似た日本語の「元も子もない」(読み方:もともこもない)と「身も蓋もない」(読み方:みもふたもない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「元も子もない」と「身も蓋もない」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「元も子もない」と「身も蓋もない」の違い
「元も子もない」と「身も蓋もない」の意味の違い
「元も子もない」と「身も蓋もない」の違いを分かりやすく言うと、「元も子もない」とは欲張って全てを失うこと、「身も蓋もない」とは言葉が露骨すぎて含みがないことという違いです。
「元も子もない」と「身も蓋もない」の使い方の違い
一つ目の「元も子もない」を使った分かりやすい例としては、「頑張りすぎて体を壊したら元も子もない」「仕事のやりすぎて倒れたら元も子もない」「それを言ったら元も子もない」「無茶をしたら元も子もないぞ」「怪我をしたら元も子もない」などがあります。
二つ目の「身も蓋もない」を使った分かりやすい例としては、「そう言っては身も蓋もない」「これから身も蓋もない話をします」「彼女は身も蓋もないことを言う」などがあります。
「元も子もない」と「身も蓋もない」の使い分け方
「元も子もない」と「身も蓋もない」は似た日本語ですが、使い方と意味が違うので注意しましょう。「元も子もない」は欲張って全てを失うことを意味しており、「身も蓋もない」は言葉が露骨すぎて含みがないことを意味しています。
違いではないのですが、どちらもマイナスなイメージを持っている言葉というのが共通点になります。
「元も子もない」と「身も蓋もない」の英語表記の違い
「元も子もない」を英語にすると「defeats the purpose」「Makes no sense」となり、例えば上記の「怪我をしたら元も子もない」を英語にすると「It defeats the purpose if you get injury」となります。
一方、「身も蓋もない」を英語にすると「too outspoken」となり、例えば上記の「彼女は身も蓋もないことを言う」を英語にすると「she is too outspoken」となります。
「元も子もない」の意味
「元も子もない」とは
「元も子もない」とは、欲張って全てを失うことを意味しています。
「元も子もない」の使い方
「元も子もない」を使った分かりやすい例としては、「勉強しすぎてテスト前に風邪を引いたら元も子もない」「無理をして失敗しては元も子もない」「無理してお金を稼いで体調を崩したら元もこもない」などがあります。
「元も子もない」の語源
「元も子もない」の元は「元金」のことを意味しており、子は「利子」のことを意味しています。投資をして利子を得るはずだったのに、失敗して何もかも失ってしまうことを「元も子もない」と言っていました。
それが転じて、金銭的なことだけではなく、欲張りすぎたり、頑張りすぎたりして、全てを失った際に使われる言葉になりました。
例えば、上記の「勉強しすぎてテスト前に風邪を引いたら元も子もない」のように、テスト前に無理に勉強をして風邪を引いたせいで、本来の目的であるテスト受けられないなど、頑張りや欲張りが裏目に出た場合に使います。
表現方法は「体を壊したら元も子もない」「元も子もないことを言う」
「体を壊したら元も子もない」「元も子もないことを言う」などが、「元も子もない」の一般的な表現方法になります。
「元も子もない」の類語
「元も子もない」の類語・類義語としては、物事がすっかりダメになることを意味する「台無し」があります。
「元も子もない」の元の字を使った別の言葉としては、得にも損にもならないことを意味する「元元」、最初からそういう状態であることを意味する「元来」、以前からのことを意味する「元より」、元手として入れることを意味する「元入れ」などがあります。
「身も蓋もない」の意味
「身も蓋もない」とは
「身も蓋もない」とは、言葉が露骨すぎて含みがないことを意味しています。
「身も蓋もない」の使い方
「身も蓋もない」を使った分かりやすい例としては、「そう言われたら身も蓋もありません」「身も蓋もない現実を語ります」「彼は身も蓋もないことを言いました」「彼女は将棋の才能がないがこれを言ってしまっては身も蓋もない」などがあります。
「身も蓋もない」は、言葉が露骨すぎて含みがないことを意味しており、間違ったことを言ってないが、他にも言い方があるのではないかという場合に使うことが多いです。そのため、マイナスのイメージで使われています。
「身も蓋もない」の語源
「身も蓋もない」の身は容器のことで、容器も蓋もないのは中身がむき出しになっていることを意味しています。これが転じて、オブラートに包まず、言葉が露骨すぎて含みがないことを「身も蓋もない」と言うようになりました。
表現方法は「身も蓋もないことを言う」「身も蓋もない話」「身も蓋もない現実」
「身も蓋もないことを言う」「身も蓋もない話」「身も蓋もない現実」などが、「身も蓋もない」を使った一般的な表現方法になります。
「身も蓋もない」の類語
「身も蓋もない」の類語・類義語としては、正しくて嘘偽りのないことを意味する「正直」、ありのままで隠すところがないことを意味する「率直」、直接であること意味する「直接的」、真っ直ぐなことを意味する「ストレート」などがあります。
「身も蓋もない」の蓋の字を使った別の言葉としては、多分そうであると考えられることを意味する「蓋然」(読み方:がいぜん)、あることが起こりうると考えられることを意味する「蓋然的」などがあります。
「元も子もない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、欲張って全てを失うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、全てを失うことを意味しているので、マイナスのイメージで使われる言葉になります。
「身も蓋もない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、言葉が露骨すぎて含みがないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文ように、オブラートに包まず言うことなので、マイナスなイメージを持つ言葉です。
「元も子もない」と「身も蓋もない」は似た日本語ですが、使い方と意味は異なっています。「元も子もない」は欲張って全てを失うこと、「身も蓋もない」は、言葉が露骨すぎて含みがないことと覚えておきましょう。