【逐語訳】と【直訳】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「逐語訳」(読み方:ちくごやく)と「直訳」(読み方:ちょくやく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「逐語訳」と「直訳」という言葉は、どちらも翻訳することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




逐語訳と直訳の違い

逐語訳と直訳の意味の違い

逐語訳と直訳の違いを分かりやすく言うと、 逐語訳とは原文通りの順番に並べてそのまま訳すこと、直訳とは原文を訳したあとに日本語順に並べ変えることという違いです。

逐語訳と直訳の使い方の違い

一つ目の逐語訳を使った分かりやすい例としては、「英語を逐語訳するお仕事をしています」「大学で古文を逐語訳する課題がでた」「聖書を逐語訳するのが私の趣味です」「逐語訳はとても読みにくい」などがあります。

二つ目の直訳を使った分かりやすい例としては、「韓国語を直訳するお仕事をしています」「イタリア語を直訳するのが私の趣味です」「文章を直訳する」「語学が苦手なのでポルトガル語を直訳することはできません」などがあります。

逐語訳と直訳どちらも原文通りに訳すこと

逐語訳と直訳どちらも原文通りに訳すことを意味しているのですが、訳したあとにどう並べ替えるかが違いになります。逐語訳と直訳がどう違うのか分かりやすい例を挙げてみます。

「We played soccer yesterday」という文を逐語訳すると、「私達は、しました、サッカーを、昨日」となります。原文を日本語に訳し、そのまま並べるのイメージすればいいはずです。

もう一方の直訳をすると、「私達は昨日サッカーをしました」となります。原文を日本語に訳しそれを日本語順に並べるとイメージすればいいでしょう。

直訳は外国語だけにしか使えない

その他にも、逐語訳は外国語だけではなく古文などを訳すのに使えるのに対して、直訳は外国語だけにしか使えないのも違いになります。

逐語訳と直訳の英語表記の違い

逐語訳を英語にすると「verbatim translation」となり、例えば上記の「英語を逐語訳するお仕事をしています」を英語にすると「I’m working on translating English verbatim」となります。

一方、直訳を英語にすると「literal translation」となり、例えば上記の「文章を直訳する」を英語にすると「translate a passage literally」となります。

逐語訳の意味

逐語訳とは

逐語訳とは、原文中の一語一語を忠実にたどって訳すことを意味しています。

逐語訳の使い方

逐語訳を使った分かりやすい例としては、「英語を逐語訳するのはとても難しい」「ドイツ語を逐語訳するお仕事をしています」「源氏物語はより忠実な逐語訳で読むことによってさらに面白くなる」などがあります。

逐語訳を分かりやすく解説

逐語訳は、原文中の一語一語を忠実にたどって訳すことを意味しているのですが、簡単に言うと一語一語頭から区切って訳すということです。

例えば「I gave her some candy that I bought yesterday」という文を逐訳語すると、
「私は、上げた、彼女に、いくつかのアメを、それは、私が、買った、昨日」となります。

逐語訳は外国語を訳す時だけではなく、古文を訳す時にも使える言葉です。しかし、日常生活でもビジネスシーンでもあまり使わず、翻訳の時にしか使われない言葉なので、頭の片隅に入れて覚えておきましょう。

逐語訳の逐の字を使った別の言葉としては、順を追って一つ残らず取り上げていくことを意味する「逐一」、順を追って次々に物事がなされること「逐次」、日を追うことを意味する「逐日」、年が経つにつれて物事が進行することを意味「逐年」などがあります。

直訳の意味

直訳とは

直訳とは、外国語の文章を原文に忠実に一語一語を辿って訳すことを意味しています。

直訳の使い方

直訳を使った分かりやすい例としては、「英語を直訳するのはとても難しい」「正確に直訳しないと相手が理解してくれないことが多い」「大学のテストでロシア語を直訳する問題があった」「趣味でスワヒリ語を直訳したものをブログに挙げています」などがあります。

