【計】と【小計】と【総計】と【合計】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「計」(読み方:けい)と「小計」(読み方:しょうけい)と「総計」(読み方:そうけい)と「合計」(読み方:ごうけい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「計」と「小計」と「総計」と「合計」という言葉は、どれも数値を足し合わせたことを意味する共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




計と小計と総計と合計の違い

計と小計と総計と合計の意味の違い

計と小計と総計と合計の違いを分かりやすく言うと、どの程度の範囲で数値を合算しているかの違いです。これらの言葉は全て、何かの値や数字、物事を合算することを表現している言葉です。

計と小計と総計と合計の順番

合算する数値の規模を大きい順に並べると、総計>合計>小計となり、計というのは、どの言葉にも当てはめることの出来る最も簡易的な言葉であると言うことが出来ます。

上記のことを数式で考えると、数値Aと数値Bを合算したものを小計Cと呼びます。数値Dと数値Eを合算したものを小計Fと呼びます。つまり、A+B=小計C、D+E=小計Fということです。

この小計Cと小計Fを足したものを合計Gと呼びます。同じようにいくつかの小計を合算した合計Hがあったとすると、合計Gと合計Hを合わせた数値を総計Iと呼ぶということです。つまり、小計C+小計F=合計Gであり、合計G+合計H=総計Iということになります。

計は紛らわしく誤解を招く可能性あり

小計や合計、総計で表される数字の全てを「計」という言葉で表現することも可能です。しかし、全ての表記を「計」としてしまうと、それが小計なのか合計なのか、それとも総計なのか種類がわかりません。

このような理由で、計という言葉は単純な数式においては使用されることもありますが、合計値が沢山出てくるような場合には使われません。

全ての合算値を「計」だけで表現してしまうと、数値の説明不足による混乱を招く恐れがあります。このような場合には、「計」は使用しないようにする方が良いでしょう。

計と小計と総計と合計の使い分け方で悩んだ時には、その数値がどの程度の範囲の数値を足し合わせたものであるのかを考えるようにしましょう。規模によって使用する言葉が違ってくるのだと覚えておくと分かりやすいです。

計の意味

計とは

計とは、なにかの数や量を数えた際、その値を合算した答えのことを意味しています。合計とほとんど同じ意味を持つ言葉ですが、計というのは、使用する場面によって、少し意味が変化するものです。

例えば、全体の中の一部分だけを計算した結果を示したい時に「計」という言葉を使った場合には、それは「小計」と同じような意味を持つ言葉になります。

しかし、全体を合算した結果を「計」という言葉を使って示す場合には、それは「合計」と同じような意味を持つ言葉となります。

「計」という言葉は、何かの数や量を数えた際に、その値が数値を合算したものであることを示すためにあると言うことが出来ます。その数値が、単独のものではなく、計算された後の数字であることを示すために記される記号のようなものです。

表現方法は「計10万部」「計5回の公演」「計3日にわたって放送」

「計10万部」「計5回の公演」「計3日にわたって放送」などが、計を使った一般的な言い回しです。

計の使い方

計を使った分かりやすい例としては、「このアニメの本は計10万部が一週間で売れたらしい」「このミュージカルは計5回の公演が予定されている」「計3日にわたって放送される短編ドラマとなっております」などがあります。

計の類語

「計」という言葉の類語には「延べ」(読み方:のべ)という言葉があります。これは、いくつかある物事を一つのものとして、合算して数えることを意味している言葉です。例えば「入場者数は延べ10万人にも及びます」などのように使われます。

計という言葉もこれと同じように、なにかの数や量を全て合わせて、その結果として出た数値を表現したい時などに使われるものであると覚えておくようにしましょう。

「計」という漢字は、数や量を数えたりはかったりするという意味や、何かの物事を企てたりするという意味があります。計という字は、ひらがなの「け」という字の元となった漢字でもあります。

計という字を使った言葉としては、重量や分量をはかることを意味する「計量」、推定して計算することを意味する「推計」、代金の支払いや勘定のことを意味する「会計」などがあります。

小計の意味

小計とは

小計とは、全体の中にある一部分について、その数の合算値を出すことを意味しています。言い換えると、特定の部分だけを足し算した答えが小計であると言うことが出来ます。

表現方法は「小計を出す」「小計が合わない」「小計が表示されない」

「小計を出す」「小計が合わない」「小計が表示されない」などが、小計を使った一般的な言い回しです。

小計の使い方

何かの値を計算する際、いつでも全体の合算値が知りたいわけではありません。例えば、一年間の食費を記録していたとします。知りたい値は、もちろん一年間でどれくらいの金額を食費として使ったのかというところにあります。

