同じ「おくそく」という読み方の「憶測」と「臆測」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「憶測」と「臆測」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
憶測と臆測の違い
憶測と臆測の意味の違い
憶測と臆測の違いを分かりやすく言うと、憶測と臆測は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。
憶測と臆測の使い方の違い
一つ目の憶測を使った分かりやすい例としては、「彼は憶測をでものを言う」「その噂は憶測に過ぎないので信じる必要はありません」「憶測を逞しくしすぎている」「憶測で判断するのは良くないです」「憶測で話さないでください」などがあります。
二つ目の臆測を使った分かりやすい例としては、「彼女の主張が臆測でしかありません」「臆測でものを言う人は信用されなくなる」「彼はこの大会で引退するのではないかと臆測が飛び交っている」などがあります。
憶測と臆測の使い分け方
結論から言うと憶測と臆測は全く同じ意味を持つ言葉なので、どちらを使っても問題はありません。
ではなぜ二通りの表記があるようになったのかと言うと、元々は臆測で表記していたのですが「臆」という漢字が常用漢字表に載っていなかったため、常用漢字表に載っている「憶」で代用表記をしたからです。
常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。現行の常用漢字表は、2010年11月30日に平成22年内閣告示第2号として告示され、2136字で成り立っています。
しかし、平成22年11月30日の常用漢字表改定により「臆」も常用漢字となっため、臆測という表記を使うことが可能になりました。
また、どちらの言葉も使うことが可能であるため、辞書で「おくそく」を調べると憶測と臆測の両方が併記されています。
憶測と臆測どちらを使っても問題はないとされているものの、元々は臆測で表記されていため、臆測の方を使うのが望ましいという声も上がっています。
しかし、平成26年度に行われた文化庁の国語に関する世論調査では憶測を使う人が65%、臆測を使う人が24%という結果が出ているため、憶測を使う人の方が圧倒的に多くなっているのが現実です。
憶測と臆測の英語表記の違い
憶測も臆測も英語にすると「conjecture」「a guess」となり、例えば上記の「憶測で話さないでください」を英語にすると「Don’t talk in conjecture」となります。
憶測の意味
憶測とは
憶測とは、自分で勝手に推測することを意味しています。
表現方法は「憶測でものを言う」「憶測を呼ぶ」「憶測ですが」
「憶測でものを言う」「憶測を呼ぶ」「憶測ですが」「憶測で決めつける」「憶測でものを語るな」「憶測で判断」「憶測で話す人」「憶測の域を出ない」「憶測が飛び交う」「憶測に過ぎない」などが、憶測を使った一般的な言い回しになります。
憶測の使い方
憶測を使った分かりやすい例としては、「相手の主張が憶測でしかない」「彼女は憶測を言葉にしているに過ぎません」「彼の発言は様々な憶測を呼ぶ」「これが憶測出ないことを示す証拠があります」「あなたの発言は憶測の域を出ない」などがあります。
憶測は自分で勝手に推測することを意味しているため、どちらかというとマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。
憶測の語源
「臆測」の「臆」が常用外漢字であるため、代用字として、常用漢字の「憶」を用いた「憶測」が使われるようになりました。
この代用字というのは、他の単語でも使用されるものです。例えば、本来は「護る」であるところを「守る」と表記するのが代用字です。本来の字が難しい字面であったり、常用漢字ではない場合に代用字が使われます。
四字熟語「揣摩憶測」の意味
憶測を使った有名な四字熟語として「揣摩憶測」(読み方:しまおくそく)があります。揣摩憶測とは自分だけの判断で物事の状態や他人の心中などを推量することを意味しています。
憶測の類語
憶測の類語・類義語としては、確かな根拠もなく事実を推しはかることを意味する「当て推量」(読み方:あてずいりょう)、いい加減な見通しで事を行うことを意味する「当てずっぽう」、心の中で推し量ることを意味する「心当て」などがあります。
臆測の意味
臆測とは
臆測とは、自分で勝手に推測することを意味しています。
表現方法は「憶測を立てる」「臆測でものを言う」「臆測を呼ぶ」
「憶測を立てる」「臆測でものを言う」「臆測を呼ぶ」「臆測ですが」「臆測で決めつける」「臆測でものを語るな」「臆測で判断」「臆測で話す人」「臆測の域を出ない」「臆測が飛び交う」「臆測に過ぎない」などが、臆測を使った一般的な言い回しになります。
臆測の使い方
臆測を使った分かりやすい例としては、「あくまで彼の話は臆測の域を出ない」「昨日起きた事件について様々な臆測が飛び交っている」「彼らの関係については臆測を呼んでいる」「これらは推理というより臆測ですある」などがあります。
臆測は自分で勝手に推測することを意味しているため、どちらかというとマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。
平成22年11月30日の常用漢字表改定以前は臆測の「臆」が常用漢字表に載っていない言葉であったため、法令や新聞などの公用文では使用できませでした。しかし、常用漢字表改定により「臆」が常用漢字になったため、現在では公的な場面でも使うことができます。
臆測の類語
臆測の類語・類義語としては、他人の心意を悪く推量することを意味する「邪推」(読み方:じゃすい)、あれこれ気を回して悪い意味に考えることを意味する「勘繰る」(読み方:かんぐる)などがあります。
憶測の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分で勝手に推測することを表現したい時などが挙げられます。
例文2で使われている「憶測の域を出ない」とはある考えや議論の真偽を判断する上で未だに確実な証拠がない状態のことを意味しています。
臆測の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分で勝手に推測することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「臆測が飛び交う」「臆測が出る」というフレーズはよく使われています。
「憶測」と「臆測」はどちらの言葉を使うか迷った場合、どちらも自分で勝手に推測することを意味しており、使い方に違いはないので好きな方を使っていいと覚えておきましょう。