【視座】と【視点】と【視野】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「視座」(読み方:しざ)と「視点」(読み方:してん)と「視野」(読み方:しや)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「視座」と「視点」と「視野」という言葉は、物事を考える立場という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




視座と視点と視野の違い

視座と視点と視野の意味の違い

視座と視点と視野の違いを分かりやすく言うと、視座は姿勢や立場を表現する時に使い、視点は物の見方を表現する時にも使い、視野は全体像の把握を表現する時にも使うという違いです。

視座と視点と視野の使い方の違い

視座という言葉は、「様々な経験談を聞いて視座を高める」「視座を変えて考えることができるのは強みだ」などの使い方で、物事の観察や考察をする立場を意味します。

視点という言葉は、「後輩視点の話を聞いていると相手のことが語られない」「新しい知識を得て新たな視点を持つ」などの使い方で、物事の観察や考察をする立場を意味します。

視野という言葉は、「視野が広く非常にセンスのあるアイデアが浮かぶ友人を尊敬する」「視野狭窄な考えにほとほと呆れる」などの使い方で、目に見える範囲を意味します。

視座と視点と視野の使い分け方

視座は消費者や製作者、上司や部下などの立場や位置を表すため、場合によっては視点や視野に置き換えて使うことができます。

視点は、見る方向や物の見方を意味するため、全体像の把握を意味する視野とは意味が異なります。

また、視点は視線や人の目が集まるところを、視野は実際に目に映る範囲を意味するため、他の言葉に置き換えて使うことができない使い方をすることもあります。

これらが、視座、視点、視野の明確な違いです。

視座の意味

視座とは

視座とは、物事を見る姿勢や立場を意味しています。

表現方法は「視座を高める」「視座が上がる」「視座を変える」

視座を使った表現として、「視座を高める」「視座が上がる」「視座を変える」「視座が低い」などがあります。

「視座が高い」の意味

ビジネス間で使われる言葉であり、中長期的な考えを持って物事の最適化ができ、自身だけではなく周囲の成果のために尽力し課題の解決を行うことが出来るような人を「視座が高い」と言います。

「視野が広い」の方が一般的で、日常会話でもよく使われる言葉ではありますが、物事の横のつながりだけではなく、先の計画といった意味を持たせる際に、「視座」が多く使われます。

視座の類語

視座の類語・類義語としては、物事を考えたり論じたりする場合の拠りどころになる立場を意味する「見地」、物事を考えたり行なったりするときの立場を意味する「次元」があります。

視座の座の字を使った別の言葉としては、座ったままでする仕事を意味する「座業」、心を落ち着けて静かに座ることを意味する「静座」、研究や教育のための組織を意味する「講座」すぐその場を意味する「即座」などがあります。

視点の意味

視点とは

視点とは、物事の観察や考察をする立場を意味しています。

表現方法は「視点を持つ」「視点を変える」「視点に立つ」

視点を使った表現として、「視点を持つ」「視点を変える」「視点に立つ」「視点を得る」などがあります。ビジネス間から日常会話でもよく使われる言葉です。どれも物の見方を変えたり、新しい方向から物事を見ることを意味します。

また、物事を見たり考えたりする立場を意味する「観点」という言葉がありますが、こちらは考え方や世界観などの形がないものに使い、「視点」は芸術作品や基準になる位置が移動する場合に使います。

視点の類語

視点の類語・類義語としては、、ある立場からの物事の考え方を意味する「見解」、物を見る方法を意味する「見様」(読み方:みよう)があります。

視点の点の字を使った別の言葉としては、物事の始まるところを意味する「起点」、十分ではないところを意味する「弱点」、人々の注意や関心が集まるところを意味する「焦点」、優れた点を意味する「美点」などがあります。

視野の意味

視野とは

視野とは、目に見える範囲を意味しています。

視座や視点と同じように、物事を考える範囲という意味もありますが、実際に目に映る範囲や、レンズで見ることができる範囲も意味します。

表現方法は「視野が狭い」「視野が欠ける」「視野に入れる」

「視野が狭い」「視野が欠ける」といった表現があり、前者は物事を考えたり判断する材料や範囲が狭いことを意味しますが、後者は視野が狭くなる状態を表す言葉で、その状態を引き起こす病に際して使われます。他にも「視野に入れる」によく使われます。