しかし、一年分の金額の他にも、1月にはどのくらい使ったのか、2月にはどのくらい使ったのか、月ごとの金額が知りたい場合もあります。その際に使われるのが「小計」です。

小計の範囲

ある特定の範囲、特定の月の金額だけを足し合わせた答えは「小計」であると表現することが出来ます。このように、特定の狭い範囲での合算値を出したい場合、その答えは「小計」と表現することが出来るものであると覚えておくようにしましょう。

小計の「小」という漢字は、少し、わずか、規模が小さいという意味を持つ言葉です。ここで言うところの「小」というのは、規模が小さいという意味で使われている言葉です。小さい規模、小さい範囲の合算値のことを小計と表現します。

小計の類語

小という字を使った言葉としては、少しの違いがあることを意味する「小異」、少しばかりの知恵を意味する「小知」、わずかばかりの成功を意味する「小成」などがあります。

総計の意味

総計とは

総計とは、全体をひっくるめて、すべてを足し算した数値のことを意味しています。総計というのは、どこか一部分を合算した数字ではなく、全体を足した数字のことであると考えます。

表現方法は「参加者の総計」「売上の総計」「総計予算主義の原則」

「参加者の総計」「売上の総計」「総計予算主義の原則」などが、総計を使った一般的な言い回しです。

総計の使い方

例えば、日本では一年間の予算を、収入予定と支出予定の全てを計算した上で組んでいます。これを総計予算という言葉で表現しています。

このように、全ての値について、計算をしている場合に「総計」という言葉を使うのだと考えると分かりやすいでしょう。

総計の「総」という漢字は、一つにまとめることや、全体を治めること、全てであることを意味している言葉です。多くの物事を一つに締めくくるという意味を持つ言葉であると覚えておくようにしましょう。

そのことから、総計というのは、物事の数字や量のその全てを一つにまとめた数値であると言うことが出来ます。総計という言葉で書かれている数字は、全てが合算された数値であると理解するようにしましょう。

総計の類語

総計の類語としては、「集計」や「トータル」という言葉があります。集計というのは、数を寄せ集めて足し算をするという意味の言葉です。トータルも同じように、何かを全体的に合算して、総数として捉えることを意味しています。

総という字を使った言葉としては、個々のものを一つにまとめることを意味する「総括」、全体の事務や人員を統率したり監督したりすることを意味する「総監」、すべてをまとめて全体を合計した数を意味する「総数」などがあります。

合計の意味

合計とは

合計とは、二つ以上の数値を合わせることで計算された数のことを意味しています。類語としては、集計やトータル、総計などがあります。合計と総計は、ほとんど同じ意味を持つ言葉だと言うことが出来ます。

合計という言葉は、総計とほとんど同じ意味を持ちますが、総計よりも一般的に使用されている言葉であると言えます。総計という言葉よりも親しみやすく、意味が正しく伝わりやすいので、使いやすい言葉です。

表現方法は「合計する」「合計を出す」「合計金額」

「合計する」「合計を出す」「合計金額」などが、合計を使った一般的な言い回しです。

合計の使い方

合計は、総計と同じように、様々な数値や物の数を全てまとめて出した数値のことを意味しています。ただし、総計と合計が一緒に使用されている場合には、合計値Aと合計値Bを足した数字が総計ということになります。

つまり、合計という言葉は総計と一緒に使われる場合には、総計よりも小さなまとまりの総合値であると言うことが出来ます。

合計の「合」という漢字は、何かが集まったり、二つ以上のものが一緒になったりすることを意味する漢字です。ここでは、二つ以上のものが一緒になるという意味で使われています。

合計の類語

合計と同じ意味で「合」という漢字が使われている言葉は、他にも「融合」や「総合」などがあります。どの言葉も、複数のものが集まって一緒になるという意味を持つ言葉です。

合という字を使った言葉としては、二つ以上のものが結びついて一つになることを意味する「合成」、ずれや矛盾がない状態で前後や上下が揃うことを意味する「整合」、仲良くなったり親しみ合うことを意味する「和合」などがあります。

