の考え方、または自分の考え方そのものを変えなくてはいけないことになります。

一方の誤解というのは、ある事実について間違った理解や解釈をすること、されることを意味しています。また、相手の言葉や行動の意味を取り違えることも誤解と表現します。

誤解とは勘違いであり、元を正してきちんと相手に伝えなおすことで和解をすることが出来るものです。誤解は根本を正せば解くことが出来るものであると覚えておくようにしましょう。

齟齬は考え方そのものの食い違いであり、誤解は思い違いや勘違いによるすれ違いです。相手との関係修復が難しいのが齟齬であり、きちんと話し合うことで理解し合うことが可能であるのが誤解です。

齟齬の意味

齟齬とは

齟齬とは、物事がうまく噛み合わないことを意味しています。これは元々の考え方の違いから、物事がうまく回らない、行き違いや食い違いが起こっている状態を意味しています。

表現方法は「齟齬が生じる」「齟齬がない」「齟齬がある」

「齟齬が生じる」「齟齬がない」「齟齬がある」などが、齟齬を使った一般的な表現方法です。

齟齬の使い方

齟齬の分かりやすい例としては、「上司との認識に齟齬が生じる」「後で齟齬をきたすことがないようにしないと」「齟齬を埋める努力をするのがコミュニケーションだ」「説明事項に齟齬がありトラブルに発展した」「テレワークは齟齬が生じやすくなるから注意」などがあります。

齟齬というのは、根本の考え方の違いが原因となって、物事が意図した通りに進まないことを意味しています。それぞれの考え方自体が違っているので、齟齬を修復するのは難しいことです。

根本的な考え方が違っているため、どちらかが考え方を変えたり、曲げたりしない限りは食い違いを修正することは出来ません。両者が正しいと思っていることが異なる場合に齟齬が生じるのだと覚えておくようにしましょう。

考え方だけでなく、例えば仕事における報告と現状の差などにも齟齬が生じる場合があります。

この場合の齟齬とは「報告された内容」と「現状」の食い違いなどのことを指しています。こういった、仕事の間で起こる食い違いなども、解消するのは難しいものです。

齟齬の類語

齟齬と同じような意味を持つ言葉としては、物事や意見などがうまく一致しないという意味の「食い違い」、車輪がきしるという語源から、仲が悪くなることを意味する「軋轢」などがあります。

齟齬の「齟」という字は、かみ砕く、噛み合わないという意味があります。齟齬の「齬」という字も、同じように食い違うという意味を持っています。どちらも常用漢字ではなく、齟齬という熟語以外にはあまり使われることのない漢字です。

誤解の意味

誤解とは

誤解とは、ある事柄について間違った理解をされることを意味しています。誤解とは、相手に意味を取り違えられてしまうことを意味していて、しっかりと説明をすることで解消されることが多いものです。

表現方法は「誤解を受ける」「誤解を招く」「誤解を与える」

「誤解を受ける」「誤解を招く」「誤解を与える」「誤解する」などが、誤解を使った一般的な表現方法です。

誤解の使い方

誤解の分かりやすい例としては、「誤解を招く行動に注意してください」「二股と勘違いしている彼女の誤解を解く」「誤解を与える広告表示を禁止してほしい」「あらぬ誤解を受けることは何度もある」「日本語は難解すぎて外国人が誤解しやすい」などがあります。

誤解というのは、相手と自分が同じ意見を持っていたにも関わらず、伝え方を間違えてしまったために意味を取り違えられてしまった場合などに使います。伝わり方の問題であり、根本の考え方の相違ではないので、解消しやすいのが「誤解」です。

誤解というのは、単なる思い違いですので、正しく意図を伝えることで、理解し納得し合うことが出来るものです。事実とは違った認識で捉えられてしまった場合に「誤解」という言葉を使うようにします。

誤解の類語

誤解の類語・類義語としては、区別しなければならないものを一緒に考えることを意味する「混同」、思い違いをすることを意味する「誤想」、間違って思い込むことを意味する「勘違い」などがあります。

誤解の「誤」という字を含む単語としては、真の値と測定値または近似値との差を意味する「誤差」、報道されたことが事実と違っていることを意味する「誤報」、正しくない文字のことを意味する「誤字」などがあります。

誤解の「解」という字を含む単語としては、物事に対する考え方や価値判断を意味する「見解」、言葉や文章の意味を解きほぐして明らかにすることを意味する「解釈」、言い訳をすることを意味する「弁解」などがあります。

齟齬の例文

1.報告書の内容と現場の状態に齟齬をきたしている。
2.両者の考え方が違いすぎて、齟齬が生じる。
3.計画が齟齬して、上手く運ばない。
4.認識に齟齬があったことが、だんだんとわかってきた。
5.県の意見と市の意見に齟齬があるため、政策が進まないでいる。
6.今のお話で一通り理解はしたつもりですが、後で齟齬が生じないよう文書でもいただけますか。メールで構いませんので。
7.商品開発をする上では、市場が求めているニーズと製造元の考え方との両者の間では齟齬は当然生じうるだろう。
8.齟齬を埋める努力をするのがコミュニケーションだが、コミュニケーションが万能ではないことも知るべきだ。
9.両国間交渉においては、条約の解釈の若干の齟齬も見られることがあるが、あえてそれを互いに容認するのが外交というものだ。
10.その夫婦はお互いの価値観の違いについての違和感を避け続けることで、家庭生活の齟齬が深刻化し、修復は困難となった。

この言葉がよく使われる場面としては、相手と自分の意見が根本的に違っている場合に起こってしまった食い違いについて表現する時などが挙げられます。

齟齬がある場合というのは、相手と自分の考え方や物事の捉え方が根本的に違っていることを意味しています。両者とも、自分の考え方が正しいと思っている場合が多いので、齟齬は解消するのが難しいものです。

齟齬という言葉は、例文1や2のように「きたす」や「生じる」という言葉とセットで使われることの多い言葉です。「きたす」というのは漢字で表記するところの「来たす」であり、「生じる」と同じ意味を持つ言葉です。

誤解の例文

1.話し合いを重ねて誤解を解く。
2.思わぬ誤解を受けて、慌てて訂正した。
3.誤解を生むような発言は控えた方が良い。
4.誤解は誤った認識なので、正しい意図を伝えることで解消されることが多い。
5.人から誤解をされるような行動は慎んだほうが良いよ。
6.私は怖そうとか、意外と面白い人なんですねと言われることがあるが、見た目の印象で誤解されているのだろうか。
7.SNSはもはや誤解を生む装置に成り下がっているので、むやみやたらに情報を拡散することは慎むべきだ。
8.海外では日本と違い何が起こるかわからないので、くれぐれも誤解を招く行動はおやめください。
9.同僚のやっていることは正しいと思うが、誤解されやすい言い方をするので、無駄に敵を作りやすいのだ。
10.私が二股をしているのではないかという誤解を解くために、わざわざ職場の先輩を同席させました。

この言葉がよく使われる場面としては、ある物事について間違った理解や解釈を与えてしまったことを表現する時などが挙げられます。

誤解の多くは、伝え方や伝わり方が悪かったために起こるものであり、詳しく説明をすることにより、納得しあうことや理解をしあうことが出来るものです。齟齬が解消しにくいものであるのに対し、誤解は解きやすいものであると覚えておきましょう。

誤解というのは、言動に限らず、例文5のように行動から誤解されることもあります。その人の内面ではなく、表面的な情報から理解をしようとすると、誤解は生じやすくなるものです。

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