似た意味を持つ「おかげさまで」と「おかげで」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「おかげさまで」と「おかげで」という言葉は、どちらもある物事がもたらす結果のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「おかげさまで」と「おかげで」の違い
「おかげさまで」と「おかげで」の意味の違い
「おかげさまで」と「おかげで」の違いを分かりやすく言うと、「おかげさまで」とは文頭で使われることが多い、「おかげで」とは文中や文末で使われることが多いという違いです。
「おかげさまで」と「おかげで」の使い方の違い
一つ目の「おかげさまで」を使った分かりやすい例としては、「おかげさまで無事息子も卒業できました」「おかげさまで無事10周年を迎えることができました」「おかげさまで彼氏と一緒に帰ることができる」「お陰様で彼はすくすく育っています」などがあります。
二つ目の「おかげで」を使った分かりやすい例としては、「台風のおかげで作物が散々です」「熟睡したおかげで気分がとても良いです」「あなたのおかげで昇進することができました」「先生のおかげで私のドイツ語が上達しました」などがあります。
「おかげさまで」と「おかげで」の使い分け方
「おかげさまで」と「おかげで」は似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「おかげさまで」は感謝を表す言葉として文頭に使われることが多く、「おかげで」は接続詞的な用法されることが多く、文中や文末で使うというのが違いになります。
「おかげさまで」と「おかげで」の英語表記の違い
「おかげさまで」を英語にすると「Thanks to you」となり、例えば上記の「お陰様で彼はすくすく育っています」を英語にすると「Thanks to you, he is growing in leaps and bounds」となります。
一方、「おかげで」を英語にすると「Thanks to」となり、例えば上記の「先生のおかげで私のドイツ語が上達しました」を英語にすると「Thanks to my teacher, my German got better」となります。
「おかげさまで」の意味
「おかげさまで」とは
「おかげさまで」とは、他人から受けた助力や親切に対して感謝を伝える言葉のことを意味しています。
表現方法は「おかげさまで元気です」「おかげさまでありがとうございます」
「おかげさまで元気です」「おかげさまでありがとうございます」などが、「おかげさま」を使った一般的な言い回しになります。
「おかげさまで」の使い方
「おかげさまで」を使った分かりやすい例としては、「おかげさまで無事娘も卒業できました」「おかげさまで彼らの演技が成長できたと思います」「おかげさまで無事就職することができました」「おかげさまで気持ちが大変軽くなりました」などがあります。
「おかげさまで」は他から受けた力添えや恩恵のことを意味する「おかげ」に丁寧な表現である「さま」が合わさり、他人から受けた助力や親切に対して感謝を伝える言葉のことの意味で使います。
「おかげさまで」は丁寧な表現なので、ビジネスシーンにおいて目上の人に対しても使うことができると覚えておきましょう。
「おかげさまで」を使う上で注意しなければならないのは、必ず文頭で使うということです。「先生のサポートのおかげで志望校に合格することができましたおかげさまです」などと使わないように気をつけましょう。
「おかげさまで」の漢字表記
「おかげさまで」を漢字にすると「お蔭様で」や「御蔭様で」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。
「おかげさまで」の類語
「おかげさまで」の類語・類義語としては、力を貸して助けることを意味する「ご支援」、他人の仕事を手助けすることを意味する「お力添え」、仕事や計画などの後ろだてとなって資金を提供したり便宜を図ったりして援助することを意味する「後援」などがあります。
「おかげで」の意味
「おかげで」とは
「おかげで」とは、ある物事がもたらす結果のことを意味しています。
表現方法は「先生のおかげで」「アドバイスのおかげで」「皆さんのおかげです」
「先生のおかげで」「アドバイスのおかげで」「皆さんのおかげです」などが、「おかげで」を使った一般的な言い回しになります。
「おかげで」の使い方
「おかげで」を使った分かりやすい例としては、「あなたがヘマをしたおかげでこの計画が台無しになりました」「この靴のおかげで速く走ることができます」「彼らのおかげで実験に成功することができました」「お酒を辞めたおかげで健康になりました」などがあります。
「おかげで」はある物事がもたらす結果のことで接続詞的な用法されることが多く、文中や文末で使うのが一般的です。また、「おかげで」は「おかげさまで」と同様に丁寧な表現なのでビジネスシーンにおいて目上の人に対して使うことができます。
「おかげで」は、前後の文章によてプラスのイメージとマイナスのイメージのどちらでも使うことができると覚えておきましょう。
例えば、「先生のサポートのおかげで志望校に合格することができました」のように他の人物から影響や恩恵を受けて良い結果が得られた場合はプラスのイメージになります。
一方、「あなたがミスしたおかげで残業になった」のように、〇〇のせいでという皮肉的なニュアンスで使う場合はマイナスなイメージになります。
「おかげで」の漢字表記
「おかげで」を漢字にすると「お陰で」「お蔭で」「御陰で」「御蔭で」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。
「おかげで」の類語
「おかげで」の類語・類義語としては、困っている人に力を貸すことを意味する「援助」、上の言葉を受けてそれが原因や理由であることを表すことを意味する「所為で」(読み方:せいで)などがあります。
「おかげさまで」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、他人から受けた助力や親切に対して感謝を伝える言葉のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「おかげさまで」は文頭に使うのが一般的です。
「おかげで」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある物事がもたらす結果のことを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3の「おかげで」はプラスのイメージで使っており、例文4と例文5の「おかげで」はマイナスのイメージで使っています。
「おかげさまで」と「おかげで」はどちらもある物事がもたらす結果のことを表します。 どちらの言葉を使うか迷った場合、文頭に使うのが「おかげさまで」、文中や文末に使うのが「おかげで」と覚えておきましょう。