計の例文

1.この本は、計130万部も売り上げた大人気作品なのだ。
2.そちらへは計27名で伺う予定でおりますので、よろしくお願いします。
3.この駅には計5本の路線が縦横無尽に通っている。
4.この例文において「一年の計は元旦にあり」というのは間違っています。あくまでも数値に関するものを『計』を用いて文章にしてください。
5.今週は番組内容を変更して、過去に高視聴率を取った名作ドラマが計5日にわたって放送されます。
6.このミュージカルは、計10回の公演が予定されている。

この言葉がよく使われる場面としては、なにかの数値や量を合算して計算した時などが挙げられます。計というのは、単純な合算値を表現したい時に使用される言葉で、合計とほとんど同じ意味を持つものです。

表現したい数値が単純な合算値であったり、表記したい数値がひとつしかない場合などに「計」という言葉は使われます。計という言葉は、小計という意味でも、合計という意味でも、総計という意味でも捉えられるものです。

「計」という言葉は、様々な意味で捉えることが出来てしまうため、数値が沢山出てくるような場面や、合算値が何を足し合わせたものなのか明確に理解する必要のあるような場面では、混乱を避けるためにも使わないようにするのが得策でしょう。

小計の例文

1.年間を通した売り上げではなく、上半期の小計と下半期の小計を記したデータが欲しいな。
2.お客様に分かりやすい見積もりを提示するために、書類には機器ごとの費用の小計も記載しておいた。
3.本店では、支店ごとの売上げ小計の報告を受けて、それを合算してからその月の総売上げを計算しているそうだ。
4.今日の授業はExcelで小計を求めるSUBTOTAL関数の使い方を習います。
5.一度にまとめて加算するのでなく、各項目別に小計を計算してから総数を出せば、計算間違いが見つけやすい。
6.総支出を知りたいので、まずは費目毎の支出小計を計算することにした。

この言葉がよく使われる場面としては、様々にある数値のうち、必要な部分だけを足し合わせた数を計算する時などが挙げられます。全体の合算値ではなく、必要な一部分だけを計算する際には「小計」という言葉で表現します。

例文1のように、売上げ金額を上半期と下半期に分けて計算をしたい時や、例文3のように支店ごとの売上げ金額が知りたい場合などに「小計」と使われることが多くあります。

総計の例文

1.5日間のイベント参加者の総計を報告してください。
2.私は、細かい数字ではなく、この店の年間売上げの総計が知りたい。
3.日本の予算制度は、総計予算という方法で組まれているものだ。
4.現在地球上に住んでいる総計77憶人もの人々が何らかの形で見えない敵と戦っている。
5.万歩計を使うようになって1年近くが経ち、ようやく総計3百万歩に到達した。
6.この制度の利用人数が、今後3年で総計5千人に満たない場合、廃止とします。

この言葉がよく使われる場面としては、全体の数値をすべて足し合わせた状態の数値が知りたい時などが挙げられます。総計というのは、総合の合計という意味を持つ言葉で、その場にある数値の全てを合算したものを指します。

例文1のように、複数日程で開催されたイベントの総参加人数を知りたい場合などに、総計と表現したりします。1日目から最終日までの参加者をすべて足し合わせた数が総計ということになります。

また、例文3にあるように、日本の予算というのは総計予算という方法で組まれています。この場合、収入だけでなく支出の数値も考えに入れて、全てを予測した上で出している予算という意味になります。

合計の例文

1.中間テストでは、全教科の合計点数で成績の順位が決められる。
2.セールだからと調子に乗ったら、合計額が予算をとっくにオーバーしていた。
3.ここの英会話教室は、合計10回お試しで通うことができる。
4.次の日本文を英語に訳しなさい。「お買い物の合計金額は350ドルになります」
5.五教科のテストの合計点数が高かった上位10人だけが、補習を免除される。
6.私の市のコンビニ件数は、隣りの県全体の合計件数より多いらしい。

この言葉がよく使われる場面としては、二つ以上の数値を合算した時などが挙げられます。合計という言葉は、総計とほとんど同じ意味を持つ言葉ですが、総計よりも一般的によく使用される言葉であると言えます。

合計という言葉は、総計と一緒に使用される場合には、総計よりも範囲の小さい言葉になります。

合計Aと合計Bを足し合わせた数が総計ということになります。しかし、総計という言葉が使われていない場合には、合計が全ての値を合算した数ということになります。

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