似た意味を持つ「ニアミス」と「ケアレスミス」と「うっかりミス」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ニアミス」と「ケアレスミス」と「うっかりミス」という言葉は、失敗や誤りという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ニアミスとケアレスミスとうっかりミスの違い
ニアミスとケアレスミスとうっかりミスの意味の違い
ニアミスとケアレスミスとうっかりミスの違いを分かりやすく言うと、ニアミスは惜しい誤りを表現する時に使い、ケアレスミスは不注意による誤りを表現する時に使い、うっかりミスは普通はしないような誤りを表現する時に使うという違いです。
ニアミスとケアレスミスとうっかりミスの使い方の違い
ニアミスという言葉は、「今日スーパーへと出かけたら友人とニアミスしたらしい」「ニアミス事故に関する対応が待たれている」などの使い方で、近づくことやすれ違うことを意味します。
ケアレスミスという言葉は、「子どもがケアレスミスさえなければ満点だったのにと悔しがっている」「先輩にケアレスミスをフォローしてもらい感謝してもしきれない」などの使い方で、不注意による間違いを意味します。
うっかりミスという言葉は、「うっかりミスのせいで恋人とのデートに遅刻した」「後輩はうっかりミスが多く、目に入るところにメモを残すことを勧めた」などの使い方で、ぼんやりしていて間違えることを意味します。
ニアミスとケアレスミスとうっかりミスの使い分け方
ケアレスミスとうっかりミスは、どちらも誤りを意味する言葉で、ほとんど同じような意味で使われます。強いて違うとすれば、前者は注意散漫のため起きた誤りを指し、後者は通常であれば起こるはずのない誤りを指します。
しかし、区別して使われることはほとんどなく、どちらも注意力が散漫であることから間違いをしてしまうことを表します。
一方のニアミスは、単なる誤りではなく惜しい間違いを表現する場合に使われますが、本来は命に危険が及ぶような状態を指します。この点からもケアレスミスやうっかりミスとは異なることがわかります。
これが、ニアミス、ケアレスミス、うっかりミスの明確な違いです。
ニアミスの意味
ニアミスとは
ニアミスとは、近づくことやすれ違うことを意味しています。
ニアミスの語源
本来は飛行中の航空機が他の航空機に異常接近し、衝突の危険がある状態を表す言葉で、英語で「near miss」と表記されます。
ニアミスの由来
この使い方が転じて人間に対しても使われるようになり、人間同士が近づくことやすれ違うことを表すようになりました。近づいてはならない場合や偶然すれ違っていた場合などに使われるため、出会うことを約束している場合などには使うことができません。
また、人間同士が近づくことを表現する使い方は日本特有であるため、日本以外では伝わりません。
その他、試験問題などの解答や、考え方などにおいてニアミスを使う人も多く、一般的になっているようですが、ニアミスに「惜しい」といった意味は本来ないため、畏まるべきシーンで使うのには適していません。
表現方法は「ニアミスが多い」「ニアミスする」「ニアミスだったね」
「ニアミスが多い」「ニアミスする」「ニアミスだったね」などが、ニアミスを使った一般的な言い回しです。
ニアミスの類語
ニアミスの類語・類義語としては、重大な災害や事故には至らないものの直結してもおかしくはない事例を意味する「ヒヤリハット」、ごくわずかな差で危機に陥りそうな瀬戸際を意味する「危機一髪」があります。
ケアレスミスの意味
ケアレスミスとは
ケアレスミスとは、不注意による間違いを意味しています。
ケアレスミスの英語表記
英語で「careless mistake」と表記される言葉を略したものが由来となったのが、ケアレスミスです。
表現方法は「ケアレスミスが多い」「ケアレスミスが治らない」
ケアレスミスを使った表現として、「ケアレスミスが多い」「ケアレスミスを完全になくすことはできない」「ケアレスミスが治らず困っている」などがあります。目上の人に対してなどビジネスシーンで使うこともでき、日常生活においても使われています。
特に計算問題など学業に関係する場面で多く使われることが多い言葉で、ミスという言葉で表現されることも多くあります。
ケアレスミスの対義語
ケアレスミスの対義語・反対語としては、物事を目的通りに成し遂げることを意味する「成功」があります。
ケアレスミスの類語
ケアレスミスの類語・類義語としては、不注意や軽率さから過ちを犯すことを意味する「粗相」、高を括って気を許してしまって注意を怠ることを意味する「油断」、注意が行き届かず処置を誤ることを意味する「へま」があります。
うっかりミスの意味
うっかりミスとは
うっかりミスとは、ぼんやりしていて間違えることを意味しています。また、通常は起こるはずのない失敗も意味します。
表現方法は「うっかりミスが多い」「うっかりミスが増えた」
「うっかりミスが多い」「うっかりミスが増えた」などが、うっかりミスを使った一般的な言い回しです。
うっかりミスの語源
うっかりミスの「うっかり」とは、「浮かり」という言葉を元した言葉で、心が重さを失って放心状態に近いものを指していました。そのため、予期せぬ出来事に衝撃を受ける様子だけでなく、美しいものに心を惹かれる様子も表す言葉です。
そういったものによって他の物事に身が入らず、注意が行き届かない様子を「うっかり」と言うようになり、誤りを意味する「ミス」と合わせて使われるようになりました。
うっかりミスの対義語
うっかりミスの対義語・反対語としては、目標通りの成果が上がることを意味する「奏功」(読み方:そうこう)があります。
うっかりミスの類語
うっかりミスの類語・類義語としては、不注意による失敗を意味する「凡ミス」、するはずのないような失敗を意味する「ぽか」、間の抜けた失敗をすることを意味する「どじ」があります。
ニアミスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、近づくことやすれ違うことを意味する時などが挙げられます。
例文2のように、航空機が異常接近して衝突の危険がある状態を表すのが本来の使い方ですが、重大な事故に繋がっていたかもしれない事例を指す「ヒヤリハット」と同じように医療現場で使われることもあります。
ケアレスミスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、不注意による間違いを意味する時などが挙げられます。
どの例文のケアレスミスも、うっかりミスや、アテンションミスなどの言葉に置き換えて使うことができます。
うっかりミスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ぼんやりしていて間違えることを意味する時などが挙げられます。
どの例文のうっかりミスも、ケアレスミスや、アテンションミスなどの言葉に置き換えて使うことができます。
ニアミスとケアレスミスとうっかりミスどれを使うか迷った場合は、惜しい誤りを表す場合は「ニアミス」を、不注意による誤りを表す場合は「ケアレスミス」を、普通はしないような誤りを表す場合は「うっかりミス」を使うと覚えておけば間違いありません。