【お含みおきください】と【ご承知おきください】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お含みおきください」(読み方:おふくみおきください)と「ご承知おきください」(読み方:ごしょうちおきください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お含みおきください」と「ご承知おきください」という言葉は、どちらも予め理解してくださいとお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違い

「お含みおきください」と「ご承知おきください」の意味の違い

「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違いを分かりやすく言うと、「お含みおきください」は目上の人に使える、「ご承知おきください」は目上の人に使えないという違いです。

「お含みおきください」と「ご承知おきください」の使い方の違い

一つ目の「お含みおきください」を使った分かりやすい例としては、「明日から出張で1週間不在となりますことをお含みおきください」「悪天候の場合は中止することもありますのでお含みおきください」「見積もり価格は暫定的なものであることをお含みおきください」などがあります。

二つ目の「ご承知おきください」を使った分かりやすい例としては、「突然の大雨により到着まで時間がかかることをご承知おきください」「県外出張のため本日から3日間不在になることをご承知おきください」などがあります。

「お含みおきください」と「ご承知おきください」の使い分け方

「お含みおきください」と「ご承知おきください」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「お含みおきください」は目上の人に対して使えるのに対して、「ご承知おきください」は目上の人に対して使えないというのが違いになります。

なぜ敬語なのに「ご承知おきください」が目上の人に対して使えないというと、知っておいてくださいという上から目線な印象を与えるからです。そのため、目上の人に対して使う場合は「お含みおきください」を使うようにしましょう。

「お含みおきください」と「ご承知おきください」の英語表記の違い

「お含みおきください」も「ご承知おきください」も英語にすると「please note that」「we kindly ask for your understanding」となり、例えば上記の「見積もり価格は暫定的なものであることをお含みおきください」を英語にすると「Please note that the estimated price is just provisional」となります。

「お含みおきください」の意味

「お含みおきください」とは

「お含みおきください」とは、心に留めておいてくださいということを意味しています。

表現方法は「お含みおきいただけますと幸いです」「お含みおきいただきたくお願い申し上げます」

「お含みおきいただけますと幸いです」「お含みおきいただきたくお願い申し上げます」などが、「お含みおきください」を使った一般的な言い回しになります。

「お含みおきください」の使い方

「お含みおきください」を使った分かりやすい例としては、「こちらのチケットはキャンセル不可となっていることをお含みおきください」「締め切りは来週に日曜日だということをお含みおきください」「忘年会が中止になったことをお含みおきください」などがあります。

「お含みおきください」は心に留めておくことや了解しておくことを意味する「含みおく」に尊敬の接頭語「お」と動詞「おく」の連用形で「おき」と丁寧語の「ください」が合わさり心に留めておいてくださいや、事情をよく理解してくださいという意味を持つ言葉です。

「お含みおきください」は社内の上司など目上の人に使える

主に相手に対してお願いをする場合に使います。また、ビジネスシーンにおいて頻繁に使われている言葉で、目上の人に対しても使用することが可能です。

「お含みおきください」の漢字表記

「お含みおきください」を漢字にして、「お含み置きください」とするのは間違った日本語なので使わないようにしましょう。

「お含みおきください」の類語

「お含みおきください」の類語・類義語としては、納得することをお願いすることを意味する「ご了承願いします」、過失に対して大目に見て欲しいことを意味する「ご容赦ください」などがあります。

「ご承知おきください」の意味

「ご承知おきください」とは

「ご承知おきください」とは、予め理解してくださいとお願いすることを意味しています。

「ご承知おきください」の使い方

「ご承知おきください」を使った分かりやすい例としては、「入院のため明日より1ヶ月間ご不在になることをご承知おきください」「チケットの払い戻しは受け付けておりませんのでご承知おきください」などがあります。

「ご承知おきください」は事情などを知ることを意味する「承知」に、尊敬の接頭語「ご」と動詞「おく」の連用形で「おき」と丁寧語の「ください」が合わさり、予め理解してくださいとお願いすることを意味する敬語です。

「ご承知おきください」は目上の人には失礼になる可能性あり

「ご承知おきください」は正しい敬語なので、ビジネスシーンにおいても使うことができます。ただし、目上の人に対して使うのは失礼な印象を与えることもあるので使用しないのが無難でしょう。

「ご承知おきください」の類語

「ご承知おきください」の類語・類義語としては、お願いしますをより強く表すことを意味する「何卒お願いします」(読み方:なにとぞおねがいします)、納得することをお願いすることを意味する「ご了承願いします」などがあります。

「お含みおきください」の例文

1.本日は台風の影響により、運行状況が悪くなっております。目的地到着までの所要時間がいつもよりかかりますことをお含みおきください。
2.弊社は9月20日から25日まで秋季休業となります。皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、お含みおきいただきたくお願い申し上げます。
3.万一キャンセルなされましても、ご予約料の返金は致しかねますのでお含みおきください。
4.ご入金いただけない場合は、不本意ながらしかるべき手続きを行います。その旨お含みおきください。
5.会議の検討結果次第では、ご期待に添えない可能性もあることもお含みおきください。
6.肉フェスは今週の土日に行われる予定ですが、台風などの悪天候の場合は中止になりますことをお含みおきください。
7.見積りはすべて無料ですが、見積り価格はあくまでAIにより算出されたもので参考程度であることをお含みおきください。
8.この話はあくまでわたしたちだけに留めていただきたいと思います。もし他言した場合はそれ相応の措置を講じることもあるのでその点をお含みおきください。
9.例えわが社が経営難に陥ったとしても、貴社には一切の支援を望まないと言うことだけはお含みおきくださいね。
10.予約につきましては完全受注生産ということもあり、取り消しは不可となっておりますのでどうぞお含みおきくださいますようお願いいたします。

この言葉がよく使われる場面としては、心に留めておいてくださいということを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「お含みおきください」は丁寧な言い回しなので、目上の人に対しても使うことができます。

「ご承知おきください」の例文

1.明日から店舗改装ため、2週間臨時休業となることをご承知おきください。
2.本日は点検工事があるためエスカレーターを使用できません。その旨をご承知おきください。
3.こちらの商品は返品不可ですのでご承知おきくださいと店員さんから言われました。
4.明日から海外出張でニューヨークへ行くため、1週間不在になることをご承知おきください。
5.こちらは時間の都合上、割愛しますことをご承知おきください。
6.新規入会者についての申し送りです。昨日ご入会されたAさんですが、足がご不自由のため、ご来館された際には介助が必要とのこと、週一で頻度は高くないですが、ご承知おきください。
7.こちらのシートは非常時にお手伝いのご協力をいただく席でございます。足元、ひざの上ともにお荷物が置くことができませんので、ご承知おきください。
8.来月から出張のため一か月間社内をあけるので、用がある場合は代理に伝えるようご承知おきください。
9.本日も通常通り営業しますが、配達のため一時不在になることがありますのでどうぞご承知おきくださいませ。
10.在庫は十分にストックしてありますが、来客者多数の場合は売り切れる場合もありますので、どうぞご承知おきください。

この言葉がよく使われる場面としては、予め理解してくださいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように「ご承知おきください」は丁寧な言い回しですが、目上の人に使うことができません。

「お含みおきください」と「ご承知おきください」はどちらも予め理解してくださいとお願いすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に使えるのが「お含みおきください」、目上の人に使えないのが「ご承知おきください」と覚えておきましょう。

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