【エタノール】と【メタノール】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「エタノール」と「メタノール」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「エタノール」と「メタノール」という言葉は、「無色のアルコールの一種」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




エタノールとメタノールの違い

エタノールとメタノールの違いを分かりやすく言うと、エタノールは毒性の無いアルコールを表現する時に使い、メタノールは毒性の強いアルコールを表現する時に使うという違いです。

一つ目のエタノールを使った分かりやすい例としては、「どうしてエタノール中毒を起こすほど大量摂取することになったのだろうか」「エタノールの沸点は80℃近くであるため、水よりも低い」「消毒用エタノールは家に必ず置いてある」などがあります。

二つ目のメタノールを使った分かりやすい例としては、「メタノール燃料電池は小型化や軽量化が可能な燃料だ」「メタノールを含む製品にあまり害はなくともメタノールそのものは劇物に指定されている」などがあります。

エタノールとメタノールはどちらも、無色のアルコールの一種ですが、性質や使用用途が大きく異なります。

エタノールは、特有の香りと味のある無色の液体です。主に手指などの消毒、器具の消毒や除菌などに用いられています。消毒用以外のアルコールにも使われており、酒に含まれているアルコールも同じエタノールです。

一方のメタノールは、刺激臭のある揮発性の液体です。主に接着剤、塗料、合成樹脂や合成繊維、医薬原料など様々な使用用途があり、燃料にも用いられています。吸入した場合、皮膚に付着した場合、誤飲した場合も全て有害とされており、処置が必要とされています。

つまり、エタノールは無害であるアルコールであり、メタノールは有害となるアルコールであるという違いがあります。ただし、エタノールも大量に摂取した場合や、消毒用エタノールを飲む場合には害となるため注意が必要です。

エタノールを英語にすると「ethanol」となり、例えば上記の「エタノール中毒」を英語にすると「ethanol addiction」となります。

一方、メタノールを英語にすると「methanol」となり、例えば上記の「メタノール燃料電池」を英語にすると「methanol fuel cell」となります。

エタノールの意味

エタノールとは、特有の香りと味のある無色の液体を意味しています。

エタノールを使った分かりやすい例としては、「誤飲したメタノールを打ち消すためにエタノールを摂取する方法があるそうだ」「傷口が汚れている場合には消毒用エタノールで軽く拭くのが良いと言われた」などがあります。

その他にも、「酒で消毒する言っていた大人がいたがエタノールが含まれているためあながち間違いではないのかもしれない」「消毒用エタノールを飲料用とすることはできない」「エタノールも摂取し過ぎれば害となる」などがあります。

エタノールは英語で「ethanol」と表記され、「揮発性や可燃性のある有毒な液体アルコール」「エチルアルコール」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、「酒精」と呼ばれることもあります。

日本では、濃度95%前後のエタノール、99.5%の無水エタノール、76.9~81.4%の消毒用エタノールの三つに分けて販売されており、用途としては飲料用、医薬品、工業用、燃料用などが挙げられます。

酒類に含まれているアルコールが飲料用のエタノールに該当しますが、燃料や工業用などのエタノールを飲む行為は非常に危険とされており、劇物とされるメタノールを含む製品もあります。

エタノールの類語・類義語としては、生薬をアルコールにつけて溶かし出したものを意味する「チンキ剤」、殺菌消毒薬である「オキシドール」などがあります。

メタノールの意味

メタノールとは、刺激臭のある揮発性の液体を意味しています。

メタノールを使った分かりやすい例としては、「メタノール燃料電池は環境負荷が低く、災害時の非常用電源として期待されている」「メタノールの用途は接着剤や農薬、合成樹脂など様々なようだ」などがあります。

その他にも、「メタノールは失明してしまうから目散ると表現されることもある」「メタノールに引火した際吸い込まないよう注意が必要だ」「工業用メタノールはシリコンの製造などにも使われている」などがあります。

メタノールは英語で「methanol」と表記され、「揮発性や可燃性のある有毒な液体アルコール」「メチルアルコール」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、「木精」と呼ばれることもあります。

体内に取り込んだ際、徐々に分解され、ホルムアルデヒド、そして蟻酸となります。この蟻酸が人体にとって有害であり、めまい、腹痛、吐き気、意識障害などの症状となって表れ、最悪の場合死に至ることもあります。

また、誤飲してしまった場合は失明してしまうことから、メタノールの別名である「メチルアルコール」をもじって、「目散るアルコール」「目散る」と呼ばれることもあり、メタノールを薄めた酒は「命散酒」と呼ばれていました。

メタノールの類語・類義語としては、エタノールに毒性が強い添加物を混ぜたものを指す「変性アルコール」などがあります。

エタノールの例文

1.バイオマスエタノールは2005年頃から注目され始め、化石燃料をバイオマスエタノールで代替することで二酸化炭素の排出の削減につながる。
2.エタノール中毒は、発汗や口渇、嘔吐や急性胃炎など様々な中毒症状を発症する可能性がある。
3.エタノールと無水エタノールを精製水で希釈したものが消毒用エタノールとなるため、濃度は低くなっている。
4.無水エタノールは虫よけスプレーを作ったり、拭き取り掃除をする時によく使っている。
5.エタノールでの消毒は今はあまりせず、水で傷口を少し洗って絆創膏貼るなどで済ませることが多い。

この言葉がよく使われる場面としては、特有の香りと味のある無色の液体を意味する時などが挙げられます。

例文1の「バイオマスエタノール」とは、サトウキビ、トウモロコシ、木材などのバイオマスを発酵させて造るエタノールを指す言葉で、「バイオエタノール」とも呼ばれています。主に自動車などの燃料に用いられています。

メタノールの例文

1.万一メタノールを体内に取り込んでしまうと、目の神経が攻撃されるため元には戻らないそうだ。
2.メタノールの原体は劇物に指定されているが、メタノールを含む製剤は劇物に該当しないらしい。
3.アルコールなためメタノールにも引火性があり、中毒症状を引き起こすこともあるため、取り扱いには注意を払わなければならない。
4.メタノールが皮膚に付着した場合、大量の流水やシャワーで洗い流す必要がある。
5.メタノールの有毒性は、「目散るアルコール」「目散る」という別名からも伺える。

この言葉がよく使われる場面としては、刺激臭のある揮発性の液体を意味する時などが挙げられます。

例文5のように、メタノールの別称である「メチルアルコール」をもじって、「目散るアルコール」「目散る」などの表現をすることもあります。

エタノールとメタノールは、どちらも「無色のアルコールの一種」を表します。どちらを使うか迷った場合は、毒性の無いアルコールを表す場合は「エタノール」を、毒性の強いアルコールを表す場合は「メタノール」を使うと覚えておけば間違いありません。

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