【ご覧ください】と【ご参照ください】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ご覧ください」(読み方:ごらんください)と「ご参照ください」(読み方:ごさんしょうください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ご覧ください」と「ご参照ください」という言葉は、どちらも見てもらうことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ご覧ください」と「ご参照ください」の違い

「ご覧ください」と「ご参照ください」の意味の違い

「ご覧ください」と「ご参照ください」の違いを分かりやすく言うと、「ご覧ください」とは見てもらうこと、「ご参照ください」とは見て参考にしてもらうことという違いです。

「ご覧ください」と「ご参照ください」の使い方の違い

一つ目の「ご覧ください」を使った分かりやすい例としては、「お待ちの間よろしければご覧ください」「こちらの資料をご覧ください」「ご希望の方はご自由にご覧ください」「お手にとってご覧ください」「こちらのメニューをご覧ください」などがあります。

二つ目の「ご参照ください」を使った分かりやすい例としては、「こちらの資料をご参照ください」「当日までに変更点をご参照ください」「詳細につきましては下記のページをご参照ください」などがあります。

「ご覧ください」と「ご参照ください」の使い分け方

「ご覧ください」と「ご参照ください」はどちらも見てもらうことを意味していますが、使い方に少し違いがあるため注意が必要です。

「ご覧ください」はただ見てもらうことだけを意味しているのに対して、「ご参照ください」は見るだけではなく、参考にしてもらうという意味が含まれているのが違いになります。

「ご覧ください」と「ご参照ください」の英語表記の違い

「ご覧ください」を英語にすると「please take a look 」となり、例えば上記の「こちらのメニューをご覧ください」を英語にすると「Please take a look at the this menu」となります。

一方、「ご参照ください」を英語にすると「Please refer」となり、例えば上記の「添付ファイルをご参照ください」を英語にすると「Please refer to the attached file」となります。

「ご覧ください」の意味

「ご覧ください」とは

「ご覧ください」とは、見てもらうことを意味しています。

表現方法は「ご覧くださいますようお願いいたします」「ご覧くださいませ」

「ご覧くださいますようお願いいたします」「ご覧くださいませ」「楽しみにご覧ください」「よろしければご覧ください」「などが、「ご覧ください」を使った一般的な言い回しになります。

「ご覧ください」の使い方

「ご覧ください」を使った分かりやすい例としては、「こちらの資料をご覧くださいませ」「新製品を多数展示していますのでぜひご覧ください」「最後までごゆっくりご覧ください」「資料をお送りしましたのでお時間のある時ご覧ください」などがあります。

「ご覧ください」は見てもらうことを意味する尊敬語です。

また、「ご覧ください」は敬語表現なのでビジネスシーンなどで目上の人に対しても使うことができます。ただし、人によっては失礼だと考える人もいるので、目上の人に対して使う場合は、さらに丁寧な表現である「ご高覧」や「ご賢覧」を使うのが無難でしょう。

「ご覧になってください」は二重敬語なので注意

「ご覧ください」を使う上で注意しなければならないのは、「ご覧になってください」のように二重敬語にしないことです。

二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることで、より丁寧に表現しようとしてしまう間違った敬語の使い方になります。

「ご覧になってください」の「ご覧になる」が見ることの尊敬語で、「ください」が「くれる」の尊敬語になります。そのため、「尊敬語+尊敬語」の例に当てはまっているので、「ご覧になってください」は間違った敬語の使い方です。

もし丁寧に表現したいのであれば、「ご高覧ください」や「ご賢覧ください」を使うようにしましょう。

「ご覧ください」の漢字表記

「ご覧ください」を漢字にすると「御覧ください」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。また、「ご覧ください」の「ください」は補助動詞なので、「下さい」の漢字は使えないと覚えておきましょう。

「ご覧ください」の類語

「ご覧ください」の類語・類義語としては、相手に確認してもらうことを意味する「ご確認ください」、他人にみてもらうことを意味する「ご高覧ください」などがあります。

「ご参照ください」の意味

「ご参照ください」とは

「ご参照ください」とは、他のものと照らし合わせて参考にすることを意味しています。

表現方法は「ご参照くださいますようお願い申し上げます」「ご参照くださいませ」

「ご参照くださいますようお願い申し上げます」「ご参照くださいませ」「下記をご参照ください」「添付ファイルをご参照ください」などが、「ご参照ください」を使った一般的な言い回しになります。