四字熟語「視野狭窄」の意味

視野を使った言葉として、「視野狭窄」(読み方:しやきょうさく)があります。これは、上にあるように視野が狭くなる目の症状を意味する言葉ですが、その意味が転じて、知識や考え方が徐々に狭くなっている様子を意味する四字熟語として使われています。

視野の類語

視野の類語・類義語としては、目で見通すことのできる範囲を意味する「視界」、光の刺激を受けて生じる感覚を意味する「視覚」、人生の行く末などを見渡すことを意味する「展望」などがあります。

視野の野の字を使った別の言葉としては、人間の活動における一つの領域を意味する「分野」、広々とした野を意味する「広野」、家畜の放牧や牧草の採取のための野原を意味する「牧野」、家の外を意味する「野外」などがあります。

視座の例文

1.上司に、上層部や取引先との会食などに連れて行ってもらうことで視座を養うことができているように思う。
2.次の会議までに視座を変えてこの企画を見つめ直す必要がある。
3.先輩に視座が高くて一緒に仕事がしやすいと褒めてもらえた。
4.受験勉強を頑張って大学に入ったが、卒業した今、この4年間で視座が上がったと実感して苦労が報われた気持ちだ。
5.変幻自在に視座を変えることができたらと考えるようになってから、だったら役者をやってみようと思い、地域の演劇サークルに足繁く通っているのだ。
6.仕事上の課題を一つ一つクリアしていくに従って徐々に視座が上がっていくのがわかり、それが一種の快感となってわたしを襲ってきたのだ。
7.舞台に立っているだけでは観客の視座を養うことはできないと思い、他人様の舞台も積極的に観に行って勉強させていただいているところだ。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を見る姿勢や立場を意味する時などが挙げられます。

例文2の「視座を変える」とは、物を見る立場を変えることを意味する言葉で、「視点を変える」に置き換えて使うことができます。

例文3の「視座が高い」とは、相手の都合を考慮し、全体に配慮することができている状態を意味する言葉で、「視野が広い」に置き換えて使うことができます。

視点の例文

1.視点の誘導を行っているうちに、舞台上の小道具を舞台袖に戻す。
2.新人の視点に立った分かりやすい説明を研修では心掛けている。
3.社会科を学ぶことで多面的、多角的な視点を養うことができる。
4.マーケティングとはただ数字やグラフとにらめっこしているのではなく、常に多角的な視点を持つ必要があるといわれて自身の仕事への姿勢を反省した。
5.いままでの凝り固まった自分の視点を変えるために、わたしは一念発起して100冊の本を読み、100本の映画を観て、100回の旅をした。
6.外国語学部出身の先輩から言語を学ぶということは新しい視点を得ることだといわれてことがきっかけで、今年はフランス語に挑戦してみようと思ったのだ。
7.わたしは、業務でさまざまな視点を養うために同業者の方だけでなく、異業種の方との付き合いも大事にしていて、毎回会うたびに新しい発見があるのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の観察や考察をする立場を意味する時などが挙げられます。

例文1の視点は、視線の集まるところを意味するため、視座や視野という言葉に置き換えて使うことができません。

視野の例文

1.強い台風が来る天気予報を受けて、イベントの中止を視野に入れる。
2.商品開発を行う際、視野を広くしなければ売れない商品を生み出してしまうことになる。
3.双眼鏡を使って遠くを見ると視野が狭くなるため、一度見たい箇所を確認してから覗く必要がある。
4.目が前についている肉食動物は目が横についている草食動物より視野が狭い。
5.わたしは今までただ単に任された仕事に注力しるだけで、いつの間にか視野が狭くなっていたのかもしれないと自身の仕事への姿勢を反省するに至った。
6.リーマンショックの不景気が我が社にも襲いかかったことで、長期的な視野を持って経営を見れなくなり、組織全体が硬直して視野狭窄に陥っていたように思えた。
7.皆一様に広い視野をもつべきだとはいうけれど、どうやったら視野を広げることが出来るのかまでは言っている本人もよく分かっていないのだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、目に見える範囲を意味する時などが挙げられます。

例文1の「視野に入れる」とは、物事を考えたり判断したりする時、可能性や選択肢の一つとして増やすことを意味する言葉です。

視座と視点と視野どれを使うか迷った場合は、姿勢や立場を表す場合は「視座」を、物の見方を表す場合は「視点」を、全体像の把握を表す場合は「視野」を使うと覚えておけば間違いありません。

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