【恐れ多い】と【畏れ多い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「おそれおおい」という読み方の「恐れ多い」と「畏れ多い」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「恐れ多い」と「畏れ多い」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「恐れ多い」と「畏れ多い」の違い

「恐れ多い」と「畏れ多い」の意味の違い

「恐れ多い」と「畏れ多い」の違いを分かりやすく言うと、「恐れ多い」とは一般的に使われている、「畏れ多い」とは一般的には使用されていないが非常に身分が高い人に使うという違いです。

「恐れ多い」と「畏れ多い」の使い方の違い

一つ目の「恐れ多い」を使った分かりやすい例としては、「恐れ多いですが一言申し上げます」「恐れ多くも部長からお褒めの言葉を賜りました」「先輩にコーヒーを入れてもらうなんて恐れ多い」などがあります。

二つ目の「畏れ多い」を使った分かりやすい例としては、「畏れ多くも大統領からお言葉を賜る」「神社でそんなことするなんて畏れ多い」「畏れ多くも女王陛下から私の作品に対しお褒めの言葉を賜った」などがあります。

「恐れ多い」と「畏れ多い」の使い分け方

「恐れ多い」と「畏れ多い」は同音同義語ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「恐れ多い」と「畏れ多い」の使い分けに関して明確なルールは決まっていませんが、「恐れ多い」はビジネスシーンで先輩や後輩、上司や部下などの一般的な上下関係の場合に使います。

一方、「畏れ多い」の「畏れ」はかしこまることや崇高なものや偉大な人を畏れ敬うことを意味しており、国王や天皇天皇陛下などの非常に身分の高い人に対して敬意を表したい場合に使う言葉です。

そのため、一般的に使うのは「恐れ多い」の方と覚えておきましょう。

「恐れ多い」と「畏れ多い」の英語表記の違い

「恐れ多い」も「畏れ多い」も英語にすると「graciously」「afraid」となり、例えば上記の「畏れ多くも女王陛下から私の作品に対しお褒めの言葉を賜った」を英語にすると「Her Majesty the Queen the Emperor very graciously praised my work」となります。

「恐れ多い」の意味

「恐れ多い」とは

「恐れ多い」とは、失礼になるので申し訳ないことを意味しています。その他にも、我が身には有難く勿体ないことの意味も持っています。

表現方法は「恐れ多い限りです」「恐れ多い存在」「恐れ多いです」

「恐れ多い限りです」「恐れ多い存在」「恐れ多いです」「恐れ多いことでございます」などが、「恐れ多い」を使った一般的な言い回しになります。

「恐れ多い」の使い方

「恐れ多いですが一言よろしいでしょうか」「彼と自分を同格に語るなんて恐れ多いでです」などの文中で使われている「恐れ多い」は、「失礼になるので申し訳ないこと」の意味で使われています。

一方、「恐れ多くも社長からお褒めの言葉をいただきました」「会長直々にお出ましとは恐れ多いことです」などの文中で使われている「恐れ多い」は、「我が身には有難く勿体ないこと」の意味で使われています。

「恐れ多い」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。また、基本的に目上の人に対してのみ使用するので、立場が同等や目下の人には使いません。

「恐れ多い」は目上の人へ感謝、謝罪、お願いする場合のクッション言葉としても使われています。

クッション言葉とは「大変恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」「大変ありがたいお話なのですが」「不本意ではございますが」などのように、伝えたい本題に入る前に一言添えて気遣いを示す言葉のことです。

「恐れ多い」の類語

「恐れ多い」の類語・類義語としては、またとないくらい尊いことを意味する「有難い」、身に過ぎて恐れ多いことを意味する「勿体ない」などがあります。

「畏れ多い」の意味

「畏れ多い」とは

「畏れ多い」とは、失礼になるので申し訳ないことを意味しています。その他にも、我が身には有難く勿体ないことの意味も持っています。

表現方法は「畏れ多いですが」「畏れ多い限りです」

「畏れ多いですが」「畏れ多い限りです」などが、「畏れ多い」を使った一般的な言い回しになります。

「畏れ多い」の使い方

「畏れ多いですが天皇陛下に一言申しあげます」「仏様の前でそんなことするなんて畏れ多い」などの文中で使われている「畏れ多い」は、「失礼になるので申し訳ないこと」の意味で使われています。

一方、「畏れ多くも国王からお言葉を賜る」「閣下が直々にお出ましとは畏れ多いです」などの文中で使われている「畏れ多い」は、「我が身には有難く勿体ないこと」の意味で使われています。

「畏れ多い」の「畏れ」とはかしこまることや崇高なものや偉大な人を畏れ敬うことを意味しています。

そのため、一般的にはあまり使われていませんが、「畏れ多くも国王からお言葉を賜る」「陛下が直々にお出ましとは畏れ多いです」などのように、国王や天皇陛下などの非常に身分が高い人に対して使います。

「畏れ多い」の類語

「畏れ多い」の類語・類義語としては、身に受けた恩恵などに対して感謝の念でいっぱいであることを意味する「かたじけない」、 家柄や身分が非常に高いことを意味する「止ん事無い」(読み方:やんごとない)などがあります。

「恐れ多い」の例文

1.恐れ多いことでございますが、後でご連絡のほどよろしくお願いします。
2.大変恐れ多いことですが、部長に一言申し上げたいです。
3.私なんかがプロジェクトリーダーとは恐れ多いですが、精一杯頑張ります。
4.こうしてお祝いの品をいただけるのは、恐れ多いことだと存じます。
5.平社員の私が、恐れ多くも社長から暖かいお言葉をいただきました。

この言葉がよく使われる場面としては、失礼になるので申し訳ないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、我が身には有難く勿体ないことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「恐れ多い」は失礼になるので申し訳ないこと、例文3から例文5の「恐れ多い」は我が身には有難く勿体ないことの意味で使っています。

「畏れ多い」の例文

1.こちらの不手際もあるのに、大臣自らお詫びに来るとは畏れ多いです。
2.大変畏れ多いことですが、理事長に一言申し上げたいです。
3.私なんかが聖火ランナーを務めるとは畏れ多いですが、精一杯頑張ります。
4.皇帝陛下直々にお祝いの品をいただけるのは、畏れ多いことだと存じます。
5.国王自らこんな僻地へお越しになるとは、畏れ多いです。

この言葉がよく使われる場面としては、失礼になるので申し訳ないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、我が身には有難く勿体ないことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「畏れ多い」は失礼になるので申し訳ないこと、例文3から例文5の「畏れ多い」は我が身には有難く勿体ないことの意味で使っています。

「恐れ多い」と「畏れ多い」はどちらも失礼になるので申し訳ないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、広く一般的に使われているのが「恐れ多い」、あまり使われていないが非常に身分が高い人に使用するのが「畏れ多い」と覚えておきましょう。

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