似た意味を持つ「しがらみ」と「腐れ縁」(読み方:くされえん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「しがらみ」と「腐れ縁」という言葉は、どちらも離れらない関係のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「しがらみ」と「腐れ縁」の違い
「しがらみ」と「腐れ縁」の意味の違い
「しがらみ」と「腐れ縁」の違いを分かりやすく言うと、「しがらみ」とは悪い意味でしか使われない、「腐れ縁」とは悪い意味でも良い意味でも使われるという違いです。
「しがらみ」と「腐れ縁」の使い方の違い
一つ目の「しがらみ」を使った分かりやすい例としては、「人間関係のしがらみに悩んでいる」「彼女はしがらみのない人生を送っています」「元カノとのしがらみを断ち切ることにした」「職場のしがらみから解放されたい」「人間関係のしがらみから逃れる」などがあります。
二つ目の「腐れ縁」を使った分かりやすい例としては、「彼女は幼稚園の頃からの腐れ縁です」「元カレとの腐れ縁を断ち切りたい」「腐れ縁で結婚したら幸せになれるのだろうか」「彼女とは何回も付き合ったり別れたりしている腐れ縁です」「私は腐れ縁を切りたい」などがあります。
「しがらみ」と「腐れ縁」は、離れたくても中々離れることができないという意味を持つ類語ですが、使い方に少し違いがあります。
「しがらみ」と「腐れ縁」の使い分け方
「しがらみ」は、まとわりついて離れない邪魔なものという悪い意味でしか使わないのに対して、「腐れ縁」は、なんだかんだで付き合いがある、昔からの離れらない関係という良い意味でも使えることです。
また、「しがらみ」には、川の水をせき止めるためのものという意味があるのも違いになります。
「しがらみ」と「腐れ縁」の英語表記の違い
「しがらみ」を英語にすると「bond」「constraint」「weir」となり、例えば上記の「人間関係のしがらみから逃れる」を英語にすると「escape the constraints of human relationships」となります。
一方、「腐れ縁」を英語にすると「inseparable relationship」「Fatal bond」となり、例えば上記の「私は腐れ縁を切りたい」を英語にすると「I get out of inseparable relationship」となります。
「しがらみ」の意味
「しがらみ」とは
「しがらみ」とは、まとわりついて離れないことを意味しています。その他にも、川の水をせき止めるためのものという意味を持っています。
「しがらみ」の使い方
「しがらみ」を使った分かりやすい例としては、「過去のしがらみにとらわれている」「浮世のしがらみを忘れて生きたい」「しがらみのない場所へ引っ越すことにした」「元カレとのしがらみを断ち切ることにした」などがあります。
「しがらみ」は二つを持つ言葉ですが、一般的使われているのは、まとわりついて離れない邪魔なものという意味になります。また、マイナスなイメージのみを持っており、主に人間関係において使うことが多い言葉です。
「しがらみ」の由来
「しがらみ」は元々、川の中に杭を打ち並べて水流をせき止めるものという意味で使われていた言葉でした。それが転じて、自分にまとわりついて自由な動きを制約して束縛するものという意味で使われるようになったのが由来です。
「しがらみ」の漢字表記
「しがらみ」を漢字にすると「柵」となりますが、一般的には、音読みの「サク」で読まれています。
表現方法は「世の中のしがらみ」「しがらみが多い」「しがらみを解く」
「世間のしがらみ」「世の中のしがらみ」「政治のしがらみ」「過去のしがらみ」「しがらみが多い」「しがらみを解く」「しがらみのない」などが、「しがらみ」を使った一般的な表現方法になります。
「しがらみ」の類語
「しがらみ」の類語・類義語としては、城や砦の周囲を土や石などで築いている囲いのことを意味する「郭」(読み方:くるわ)、石で築いた壁や仕切りのことを意味する「石壁」(読み方:せきへき)、土を盛り上げて築いた砦のことを意味する「土塁」などがあります。
「しがらみ」を漢字にした「柵」を使った別の言葉としては、柵の裏に板を張った塀のことを意味する「柵板塀」(読み方:さくいたべい)、柵を越えることを意味する「柵越え」、城柵の入り口の門のことを意味する「柵門」などがあります。
「腐れ縁」の意味
「腐れ縁」とは
「腐れ縁」とは、離れようとしても離れられない関係のことを意味しています。
「腐れ縁」の使い方
「腐れ縁」を使った分かりやすい例としては、「彼とは中学校以来の腐れ縁です」「元カノとの腐れ縁を断ち切りたい」「腐れ縁の彼と結婚して後悔している」「腐れ縁にはスピリチュアルな関係してると言われている」などがあります。
「腐れ縁」は離れようとしても離れられない関係のことを意味していますが、良い意味でも、悪い意味でも使える言葉です。
「腐れ縁」の由来
「腐れ縁」の「腐る」は、腐っていることを意味している言葉ではなく、繋がり合うという「鎖」が変化したものになります。それが転じて、鎖のように切ることができない関係という意味で使われるようになりました。
表現方法は「腐れ縁を断ち切る」「腐れ縁だから」
「腐れ縁を断ち切る」「腐れ縁だから」「腐れ縁は離れず」などが「腐れ縁」を使った一般的な表現方法になります。
「腐れ縁は離れず」の意味
「腐れ縁」を使った有名なことわざとしては、「腐れ縁は離れず」があります。「腐れ縁は離れず」とは、悪縁は切ろうとしても中々断ち切ることができないという意味です。
「腐れ縁」の類語
「腐れ縁」の類語・類義語としては、好ましくない人間関係のことを意味する「悪縁」、古くからの知り合いのことを意味する「旧知」、自分のことをよく理解してれている人のことを意味する「知己」(読み方:ちき)などがあります。
「腐れ縁」の縁の字を使った別の言葉としては、前世からの定まった運命のことを意味する「因縁」、思い掛けない巡り合せのことを意味する「奇縁」、古くからの縁のことを意味する「旧縁」、結婚の相手を探すことを意味する「求縁」などがあります。
「しがらみ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、まとわりついて離れないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、川の水をせき止めるためのものを表現したい時にも使います。
上記の例文のように、まとわりついて離れることができない悪い関係や邪魔なことに対して使う言葉になります。
「腐れ縁」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、離れようとしても離れられない関係のことを表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2は、良い意味で「腐れ縁」を使っており、例文4や例文5は悪い意味で「腐れ縁」を使っています。
「しがらみ」と「腐れ縁」どちらを使うか迷った場合は、「しがらみ」は悪い意味でしか使えないのに対して、「腐れ縁」は悪い意味でも良い意味でも使えると覚えておきましょう。