直訳は外国語の文章を原文に忠実に一語一語を辿って訳すことを意味しているので、外国語に対してしか使えません。

直訳を分かりやすく解説

直訳はどういうものかを分かりやすく説明するために例を挙げてみます。例えば「I gave her some candy that I bought yesterday」を直訳すると、「私は私が昨日買ったいくつかのアメを彼女に上げた」となります。

上記のように、直訳は外国語の原文を忠実に一語一語訳したあとに日本語の語順に並べることです。日本語の語順に並べるのですが、原文を忠実に訳しているため、少々不自然な場合があります。

直訳の対義語

直訳の対義語・反対語としては、原文の一語一語にとらわれないで、全体の意味やニュアンスを汲み取って翻訳することを意味する「意訳」があります。

直訳の類語

直訳の直の字を使った別の言葉としては、間に他のものを挟まないで接することを意味する「直接」、直接にすることを意味する「直付け」、中間の機関を経ずに直接に管轄することを意味する「直轄」、物事に直接対することを意味する「直面」などがあります。

逐語訳の例文

1.聖書を逐語訳するお仕事を始めて、半年が経過しました。
2.彼氏が古文の先生なので、源氏物語の逐語訳をお願いしたが、中々首を縦に振ってくれない。
3.フランス語を逐語訳する作業をしているが、なかなか大変です。
4.この本は原文を逐語訳してるので、私が読むに中々難しい。
5.難しい英文や古文を逐語訳することは、とても重要です。
6.私はとりあえず手持ちの辞書を引きながら、その文章の逐語訳を試みてみました。
7.今回は逐語訳ではなく、記事の文脈を可能な限り正確に翻訳しようとするものである。
8.その教授曰く、文献は忠実な逐語訳で読むことによってさらに面白くなるのだそうだ。
9.習得したい言語を勉強する時は、まず逐語訳で文章を理解し、その後意訳によって表現方法を学ぶことが大切です。
10.逐語訳で文章を読んでも、その言葉の文化的な背景や歴史的な背景を知らなければ、意味を理解することは難しい。

この言葉がよく使われる場面としては、原文中の一語一語を忠実にたどって訳すことことを表現したい時などが挙げられます

上記の例文のように原文を訳す時にしか使わないため、あまり馴染みのない言葉のはずです。外国語だけではなく古文を訳す時にも使えると覚えておけばいいでしょう。

直訳の例文

1.海外で使われている英語には、日本語を直訳している面白いものが多い。
2.来月から直訳アプリを制作する部署に異動することになりました。
3.英語の歌詞を日本語に直訳すると変なものになることが多いです。
4.原文を直訳したものは、多少読みにくいことがあります。
5.長年翻訳をするお仕事をしているが、直訳と意訳どちらが正しいのか未だに分かっていない。
6.そのメールは日本語を直訳したような感じだったので、それが詐欺メールであることがわかった。
7.その翻訳ソフトはまだ直訳過ぎてビジネスでは使えないが、プライベートで英字新聞を訳すくらいならいいだろう。
8.あの外国人観光客向けの案内の看板はあまりに直訳過ぎて、外国の方々はきっと困惑してしまうでしょうね。
9.私のような非ネイティブスピーカーにとっては、直訳は語学学習において必要な一歩だが、そこに留まってはいけないとも言える。
10.学校の授業では直訳ばかりやらされたので、意訳するということがうまく出来ないでいます。

この言葉がよく使われる場面としては、外国語の文章を原文に忠実に一語一語を辿って訳すことを表現したい時などが挙げられます。

例文5の意訳は直訳の対義語になっています。直訳が原文に忠実に一語一語訳すのに対して、意訳は原文の一語一語にとらわれず、全体の意味やニュアンスをくみとって翻訳するからです。

そのため、意訳はとても読みやすい文章になっているのですが、原文と翻訳された文との間にズレが生じ、原文の筆者が伝えたいことが曲解される可能性があるというデメリットがあります。直訳と意訳どちらもメリットとデメリットがあるため、一概にどちらが良いとは言えないのです。

逐語訳と直訳どちらも訳すという意味を持っているのですが、原文通りの順番に訳した場合には「逐語訳」を、原文を訳したあとに日本語順に並べ変えた場合は「直訳」を使うと覚えておいてください。

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