「ご参照ください」の使い方

「ご参照ください」を使った分かりやすい例としては、「先程配布した資料をご参照ください」「詳しい内容はこちらをご参照ください」「こちらのテキストの21ページをご参照ください」「アンケート結果についてはこちらをご参照ください」などがあります。

「ご参照ください」は他のものと照らし合わせて参考にすることを意味する尊敬語です。また、「ご参照ください」は敬語表現なのでビジネスシーンなどでも使うことができます。

「ご参照になってください」は二重敬語なので注意

「ご参照ください」を使う上で注意しなければならないのは、「ご参照になってください」のように二重敬語にしないことです。

「ご参照ください」の漢字表記

「ご参照ください」を漢字にすると「御参照ください」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。また、「ご参照」の「ください」は補助動詞なので、「下さい」の漢字は使えないと覚えておきましょう。

「ご参照ください」の類語

「ご参照ください」の類語・類義語としては、他人の意見や他の事例や資料などを手掛かりにしてもらうことを意味する「ご参考ください」、一度読んでもらうことを意味する「ご一読ください」などがあります。

「ご覧ください」の例文

1.アンケート結果をホームページに掲載していますので、ぜひご覧ください。
2.詳しい資料を送付いたしましたので、お手隙の際にご覧くださいませ。
3.詳細を添付ファイルでお送りしましたので、お時間ございます時に、ご覧くださいますようお願いします。
4.こちらの商品の応募方法につきましては、下記の案内をご覧ください。
5.明日の展示会は当方も出品いたしますので、ぜひご覧ください。
6.右斜め前をご覧ください。あの山の中腹に世界遺産に登録されている寺院がございます。今回の旅程には含まれていませんが、また機会がございましたらぜひお立ち寄りください。
7.この度は私の作品展にご来場くださり、まことにありがとうございます。まだまだ未熟な私ですが、現在の精一杯の作品を展示いたしました。どうぞごゆっくりご覧くださいませ。
8.商品のご注文方法やお支払方法の詳細につきましては、ヘルプページ内の商品の購入のトピックをご覧ください。
9.取引先の方から新製品が多数展示してありますのでぜひご覧くださいと案内されたので、仕事の情報収集がてら見てみることにした。
10.送った資料はご覧くださいましたかと言われるまで、わたしは資料そのものの存在をうっかり忘れてしまっていたことに気付かなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、見てもらうことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「ご覧ください」はとても丁寧な表現になります。

「ご参照ください」の例文

1.この商品の詳細については、こちらの説明書の内容をご参照ください。
2.前回の会議の結果を分かりやすくまとめたので、こちらをご参照ください。
3.この問題の解答については、テキストの103ページをご参照ください。
4.日時と場所の詳細につきましては別途資料をお送りいたしますので、そちらをご参照ください。
5.実験結果についてはこちらのデータをご参照ください。次のようなことが予想されます。
6.それぞれの詳しい計算方法については、お持ちのテキストをご参照ください。今回はこの処理の背景について会計理論と絡めてご説明したいと思います。
7.このレシピにあります短冊切りのやり方につきましては12ページを、だしの取り方につきましては23ページをご参照ください。
8.その業務改善を方法を図式化したものは、先ほど配布した資料に記載されておりますのでどうぞご参照ください。
9.商品の返品手続きの詳細の方法につきましては、こちらのヘルプページをご参照くださいますようお願い申し上げます。
10.お住まいの地域の詳しい気象情報や開設されている避難所に関する情報につきましては下記のURLをご参照ください。

この言葉がよく使われる場面としては、他のものと照らし合わせて参考にすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「ご参照ください」はとても丁寧な表現になります。

「ご覧ください」と「ご参照ください」はどちらも見てもらうことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ただ見てもらう時は「ご覧ください」を、見て参考にしてもらう時は「ご参照ください」を使うと覚えておきましょう。

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