【なるべく】と【できるだけ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「なるべく」と「できるだけ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「なるべく」と「できるだけ」という言葉は、どちらもできる限りのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「なるべく」と「できるだけ」の違い

「なるべく」と「できるだけ」の意味の違い

「なるべく」と「できるだけ」の違いを分かりやすく言うと、「なるべく」とは限界まで頑張らなくてもいいが可能な範囲で行うこと、「できるだけ」とはこれ以上できないという限界まで頑張ることという違いです。

「なるべく」と「できるだけ」の使い方の違い

一つ目の「なるべく」を使った分かりやすい例としては、「目的地までなるべく早く行くようにする」「好き嫌いは良くないのでなるべく残さず食べなさい」「なるべく早く出勤します」「なるべく皆に飴が行き渡るようにしてね」などがあります。

二つ目の「できるだけ」を使った分かりやすい例としては、「時間がないのでできるだけ急いで下さい」「できるだけの治療はしたのであとは祈るのみです」「できるだけの努力はしたので自分を信じよう」などがあります。

「なるべく」と「できるだけ」の使い分け方

「なるべく」と「できるだけ」はどちらもできる限り行う場合に使う言葉です。

あえて違いを挙げるならば、限界まで頑張らなくてもいいが可能な範囲で行うこと表現したい時は「なるべく」を、これ以上できないという限界まで頑張ることを表現したい時には「できるだけ」を使うと覚えておきましょう。

例えば「なるべく早く返事をください」と「できるだけ早く返事をください」を比較すると、前者は「限界まで頑張らなくてもいいが可能な範囲で早い返事をください」という意味になり、後者は「自分ができる限界の中で一番早い返事をください」という意味になります。

「なるべく」と「できるだけ」の英語表記の違い

「なるべく」も「できるだけ」も英語にすると「as~as possible」「if possible」となり、例えば上記の「なるべく皆に飴が行き渡るようにしてね」を英語にすると「Make sure to share the candys as evenly as possible」となります。

「なるべく」の意味

「なるべく」とは

「なるべく」とは、限界まで頑張らなくてもいいが可能な範囲で行うことを意味しています。

「なるべく」の使い方

「なるべく」を使った分かりやすい例としては、「なるべく外出はしないようにお願いします」「あの日のことはなるべく思い出したくないです」「なるべく目立たないようにしてください」などがあります。

その他にも、「夜の時間はなるべく静かにするようにお願いします」「食費を抑えるためになるべく外食はしないようにしている」「怪我をなるべくしない体づくりを目指しています」などがあります。

「なるべく」は動詞「なる」の終止形に、可能の助動詞「べし」の連用形が付いた言葉で、限界まで頑張らなくてもいいが可能な範囲で行うことを意味しています。

「なるべく」の敬語表記

「なるべく」はビジネスシーンでも使われている言葉ですが、敬語ではありません。そのため、上司や取り引き先などの目上の人に対して使う場合は、「可能な限り」や「できる限り」という言い回しを使うようにしましょう。

「なるべく」の漢字表記

「なるべく」を漢字にすると「成る可く」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。

「なるべく」の類語

「なるべく」の類語・類義語としては、できる限りのことを意味する「成る丈」、力の限りを尽くすことを意味する「極力」などがあります。

「できるだけ」の意味

「できるだけ」とは

「できるだけ」とは、これ以上できないという限界まで頑張ることを意味しています。

「できるだけ」の使い方

「できるだけ」を使った分かりやすい例としては、「できるだけ早く返事が欲しいです」「できるだけ外出は控えてください」「節約のためにできるだけエアコンは使わないようにしている」などがあります。

その他にも、「今日は娘の誕生日会があるのでできるだけ早く仕事を終わらせました」「このチームでできるだけ長くプレーしたいです」「体調が悪い日が続くのであればできるだけ早く病院に行った方がいいです」などがあります。

