【せびる】と【せがむ】と【ねだる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「せびる」と「せがむ」と「ねだる」の違いを分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しいのか、このページの使い分け方を参考にしてみて下さい。

「せびる」と「せがむ」と「ねだる」という言葉は、どれも相手に付け込んで要求することを意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使用される傾向があります。



「せびる」と「せがむ」と「ねだる」の違い

「せびる」と「せがむ」と「ねだる」の違いを分かりやすく言うと、「せびる」とはお金や物をくれるようしつこく頼むこと、「せがむ」とは何かをするようにしつこく頼むこと、「ねだる」とは甘えて頼むことを意味しているという違いです。

「甘えることで、相手がしてくれるように促す」のが「ねだる」で、「自分の意志を押し通し、無理やりやらせようとする」のが「せびる」「せがむ」です。

一つ目の「せびる」は「金品をくれるように執拗に頼むこと」を意味する言葉です。せびる人はある種の意地汚い人で、せびられる人はうっとうしく感じている、というような状況が念頭に置かれているのが「せびる」という言葉です。

例えば「知り合いに金をせびる」や「親に金をせびる」というように使われますが、大抵の場合、お互いのある種のよそよそしさが暗に表現されます。

二つ目の「せがむ」は「何かをしてくれるように執拗に頼むこと」を意味する言葉です。「せびる」との違いは、物をお願いしているのが「せびる」で、行動をお願いしているのが「せがむ」という違いです。

そのため「せがむ」も、せがむ人はうっとうしい人、意地汚い人、わがままな人というような意味合いがあり、せがまれる人は多かれ少なかれ迷惑を感じている、というような状況を表現します。

例えば「抱っこをせがむ」はうっとうしい行動という意味合いがあります。せがむ人は是非ともして欲しく、せがまれる側は出来ればしたくないという、「気持ちに多少のズレ」が感じ取られるのが「せがむ」という言葉です。

三つ目の「ねだる」は「甘えて頼むこと」を意味する言葉です。この言葉は「親密な関係性」を表現する傾向があります。

「旅行につれていって、とねだった」という表現では、「せびる」や「せがむ」よりも強情ではなく、相手が自分の気持ちを汲んでくれることに期待するというような状況が念頭に置かれています。

「せびる」の意味

「せびる」とは、金品をくれるように執拗に頼むことを意味しています。「せびる」は主に「物をせびる」という意味で、「行動をせがむ」という意味の「せがむ」とは対象が違います。

また「せびる」という言葉には「相手の気持ちを考えずに自分の考えを押し通す」という意味合いがあります。

「せびる」とは、「相手に付け込む」ことです。相手に付け込むとは、自分の有利になるように他人の弱点を利用することなので、「せびる」という言葉には「自分勝手、自己中心的、迷惑」などの意味合いが付いて回ります。

せびるの類語・類義語としては、主に子供が自分の意志を押し通そうとすることを意味する「駄々をこねる」、相手を脅迫して金品を貰おうとすることを意味する「ゆする」、立場の弱い者から物を吸い上げるように入手することを意味する「搾取」などがあります。

「せがむ」の意味

「せがむ」とは、自分に有利なことを相手にするようにしつこく頼むことを意味しています。「せびる」が「金品や物品をせびる」のに対して、「相手の行動をせがむ」のが「せがむ」です。

ただし、以上のような使い分け方は傾向的なものであって、必ずしも当てはまるわけではありません。

例えば、「物を買って」と頼む場合、物に重点があれば「せびる」、買う行動に重点があれば「せがむ」というように、どちらを使うことが出来る場合もあります。「プレゼントをせびられた」と「プレゼントをせがまれた」のような場合です。

ただしニュアンスには多少の違いが出ます。多少の違いではありますが、「せびる」では「意地の悪さ」という意味合いが出て、「せがむ」では「子供のようなわがままさ」という意味合いが出ます。

「せびる」は多かれ少なかれ悪いということですが、「せがむ」は必ずしも悪いわけではありません。

「せがむ」の対義語・反対語としては、他人に対して自分の言いたいこと、やりたいことを表現しないことを意味する「遠慮する」、謙遜して控えめな態度を取ることを意味する「謙抑する」などがあります。

「ねだる」の意味

「ねだる」とは、相手に甘えた態度をとって、何かを貰ったり、してもらったりしようとすることを意味しています。

「ねだる」は物を要求することも、行動を要求することにも同じくらい使われる言葉です。「せびる」と「せがむ」は自分の意見を通そうとする頑なな態度を連想させる言葉ですが、「ねだる」は相手を「そそのかす」ようなニュアンスがあります。

相手が自分のことを愛しく思い、自発的にしてくれるように「そそのかす」ために「甘えた態度を取る」のが「ねだる」です。そのような意味合いが「ねだる」は「親しい間柄」でのみ通用する行動です。

「せびる」の例文

1.親にお小遣いをせびっているが、なかなか通らない。
2.娘に金をせびられることが多くなってきたが、甘やかしてはいられない。
3.彼は付き合っている女性に金をせびる、典型的なひもだ。

この言葉がよく使われる場面としては、他人につけこんで物品を要求する、ある種の意地の悪さを表現したい時などが挙げられます。「せびる」は、あまり良い意味で使われる言葉ではありません。

この言葉は親子や兄弟、恋人など親しい間柄の人達にも使うことが出来ますが、「せびる人」と「せびられる人」の心情には溝があることを感じさせる言葉です。せぶる人は調子づいていますが、せびられる人は迷惑だったりうっとうしく感じていたりします。

「せがむ」の例文

1.ペットのブルドッグが抱っこをせがむようになってきた。
2.パーティーに来るようしつこくせがまれていたが、ついに根負けして行く約束をしてしまった。
3.彼女からせがまれていたバッグを買ったせいで、今月は素寒貧だ。

この言葉がよく使われる場面としては、他人に何かをしてもらおうと、しつこく頼むことを表現したい時などが挙げられます。基本的には「せがむ」は「相手に行動してもらおうと頼むこと」で、物を要求する「せびる」とは異なります。

しかし例文3の「バッグをせがむ」という使い方のように、物を要求するという意味で使われないわけではありません。割合としては低い使い方ですが、ないわけではありません。

ただし「バッグをせびる」と「バッグをせがむ」ではニュアンスが微妙に異なります。「せびる」の場合には「意地の悪さ」が表現されていて、「せがむ」の場合には「子供のようなわがままさ」が表現されています。

「せびる」は程度の悪さこそあれ、意地汚いということですが、「せがむ」は必ずしも悪い意味で使われているのではありません。

「ねだる」の例文

1.私にはそんな見え見えのおねだりは通用しません。
2.誕生日にクマのぬいぐるみをねだったら、ウマのぬいぐるみを貰った。
3.好きな人が旅行に行くというので、お土産をねだってさり気なくアピールしてみた。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に甘えて何かを頼むことを表現したい時などが挙げられます。「ねだる」は、物を要求することにも、行動を起こしてもらうことにも同じくらいの割合で使われます。

例文1にある「おねだり」は誰しもが聞いたことのある言葉です。「お」や「ご」という接頭辞は、美化語といって、敬語の意味合いを持ちます。敬語が使われるということは、「ねだる」が悪い意味ではなく、概して良い意味の言葉だということが分かります。

例文1のように拒絶される時もありますが、「ねだる」は概して「親密な関係」の人達の間で行われるものです。程度の差の問題ではありますが、「せびる」や「せがむ」よりも、ねだる人とねだられる人の間の心の距離は近いのです。

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