似た意味を持つ「くれぐれも」と「どうか」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「くれぐれも」と「どうか」という言葉は、どちらもお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「くれぐれも」と「どうか」の違い
「くれぐれも」と「どうか」の意味の違い
「くれぐれも」と「どうか」の違いを分かりやすく言うと、「くれぐれも」と「どうか」どちらもお願いすることを意味しているのですが、困難なお願いをする場合は「どうか」を使うというのが違いです。
「くれぐれも」と「どうか」の使い方の違い
一つ目の「くれぐれも」を使った分かりやすい例としては、「強風や雷を伴う恐れがあるのでくれぐれもご注意ください」「猛暑が続いていますでくれぐれもご自愛ください」「くれぐれもお母様によろしくお伝えください」などがあります。
二つ目の「どうか」を使った分かりやすい例としては、「戸締りをきちんとしたかどうか自信がない」「上司に逆らうなんてどうかしてるんじゃないか」「できるかどうかはともかく挑戦することに意味がある」「明日晴れるかどうか分からない」などがあります。
「くれぐれも」と「どうか」は懇願することや忠告することなど、非常に似た意味を持つ類語になります。大きな違いとしては、「くれぐれも」よりも「どうか」の方が懇願する意味が強く、困難なお願いをする場合は「どうか」を使うことです。
また、物事が普通とは異なる状態を表す場合には「どうか」を使うのも違いになります。
「くれぐれも」と「どうか」の英語表記の違い
「くれぐれも」を英語にすると「please」「be sure to」「make sure」となり、例えば上記の「くれぐれもご自愛ください」を英語にすると「Please take good care of yourself」となります。
一方、「どうか」を英語にすると「please」「if」「whether」「somehow」となり、例えば上記の「明日晴れるかどうか分からない」を英語にすると「I don’t know whether it will be fine tomorrow」となります。
「くれぐれも」の意味
「くれぐれも」とは
「くれぐれも」とは、何度も心を込めて懇願したり忠告することを意味しています。その他にも、何度考えてもという意味も持っています。
「くれぐれも」の使い方
「くれぐれも」を使った分かりやすい例としては、「真夏並みの暑さが予想されるのでくれぐれも熱中症にはご注意ください」「体調にはくれぐれもお気をつけください」「この件についてはくれぐれも内密にお願いします」などがあります。
その他にも、「くれぐれも安全な運転を心掛けてください」「新型ウイルスが感染拡大しているのでくれぐれもご自愛ください」「くれぐれも飲み過ぎないようにお願いします」「くれぐれも無理なさらないようにお気をつけください」などがあります。
「くれぐれも」は、複数の意味を持つ言葉ですが、一般的には、何度も心を込めて懇願したり忠告することの意味で使います。
「くれぐれも」の語源
「くれぐれも」は何度も繰り返すことを意味する「繰り繰り」が語源になります。「繰り繰り」という言葉が「くれぐれ」に変化し、現代では「くれぐれも」という表現で使われるようになりました。
「くれぐれも」の漢字表記
「くれぐれも」を漢字にすると、「呉呉も」となります。「呉呉」という漢字はただの当て字であるため、一般的に使う場合は、「くれぐれも」とひらがなで表記するのがいいでしょう。
「くれぐれも無理のないように」「くれぐれもお大事に」の意味
「くれぐれも無理のないように」「くれぐれもお大事に」「くれぐれもご注意ください」「くれぐれもお気をつけください」は、注意を促す意味で「くれぐれも」を表現したい時によく使います。
「くれぐれもよろしくお願いします」「くれぐれもお伝えください」の意味
また、「くれぐれもよろしくお願いします」「くれぐれもお伝えください」は、懇願する意味で「くれぐれも」を表現したい時によく使われています。
「くれぐれもご自愛ください」の意味
その他にも、相手の体調を労る場合は、「くれぐれもご自愛ください」という表現を使うのが一般的です。
「くれぐれも」の類語
「くれぐれも」の類語・類義語としては、心を込めて願うことを意味する「是非」、あれこれ工夫や努力をすることを意味する「何とか」、心を込めて強く願うことを意味する「是非とも」、軽く依頼する時に用いる言葉を意味する「一つ」などがあります。
「くれぐれも」を漢字にした、「呉呉も」の呉の字を使った別の言葉としては、人が自分または自分の側の者にものを与えることを意味する「呉れる」、物を与えて遠くへ遣ること意味する「呉れて遣る」などがあります。
「どうか」の意味
「どうか」とは
「どうか」とは、心から強くお願いすることを意味しています。その他にも、ある問題の解決を望む気持ちを表すこと、物事が普通とは異なる状態のこと、判断に自信がなく迷っている気持ちを表すことという意味も持っています。
表現方法は「どうかよろしくお願いいたします」「どうかお大事になさってください」
「どうかよろしくお願いいたします」「どうかお大事になさってください」「どうか今後とも変わらぬお引き立てを」などが、どうかを使った一般的な言い回しです。
「どうか」の使い方
「今回の件は頼むからどうか見逃してくれ」「最悪何が起きても自分でどうかする」などの文中で使われている「どうか」は、「心から強くお願いすることやある問題の解決を望む気持ちを表すこと」の意味で使われています。
一方、「家の鍵を閉めたかどうか自信がない」「専務に刃向かうなんて今日の君はどうかしてるんじゃないか」などの文中で使われている「どうか」は、「物事が普通とは異なる状態のことや、判断に自信がなく迷っている気持ちを表すこと」の意味で使われています。
「どうか」を複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でもよく使われています。その中でも特に使われているのが、心から強くお願いすることの意味なります。心から強くお願いしているので、とても困難なことであるが、それを承知でお願いする場合によく使います。
また、「どうか」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使える言葉です。
「どうか」の類語
「どうか」の類語・類義語としては、丁寧に頼んだり心から願ったりすることを意味する「どうぞ」、相手に強く願う気持ちを表すことを意味する「何卒」(読み方:なにとぞ)、願うことや望むことを意味する「願わくは」などがあります。
「くれぐれも」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何度も心を込めて懇願したり忠告することを表現したい時などが挙げられます。
例文1は忠告するニュアンスで使っており、例文2は体調を労るニュアンスで使っています。また、例文3は懇願の意味のニュアンスで使っています。
「どうか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、心から強くお願いすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある問題の解決を望む気持ちを表すこと、物事が普通とは異なる状態のこと、判断に自信がなく迷っている気持ちを表すことを表現したい時にも使います。
例文1は心から強くお願いすることの意味で使っており、例文2はある問題の解決を望む気持ちを表すことの意味で使っています。また、例文3は物事が普通とは異なる状態のことの意味で使っており、例文4は断に自信がなく迷っている気持ちを表すことの意味で使っています。
「くれぐれも」と「どうか」は、お願いするという非常に似た意味で使う言葉ですが、より困難なお願いをする場合に「どうか」を使うと覚えておけば問題ないでしょう。