似た意味を持つ「世捨て人」(読み方:よすてびと)と「隠者」(読み方:いんじゃ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「世捨て人」と「隠者」という言葉は、どちらも俗世間から離れ一人静かに暮らす人のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「世捨て人」と「隠者」の違い
「世捨て人」と「隠者」の意味の違い
「世捨て人」と「隠者」の違いを分かりやすく言うと、「世捨て人」とは全てを捨ててしまって世間に対する拒絶の意志が濃い人のこと、「隠者」とは修行や思索などに耽るために俗世間を離れた人のことという違いです。
「世捨て人」と「隠者」の使い方の違い
一つ目の「世捨て人」を使った分かりやすい例としては、「世捨て人になるのは簡単なことではありません」「会社の人間関係に疲れたので世捨て人になることを決意する」「彼女は晩年世捨て人となりました」などがあります。
二つ目の「隠者」を使った分かりやすい例としては、「心の自由を求めて隠者となりました」「私は隠者として生活を送っています」「隠者として生活しているがたまに都会が恋しくなることがある」などがあります。
「世捨て人」と「隠者」の使い分け方
「世捨て人」と「隠者」はどちらも俗世間から離れ一人静かに暮らす人のことという同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「世捨て人」は全てを捨ててしまって世間に対する拒絶の意志が濃い人を指しているのに対して、「隠者」は修行や思索などに耽るために俗世間を離れた人のことを指しているというのが違いです。
つまり、俗世間から離れ一人静かに暮らすようになった理由が異なっているというのが違いになります。
「世捨て人」と「隠者」の英語表記の違い
「世捨て人」も「隠者」も英語にすると「hermit」「recluse」「priest」となり、例えば上記の「彼女は晩年世捨て人となりました」を英語にすると「Late in her life, she entered the priesthood」となります。
「世捨て人」の意味
「世捨て人」とは
「世捨て人」とは、俗世間との関係を絶った人のことを意味しています。
「世捨て人」の読み方
「世捨て人」の読み方は「よすてびと」です。誤って「よすてひと」「せいすてひと」「せいすてびと」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「世捨て人になる」「世捨て人になりたい」「世捨て人の生き方」
「世捨て人になる」「世捨て人になりたい」「世捨て人の生き方」などが、世捨て人を使った一般的な言い回しです。
「世捨て人」の使い方
「世捨て人」を使った分かりやすい例としては、「世捨て人になって良かったです」「世捨て人として生きるのはとても大変です」「他人と関わることに疲れたので世捨て人になることを決意しました」「世捨て人になるのは簡単ではないがこの環境から抜け出したいです」などがあります。
「世捨て人」は俗世間との関係を絶った人のこと、つまり俗世間から離れ一人静かに暮らす人のことを指している言葉です。また、全てを捨ててしまって世間に対する拒絶の意志が濃い人を指す傾向があります。
「世捨て人」はニートや引き籠りとは違う
「世捨て人」は俗世間との関係を絶った人のことを指す言葉ですが、ニートや引き籠りを指す言葉ではないので、混同しないように注意しましょう。
ニートとは「not in education, employment or training」の略で、学校にも行かず、就職しようともせず、職業訓練も受けない若者のことを指しています。厚生労働省によると、15歳から34歳までと定義されています。
「世捨て人」は俗世間から離れ一人静かに暮らしているだけで、山に籠ったり、修行したりなどで自立した生活を送っています。一方、ニートは誰かの助けを受けて生活しているので自立した生活を送っているわけではありません。
ただし、「世捨て人」とニートは異なった言葉であるものの、心が傷つくようなことがあったという点では共通した言葉と言えるでしょう。
「世捨て人」の類語
「世捨て人」の類語・類義語としては、出家して仏道を修行する人を意味する「僧侶」、世俗と交わりを断ち神通力を修めた人のことを意味する「仙人」などがあります。
「隠者」の意味
「隠者」とは
「隠者」とは、俗世との交わりを避けてひっそりと隠れ住む人のことを意味しています。
表現方法は「隠者になりたい」「隠者生活」「隠者を訪ねて遇わず」
「隠者になりたい」「隠者生活」「隠者を訪ねて遇わず」などが、隠者を使った一般的な言い回しです。
「隠者」の使い方
「隠者」を使った分かりやすい例としては、「隠者のような心になって打ち眺めました」「私たちが隠者の生活を送るのに、これ以上相応しい場所はありませんでした」「隠者の生活にもだんだんと慣れてきました」などがあります。
「隠者」は俗世との交わりを避けてひっそりと隠れ住む人のことを意味しています。その中でも、修行や思索などに耽るために俗世間を離れた人のことを指していることが多いです。そのため、キリスト教や仏教などの宗教者がなることが多いとされています。
「隠者」はニートや引き籠りとは違う
「隠者」は俗世との交わりを避けてひっそりと隠れ住む人のことを指す言葉ですが、ニートや引き籠りを指す言葉ではないので、混同しないように注意しましょう。
「隠者」は俗世間から離れ一人静かに暮らしているだけで、山に籠ったり、修行したりなどで自立した生活を送っています。一方、ニートは誰かの助けを受けて生活しているので自立した生活を送っているわけではありません。
ただし、「隠者」とニートは異なった言葉であるものの、心が傷つくようなことがあったという点では共通した言葉と言えるでしょう。
「隠者」の類語
「隠者」の類語・類義語としては、俗世を離れて静かな生活をしている人のことを意味する「隠士」、俗世間を逃れて隠れ住んでいる人のことを意味する「隠遁者」などがあります。
「世捨て人」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、俗世間との関係を絶った人のことを表現したい時などが挙げられます。
「世捨て人」はあまり使われていない言葉なので、馴染みがない人は多いかもしれません。
「隠者」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、俗世との交わりを避けてひっそりと隠れ住む人のことを表現したい時などが挙げられます。
「隠者」はあまり使われていない言葉なので、馴染みがない人は多いかもしれません。
「世捨て人」と「隠者」はどちらも俗世間から離れ一人静かに暮らす人のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、全てを捨ててしまって世間に対する拒絶の意志が濃い人が「世捨て人」、修行や思索などに耽るために俗世間を離れた人が「隠者」と覚えておきましょう。