「できるだけ」は可能を表わすことを意味する「できる」に程度や限度を表わす「だけ」が付いた言葉で、これ以上できないという限界まで頑張ることを意味する言葉です。

「できるだけ」の敬語表記

「できるだけ」はビジネスシーンでも使われている言葉ですが、敬語ではありません。そのため、上司や取り引き先などの目上の人に対して使う場合は、「可能な限り」や「できる限り」という言い回しを使うようにしましょう。

「できるだけ」の漢字表記

「できるだけ」を漢字にすると「出来るだけ」となりますが、あまり一般的ではありません。

「できるだけ」の類語

「できるだけ」の類語・類義語としては、ある範囲内でもっとも大きくやることを意味する「最大限に」、ある物事ができる見込みがあることを意味する「可能ならば」などがあります。

「なるべく」の例文

1.最近体重が増えてきたので、なるべく間食をしないようにしています。
2.最近運動不足なので、近場へ移動する時はなるべくタクシーを使わないようにしている。
3.今日は結婚記念日なので、急いで仕事を終わらせてなるべく早く帰る予定です。
4.光熱費を節約するために、夏はクーラーをなるべく使わないようにしています。
5.お金の貸し借りは問題になることが多いので、なるべくやらないようにしています。
6.友達は、メールでなるべく早く行くから待っててといっていたので、ずっと待っていたのだが、一向に来ることがないのでわたし怒っては家に帰ってしまった。
7.わたしは電話口では演技をしてなるべく早く出勤しますといいながら、実際はまだベッドから出ることもなく、パンを食べながら漫画を読みふけっていた。
8.中学生の娘はなるべく多くの人にマスクがいきわたるようにとボランティアでマスクを作ることになり、完成したマスクを支援団体に寄贈することになった。
9.なるべく外出はしないように心がけてはいたが、一方でいつも通っている歌声喫茶に行けないのはとても寂しいし、オーナーさんも大丈夫なのか心配になった。
10.家計が苦しいのでなるべく外食はしないようにしていても、付き合い上でどうしても行ってしまうこともあるので、なかなか支出が減らないのだった。

この言葉がよく使われる場面としては、限界まで頑張らなくてもいいが可能な範囲で行うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように様々な場面で使うことができます。

「できるだけ」の例文

1.旅行した時はできるだけその土地の食べ物を食べるように心掛けています。
2.彼はチーム移籍の噂が飛び交っているが、できるだけここでプレーしたいと宣言してくれた。
3.最近物騒な事件が増えているので、女性一人で歩くのはできるだけ避けた方がいいだろう。
4.この料理は時間が経つと美味しくなくなってしまうので、できるだけ早く食べてくださいね。
5.覚えてる範囲でいいので、事件当時のことをできるだけ詳しく教えてください。
6.投資をするならできるだけ早くやってほうがいいというのは、時間と共に資産は増えるのだから、若い頃から少しずつやったほうがいいという理屈だ。
7.志望校に合格するために、できるだけの努力をしたが、結果は及ばずわたしは涙をのんだが、両親からこの努力は決して無駄にはならないと励ましてくれた。
8.友達から電話でできるだけ早く来てほしいというものだから、急いでかけつけるとクラッカーが炸裂音がしてびっくりしたが、今日はわたしの誕生日だったのだ。
9.学校からできるだけ外出は控えるように言われていたのに、わたしは親の目を盗んで外に飛び出していったのだが、見回りの先生にみつかってしまった。
10.この老人にできるだけ多くの商品を売りつけてやろうと思っていたので、ニコニコしながら愛想よく振る舞っていたのだが、老人はなかなか財布の紐を緩めようとはしなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、これ以上できないという限界まで頑張ることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように様々な場面で使うことができます。

「なるべく」と「できるだけ」どちらの言葉を使うか迷った場合は、限界まで頑張らなくてもいいが可能な範囲で行うことを表現したい時は「なるべく」を、これ以上できないという限界まで頑張ることを表現したい時は「できるだけ」を使うと覚えておきましょう。

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