似た意味を持つ「やらせ」と「仕込み」(読み方:しこみ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「やらせ」と「仕込み」という言葉は、どちらもテレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「やらせ」と「仕込み」の違い
「やらせ」と「仕込み」の意味の違い
「やらせ」と「仕込み」の違いを分かりやすく言うと、「やらせ」と「仕込み」は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。
「やらせ」と「仕込み」の使い方の違い
一つ目の「やらせ」を使った分かりやすい例としては、「視聴者にやらせがバレて番組が打ち切りになりました」「今回の放送はやらせ疑惑がある」「やらせ街頭インタビューがバレて非難される」「この番組はやらせです」などがあります。
二つ目の「仕込み」を使った分かりやすい例としては、「早朝から仕込みにかかる」「明日の朝食の仕込みは終わっています」「本場仕込みのフランス料理を披露する」「朝食の仕込みは順調に進んでいます」などがあります。
「やらせ」と「仕込み」の使い分け方
「やらせ」と「仕込み」はどちらもテレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであることを意味しており、好きな方を使っても問題ありません。
あえて違いを挙げるならば、「仕込み」は上記の意味の他に、教え込むこと、商品を仕入れること、飲食店などで材料を下ごしらえすること、 醸造業で原料をまぜて桶などに詰めること、内部に装置すること、芝居の開演準備のこと、そこで身につけたものであることの意味を持っているのが違いです。
一説として「仕込み」は「やらせ」を言いかえる詭弁として業界内で定着したとも言われています。
また、番組を盛り上げるために行う悪意ない仕掛けのことを「演出」と言われていますが、明確な線引きができていないため使い分けはとても難しいです。
「やらせ」と「仕込み」の英語表記の違い
「やらせ」を直訳した英語表現はないのですが、似た表現は「fake」「set up」「rehearsed」となり、例えば上記の「この番組はやらせです」を英語にすると「This show is fake」となります。
一方、「仕込み」を英語にすると「laying in a stock」「preparation」となり、例えば上記の「朝食の仕込みは順調に進んでいます」を英語にすると「The preparation of the breakfast going smoothly」となります。
「やらせ」の意味
「やらせ」とは
「やらせ」とは、テレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであることを意味しています。
表現方法は「やらせ番組」「やらせ写真」「やらせの証拠」
「やらせ番組」「やらせ写真」「やらせの証拠」などが、「やらせ」を使った一般的な言い回しになります。
「やらせ」の使い方
「やらせ」を使った分かりやすい例としては、「最近はやらせ番組が増えてきている」「やらせ番組にうんざりしてテレビを見ることがなくなりました」「昨日放送していた番組のやらせがバレて炎上している」などがあります。
「やらせ」はテレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであることを意味する言葉です。そのため、マイナスなイメージを持っています。
番組終了後に「やらせ」が発覚し、ネット上で大炎上した後に番組打ち切りというケースも多数存在しています。
「やらせ」の語源
「やらせ」は出演者に実際にはなかったことをやらせるという言葉が省略され、「やらせ」と言うようになりました。
「やらせ」の類語
「やらせ」の類語・類義語としては、事実でないことを事実のように拵えることを意味する「捏造」、ある意図または目的をもって情報に手を加えることを意味する「情報操作」などがあります。
「仕込み」の意味
「仕込み」とは
「仕込み」とは、テレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであることを意味しています。
その他にも、教え込むこと、商品を仕入れること、飲食店などで材料を下ごしらえすること、 醸造業で原料をまぜて桶などに詰めること、内部に装置すること、芝居の開演準備のこと、そこで身につけたものであることという複数の意味を持っています。
表現方法は「仕込み作業」「本場仕込み」「一段仕込み」
「仕込み作業」「本場仕込み」「一段仕込み」「四段仕込み」などが、「仕込み」を使った一般的な言い回しになります。
「仕込み」の使い方
「番組が仕込みであることを出演者に告発されました」「親方の仕込みがとても良いです」などの文中で使われている「仕込み」は、「テレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであることや教え込むこと」の意味で使われています。
一方、「魚河岸に仕込みに行く予定です」「夜の開店に向けて仕込みにかかる」などの文中で使われている「仕込み」は、「商品を仕入れることや飲食店などで材料を下ごしらえすること」の意味で使われています。
「仕込み」は複数の意味を持つ言葉ですが、それぞれの意味によって使う場所や場面が違うため、様々な使い方をすることです。また、意味によってもプラスのイメージで使うのか、マイナスナなイメージで使うのか異なっています。
「仕込み」の類語
「仕込み」の類語・類義語としては、欠点や悪習などを正常な状態に直すことを意味する「矯正」、前もって必要なものを揃え整えておくことを意味する「用意」、あらかじめ準備をしておくことを意味する「下拵え」(読み方:したごしらえ)などがあります。
「やらせ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、テレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「やらせ」はマイナスなイメージでしか使わない言葉になります。
「仕込み」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、テレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであることを表現したい時などが挙げられます。
その他にも、教え込むこと、商品を仕入れること、飲食店などで材料を下ごしらえすること、 醸造業で原料をまぜて桶などに詰めること、内部に装置すること、芝居の開演準備のこと、そこで身につけたものであることを表現したい時にも使います。
例文1の「仕込み」はテレビ番組で事実らしく見せながら実際には演技されたものであること、例文2の「仕込み」は商品を仕入れることの意味で使っています。
また、例文3の「仕込み」は内部に装置すること、例文4の「仕込み」は芝居の開演準備のこと、例文5の「仕込み」はそこで身につけたものであることの意味で使っています。
「やらせ」と「仕込み」どちらの言葉を使うか迷った場合、意味や使い方に違いはないので好きな方を使って問題ありません。