【お座りください】と【お掛けください】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「お座りください」と「お掛けください」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お座りください」と「お掛けください」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「お座りください」と「お掛けください」の違い

「お座りください」は「お掛けください」の間違い

「お座りください」と「お掛けください」の違いを分かりやすく言うと、「お座りください」とは「お掛けください」の間違った使い方、「お掛けください」とは相手に座ることをお願いすることです。

「お座りください」は敬語として目上の人に使えない

「お座りください」という言葉は敬語として目上の人に対して使うことができません。意味が似ていることから、「お掛けください」のことを間違えて「お座りください」を使っている人がほとんどです。

「お掛けください」は敬語として目上の人に使える

正しい言葉である「お掛けください」を使った分かりやすい例としては、「お掛けになってしばらくお待ちください」「どうぞ皆さんお掛けください」「手前の席にお掛けください」「どうぞ奥の方へ入ってお掛けください」などがあります。

「お掛けください」という言葉は敬語として目上の人に対して使えるのですが、「お座りください」という言葉は目上の人に対して使えません。同時に「お掛けください」という単語の意味について「相手に座ることをお願いすること」と覚えておきましょう。

「お掛けください」の英語表記

「お掛けください」を英語にすると「Please have a seat」「Please take a seat」となり、例えば上記の「お掛けになってしばらくお待ちください」を英語にすると「Please have a seat and wait for a moment」となります。

「お座りください」の意味

「お座りください」とは

「お座りください」とは、「お掛けください」の間違った使われ方です。

「お座りください」という言葉を目上の人に対して使うと、間違った使い方になります。読み方が似ているため、「お掛けください」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「お座りください」が目上の人に使えない理由

「お座りください」は丁寧な表現ではあるのですが、座ることを言う幼児語や犬に座るように命令することを意味する、目下の人に使うお座りと受け取られることもあり、相手に不快な思いをさせる可能性があるからです。

そのため、「お座りください」を目上の人に対して使うことができません。もし、ビジネスシーンなどで、目上の人に対して座ることをお願いする場合は「お掛けください」を使うようにしましょう。

ただし、「お座りください」は場面によっては使うことができます。セミナーや講演会などで、「どうぞ前の方から詰めてお座りください」というフレーズはよく使われています。また、「どうぞ」という言葉を付けることにより柔らかい印象を与えることができます。

「お掛けください」の意味

「お掛けください」とは

「お掛けください」とは、相手に座ることをお願いすることを意味しています。

「お掛けください」の使い方

「お掛けください」を使った分かりやすい例としては、「そこにお掛けください」「あちらの通路側の席にお掛けください」「只今確認しておりますのでお掛けになってお待ちください」「こちらの席にお掛けください」などがあります。

「お掛けください」は「お〇〇になる」の形を使った「座る」の尊敬語になります。尊敬語とは、話し手が聞き手や話題の主のその動作や状態などを高めて待遇することです。

「お掛けください」を使う場面としては、目上の人に対して座ってくださいとお願いする時になります。また、「お掛けください」という言葉だけではなく、「どうぞ」や「こちらに」などと合わせると相手により良い印象を与えることができます。

表現方法は「どうぞお掛けください」「こちらにお掛けください」

「どうぞお掛けください」「こちらにお掛けください」「そちらにお掛けください」などが、「お掛けください」を使った一般的な言い回しになります。

「お掛けください」の対義語

「お掛けください」の対義語・反対語としては、立つの尊敬語を意味する「お立ちください」があります。

「お掛けください」の類語

「お掛けください」の類語・類義語としては、椅子や台などの上に腰を下ろすことを意味する「腰掛ける」、膝を折り曲げて物の上に腰を下ろすことを意味する「座る」などがあります。

「お座りください」の例文

1.「お座りください」という言葉は目上の人に対しては使うことができないので、おそらく「お掛けください」の言い間違いだろう。
2.「お掛けください」という言葉は相手に座ることをお願いすることで、「お座りください」は目上の人に対して使うことはできません。
3.「お座りください」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.目上の人に対して、こちらにお座りくださいという言葉を使う人はいるが、正しくはこちらにお掛けくださいです。
5.目上の人に対して、どうぞお掛けくださいという言葉はあるが、どうぞお座りくださいという言い方はしません。

この言葉がよく使われる場面としては、「お掛けください」という言葉を間違えて「お座りください」と表現している時などが挙げられます。

「お座りください」という言葉は目上の人に対して使えない言葉なので、「お掛けください」を間違えて使っている可能性が高いです。

「お座りください」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「お座りください」ではなく、「お掛けください」と表現するのが正しい使い方になります。

「お掛けください」の例文

1.お掛けになってしばらくお待ちください。すぐに担当の者が参ります。
2.どうぞこちらにお掛けください。すぐに参考資料をお持ちいたします。
3.只今満席ですので、あちらでお掛けになってお待ちください。
4.どうぞ好きな席にお掛けください。間もなく講義が始まります。
5.そこの椅子にお掛けください、すぐに原稿をお持ちいたします。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に座ることをお願いすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように目上の人に対して使う言葉になります。

「お座りください」と「お掛けください」どちらを使うか迷った場合は、「お座りください」は相手にあまり良い印象を与えないので、目上の人に対しては「お掛けください」を使うようにしましょう。

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