【首謀者】と【主謀者】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しゅぼうしゃ」という読み方の「首謀者」と「主謀者」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「首謀者」と「主謀者」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「首謀者」と「主謀者」の違い

「首謀者」と「主謀者」の意味の違い

「首謀者」と「主謀者」の違いを分かりやすく言うと、「首謀者」は現代で使われている、「主謀者」は現代で使われていないという違いです。

「首謀者」と「主謀者」の使い方の違い

一つ目の「首謀者」を使った分かりやすい例としては、「彼がこの事件の首謀者です」「連続窃盗事件の首謀者を捕まえることができました」「今回の事件の首謀者は他にいるはずだ」「私は彼女がこの事件の首謀者だと考えた」などがあります。

二つ目の「主謀者」を使った分かりやすい例としては、「彼女が昨日起きた事件の主謀者です」「主謀者を逮捕したことにより一連の事件は幕を閉じた」「彼はこの事件の主謀者ではないだろう」などがあります。

「首謀者」と「主謀者」の使い分け方

「首謀者」と「主謀者」は同音同義語で、陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを意味していますが、現代では「首謀者」を使うのに統一されています。

「主謀者」は以前刑法の条文で使われていたので、そういう記事だけには使っていましたが、法改正により法律関連でも「首謀者」の方を使うようになりました。

したがって、小説などの個人が書く文章以外は「首謀者」の方が一般的と覚えておきましょう。

「首謀者」と「主謀者」の英語表記の違い

「首謀者」も「主謀者」も英語にすると「ringleader」「mastermind」となり、例えば上記の「私は彼女がこの事件の首謀者だと考えた」を英語にすると「I regarded her as the ringleader of the case」となります。

「首謀者」の意味

「首謀者」とは

「首謀者」とは、陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを意味しています。

表現方法は「事件の首謀者」「反乱の首謀者」「首謀者の足取り」

「事件の首謀者」「反乱の首謀者」「首謀者の足取り」などが、首謀者を使った一般的な言い回しです。

「首謀者」の使い方

「首謀者」を使った分かりやすい例としては、「今回の事件の首謀者がはっきりと分かりました」「彼女がこの事件の首謀者であると認定されました」「反乱の首謀者を逮捕しました」「私は今回の事件の首謀者を知っています」などがあります。

「首謀者」とは陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを指しており、マイナスなイメージでしか使われない言葉です。

マスコミや法律関連では「首謀者」で統一されている

以前は「主」を使った「主謀者」という言葉も使われていたのですが、マスコミが「首」を使った「首謀者」で統一したり、法改正により法律関連においても「首謀者」の方を使うのが一般的になりました。

そのため、陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを指したいのであれば、「首謀者」の方を使えば間違えることはないでしょう。

「首謀者」の類語

「首謀者」の類語・類義語としては、悪党の中心人物のことを意味する「元凶」、悪者の頭領のことを意味する「巨魁」(読み方:きょかい)、事件の起こる原因を作った人のことを意味する「張本人」などがあります。

「主謀者」の意味

「主謀者」とは

「主謀者」とは、陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを意味しています。

表現方法は「事件の主謀者」「反乱の主謀者」「主謀者の特定」

「事件の主謀者」「反乱の主謀者」「主謀者の特定」などが、主謀者を使った一般的な言い回しです。

「主謀者」の使い方

「主謀者」を使った分かりやすい例としては、「彼がこの事件の主謀者であると認定されました」「事件の主謀者であると思われる男を逮捕した」「彼女がこの連続爆破事件の主謀者です」「反乱の主謀者が逮捕されました」などがあります。

「主謀者」とは陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを指しており、マイナスなイメージでしか使われない言葉です。

「主謀者」は個人が書く小説などでしか使われない

以前は「主」を使った「主謀者」という言葉も使われていたのですが、マスコミが「首」を使った「首謀者」で統一したり、法改正により法律関連においても「首謀者」の方を使うのが一般的になり、現代ではあまり使われなくなりました。

現代で使われている場面を挙げるならば、個人が書く小説などです。

「主謀者」の類語

「主謀者」の類語・類義語としては、二人以上の者による犯罪行為の中心となった人物のことを意味する「主犯」、表面には出ないで指図をしたり謀り事を巡らしたりする人のことを意味する「黒幕」、悪事や謀反などの首謀者のことを意味する「首魁」(読み方:しゅかい)などがあります。

「首謀者」の例文

1.首謀者が自害したことによって事件が終わったとされているが、まだ謎がいくつか残っています。
2.事件の手掛りが中々見つからず、未だに首謀者の足取りが分かりません。
3.彼はこの事件の首謀者の一人とみなされたが、当人はこれを否定しています。
4.一連の事件の首謀者を特定できずにいるが、目星はついています。逮捕されるのも時間の問題だろう。
5.歴史的な事件の首謀者は全国で指名手配されているが、未だに捕まっていません。
6.彼がこの事件の首謀者だと言われても、どう見たって高校生の少年にしか見えないのだが、一体どういうことなのか。
7.強盗殺人事件の首謀者が捕まらないまま、早5年が経とうとしているが、捜査本部は一向に手掛かりがつかめないでいた。
8.死んだこの男もまさか首謀者と同姓同名だから付け狙われていたなんて思いもよらなかったのだろうとわたしは少し憐れんでしまった。
9.部屋に仕掛けておいた隠しカメラの映像を見て、今回の盗み事件の首謀者は友人の飼っている二匹の犬たちであることがはっきりした。
10.陰謀論が根本的におかしいところは、すべては悪意を持った首謀者の計画通りに物事が進んでいるという前提で考えられているところである。

この言葉がよく使われる場面としては、陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「首謀者」はマイナスなイメージでしか使われない言葉です。

「主謀者」の例文

1.主謀者とその一味は全員有罪となり、さまざまな期間の懲役刑を受けることになりました。
2.師匠が今話題になっている事件の主謀者と知っているが、黙っていることにしました。
3.いじめの主謀者を陥れるために、ボイスレコーダーを持ち歩くことにしました。
4.警察が総動員され、暴動を起こした主謀者たちは逮捕されました。
5.この事件の主謀者と思われていた人物のアリバイが証明されたため、事件は振り出しに戻りました。
6.もしかしたらこの事件に主謀者は存在しなくて、それぞれが目的を共有して行動しているのではと刑事はピンとひらめいたのだった。
7.捜査本部は彼を主謀者だと思っており、取り調べをするも何も知らないの一点張りで捜査は難航していたが、ある捜査員は彼は本当に何も知らないのではと考えるようになった。
8.代官は入手した連判状をみて主謀者を洗い出そうとしたが、円状に署名か書かれており主謀者の名前はわからないように施してあった。
9.政府機関前での暴動は主謀者が制御できなくなるほどに大きく拡大して、もはや軍から鎮圧部隊を出動させなければならないほどであった。
10.会社はクーデターにより社長らは解任させられたが、そのクーデターの主謀者が社長の右腕と言われていた男であったことはのちのち判明することになるのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「主謀者」はマイナスなイメージでしか使われない言葉です。

「首謀者」と「主謀者」はどちらも陰謀や悪事を中心になって企てる人のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現代で一般的に使われている「首謀者」を使うようにしましょう。

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