似た意味を持つ「イミテーション」と「レプリカ」と「フェイク」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「イミテーション」と「レプリカ」と「フェイク」という言葉は、模造品という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
イミテーションとレプリカとフェイクの違い
イミテーションとレプリカとフェイクの意味の違い
イミテーションとレプリカとフェイクの違いを分かりやすく言うと、イミテーションは模倣品を表現する時に使い、レプリカは複製品を表現する時に使い、フェイクは偽物を表現する時に使うという違いです。
イミテーションとレプリカとフェイクの使い方の違い
イミテーションという言葉は、「精巧なイミテーションであっても本物には劣る」「イミテーション食品であっても美味しいと思えるから不思議だ」などの使い方で、模造品や紛い物を意味します。
レプリカという言葉は、「サイン入りアイテムのレプリカに期待が寄せられた」「レプリカであっても展示品にわくわくせざるを得ない」などの使い方で、模写や複製を意味します。
フェイクという言葉は、「説明もなしにフェイク品を買わされた人が訴えを起こしていた」「フェイクニュースに踊らされないよう日々過ごしているつもりだ」などの使い方で、偽物やまやかしを意味します。
イミテーションとレプリカとフェイクの使い分け方
イミテーションとレプリカという言葉は、どちらも模倣品を意味する言葉ですが、ダイヤモンドが嵌った指輪があるとして、そのダイヤが天然石ではなく人工的に作られていたら前者を、その指輪と全く同じものが同じように作られていたら後者を使います。
一方のフェイクという言葉は、そもそもダイヤが炭素で出来たものではなく、オリジナルと同じように輝き、見た目が似ている石で作られている場合に使います。
そのため、イミテーションは人工的に作られた模倣品に、レプリカはオリジナルの複製品に、フェイクは全くの別物で構成され似たように作られた偽物に対してそれぞれ使います。
これが、イミテーション、レプリカ、フェイクの明確な違いです。
イミテーションの意味
イミテーションとは
イミテーションとは、模造品や紛い物を意味しています。
「イミテーションコール」の意味
イミテーションを使った言葉として、「イミテーションコール」があります。これは、自分の携帯電話に電話が掛かってきたように見せるために機能です。着信音が鳴るだけでなく、着信時のランプや通話画面などが本来の着信や通話状態と同じようになります。
この機能は、夜道を歩く際などの痴漢防止のために作られたものですが、話の長い相手との会話を終えたい場合や、飲み会などを途中抜けしたい場合などにも使われていました。
イミテーションの対義語
イミテーションの対義語・反対語としては、本物や純粋、誠実を意味する「ジェニュイン」があります。
イミテーションの類語
イミテーションの類語・類義語としては、他のものをまねることを意味する「模倣」、形だけ似た動作をすることを意味する「真似」、互いに共通点があることを意味する「類似品」、実物の形に似せて作ったものを意味する「模型」などがあります。
レプリカの意味
レプリカとは
レプリカとは、模写や複製を意味しています。
本来は、元になるオリジナル作品の製作者によって作られた複製品を指していましたが、今日では製作者でなくとも複製品と言い表します。
過去繰り広げられてきた歴史がわかる史料はレプリカであることも多く、ローマ帝国では複製を職業とすることもあり、多くの作品のレプリカが作られることとなり、オリジナルが存在しない場合はそのレプリカが重要な価値を持つと評価されています。
また、有名人やプロスポーツ選手らが使用した小道具やユニフォーム、シューズなどのアイテムの模造品も商品として販売されていますが、貨幣の偽造などの違法となる模倣品に対しても使われる言葉です。
レプリカの対義語
レプリカの対義語・反対語としては、作品や図案など元になったものを意味する「オリジナル」、写真に写されたものなどに対して元のものを意味する「原物」があります。
レプリカの類語
レプリカの類語・類義語としては、本物に似せて作ることを意味する「模造」、本物に似せた紛い物を意味する「偽物」、似せて写すことを意味する「模写」、もとの物と同じものを別に作ることを意味する「複製」などがあります。
フェイクの意味
フェイクとは
フェイクとは、偽物やまやかしを意味しています。
フェイクを使った言葉として、「フェイクニュース」「ディープフェイク」があります。
「フェイクニュース」の意味
一つ目の「フェイクニュース」とは、インターネット上やSNSで発信や拡散されるデタラメな内容の情報を指す言葉です。虚偽であることを前提として架空の報道から、故意的に行われる捏造報道まで含みます。
「ディープフェイク」の意味
二つ目の「ディープフェイク」とは、人工知能などの合成技術を使って作られる、まるで本物のような偽物の動画を指す言葉です。悪用されることが多いため問題となっています。
フェイクの対義語
フェイクの対義語・反対語としては、偽物や作り物ではない本当のものを意味する「本物」があります。
フェイクの類語
フェイクの類語・類義語としては、本物らしく見せかけることを意味する「いかさま」、偽物を作ることを意味する「贋作」、本物ではないことを意味する「いんちき」、本物に似せて作ったものを意味する「贋物」(読み方:がんぶつ)などがあります。
イミテーションの例文
この言葉がよく使われる場面としては、模造品や紛い物を意味する時などが挙げられます。
例文2の「イミテーションキャビア」は人造キャビアとも呼ばれ、こういった他の食材に似せて別の食材を使って作られた加工食品を「イミテーション食品」や「コピー食品」と言います。
レプリカの例文
この言葉がよく使われる場面としては、模写や複製を意味する時などが挙げられます。
どの例文のレプリカも、イミテーションやフェイクという言葉に置き換えて使うことはできません。
フェイクの例文
この言葉がよく使われる場面としては、偽物やまやかしを意味する時などが挙げられます。
例文3の「フェイクパール」は、模造真珠とも呼ばれています。
イミテーションとレプリカとフェイクどれを使うか迷った場合は、模倣品を表す場合は「イミテーション」を、複製品を表す場合は「レプリカ」を、偽物を表す場合は「フェイク」を使うと覚えておけば間違いありません。